情報が溢れる現代だからこそ、改めて「人がモノを買う」心理について考えてみた。

迫川 敏宏

突然ですが、人はなぜモノを買うのでしょうか?

急になんだ?と思われたかもしれませんが、ECに携わる私達からすると、根本的な、そしてずっと追い続けていく永遠のテーマだと思います。

皆さんも実感されていると思いますが、ここ数年で消費行動は大きく変化しました。PC・スマホを使えば、世界中の商品をその場で簡単に購入することができます。SNSや比較サイトには、商品レビューや最安値など、あらゆる情報で溢れています。ビッグデータを活用したレコメンド機能や、クラウドファンディング、サブスクリプションといった新たなモデルも話題になっています。

爆速的に市場環境が変化している昨今ですが、はたして「人がモノを買う理由」に、変化はあるのでしょうか。

今回は、基本に立ち返り、「人がモノを買う理由」を改めて整理するとともに、「欲しい」から「買おう」に変化するポイントを考えてみました。

人がモノを買う3つの理由について考えてみる。

人がモノを買う3つの理由について考えてみる。

理由1 生きるのに必要だから。
当たり前ですが、水、食物、最低限の衣類などは生きていくのに必要です。全てを自ら用意していたら、時間がいくらあっても足りませんし、手間もかかります。

お金という対価を払い、生きるために必要なものを入手するという、ある意味、一番根本にある欲求です。

理由2 飾りたい、そして他人と比較したいから。
アクセサリーや衣服、お洒落な家具や絵画など、生きていくために必ずしも必要でないものを求めるのは、自分や身の回りを「飾りたい」という欲求があるためです。

古代エジプトの装飾品や、縄文時代の土器の模様などにみられるように、この欲求は有史から現代までずっと変わらない、原始的な欲求といえます。

また、人間は社会的動物なので、他人と関係をもちながら生活をしています。その中で、自らのステータス維持のために、また、異性を惹きつける方法として、「モノ」を求めることはよくあることです。ブランド品や高級自動車などがこれにあたります。

理由3 ストレスを発散したいから
人は買い物をすると気分が良くなります。ショッピングは新しいモノを手に入れる行為ですが、この新しいこと、チャレンジングなことに遭遇すると脳が活性化し、ドーパミンが分泌されるといわれています。

この際、自分ではストレス発散のために買っていると自覚しているケースは少なく、知らず知らずそうなっている方も多いのではないでしょうか。

「欲しい」から「買おう」への変化。そこにあるものは「言い訳」!?

「欲しい」から「買おう」への変化。そこにあるものは「言い訳」!?

「人がモノを買う理由」はどちらかというと原始的な欲求がウエイトを占めていて、時代変化の影響は大きく受けていないという話をいたしました。

それでは次に、「実際に買おう」と判断する際の心理、トリガーについて考えてみます。

消費者の行動は実は合理的ではありません。そのときに置かれた状況によって、行動は変化するといわれています。

例えば、
・ダイエットをしているのに、ついスイーツを食べてしまう。
・故障していないのに最新のスマホに買い替えてしまう。 
   
そんなとき人は「言い訳」を考えます。

「一週間がんばって仕事をしたのだから、週末は自分へのご褒美にスイーツもいいよね」
「ポイント還元が今だけ2倍だし、バッテリーも格段にスペック向上したから」
というような心理です。

従来のマーケティングでは、商品に興味をもってもらい、メリットをつみ重ねて説明した結果、はじめて購買意欲を喚起させる方法が主流でした。

一方、情報が洪水のように溢れている現代、どんなに良い商品であっても、まず「言い訳」がなければそもそも商品説明に耳を傾けてくれません。

無料モニター、初回半額、期間限定、地域限定、数量限定…広告やSNS上にこのようなワードを用意することで、商品説明を聞いてもらう「言い訳」を用意することが必要になります。そのうえで、ランディングページにも「言い訳」を用意することで、購入への背中を押すことが重要です。

<商品購入を決断する際の「言い訳」の例>
・口コミ(多くの人が支持しているから)
・使用シーン(自分もこうやって使えそうだから)
・オファー(今だけの金額だから、プレゼントがもらえるから)
・ブランド(有名なブランドだから、質がいいから) など

実はシンプルな「人がモノを買う理由」と「購入決断のためのトリガー」。

実はシンプルな「人がモノを買う理由」と「購入決断のためのトリガー」。

こうしてみると、ECをはじめとするモノを買う「環境」は、テクノロジー化が進み、消費行動も複雑化しているのは事実ですが、モノを買う「理由」は、今なお、原始的な欲求が根強く残っていると思います。

また、「購入決断」に至る心理も、情報化社会の中で変化はみられるものの、その根本はとても単純なものであるといえます。

こう考えると、とてもシンプルにみえてきませんか?

環境の変化に振り回されるのではなく(もちろんある程度のテクノロジーの活用や最適化は必要ですが)、「人がモノを買う理由」と「購入決断のためのトリガー」をシンプルにとらえることが、EC成功の近道なのかもしれませんよ。

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著者

迫川 敏宏 (Toshihiro Sakogawa)

神奈川県横浜市出身。大学卒業後、コピーライター養成学校を経て、広告代理店、PR業界など様々な業界で、知見・実績を積み上げる。
通販業界最大手、某飲料メーカー系通販のWebプロモーションを支援。「アニメーション動画型ランディングページ」施策を確立し、売上最大350%伸長させることに貢献する。
圧倒的な業界知識と実績、ダイレクトマーケティングの経験を最大限に生かすべく、2018年4月に売れるネット広告社に入社。モットーは「真剣にふざける」。
焚火をこよなく愛し、月に2~3回のファミリーキャンプを楽しむ傍ら、パパだけでひっそり楽しむ「親父焚火会」を主催。

通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)取得。

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