Amazonマケプレプライムのルール変更を解説 7月以降に施行開始予定

西村 勇哉

2021年の1月にAmazonセラーに向けて、マケプレプライムのルール変更の告知が行われました。ルールに対応できずにいるとプライムマークが外されてしまい、検索結果で優先的に表示されなくなってしまいますので、必ず確認をしておきましょう。

既にAmazonに出品している事業者はもちろん、これからAmazonに参入しようと考えている事業者も知っておかなければいけないルールです。

今回のルール変更のポイントは①週末出荷の設定、②配送時間指標の目標値達成、③標準サイズ商品の全国配送です。それぞれ解説していきます。

週末出荷の設定

言葉の通り、土日の出荷対応が今後は必須になります。Amazon上での管理画面の設定方法自体は安易に行えます。しかし、システム上で設定を行っても物流面の変更はそう簡単にはできません。自社が委託している物流倉庫が365日対応ではない場合、他の物流倉庫に委託を変更する必要も可能性としては大いにあり得ます。

配送時間指標の目標値設定

出品者がショッピングカートボックスを獲得している状態で、ユーザーが商品詳細ページを閲覧した際、配達予定日を確認することができます。この表示が「1〜2日以内」と表示された割合をAmazonのダッシュボード上で計測し、目標値達成を目指す必要があります。

配達予定日は、出品者の発送元住所や消費者の届け先住所によって算出されています。もし、配達予定日が2日を超えている場合は配送設定の確認や期日内配送状況の管理が必要です。
 
注意が必要なのが、商品詳細ページに表示される配送予定日の割合となっており、実際に購入された商品に掲載されていた配送予定日の割合ではありません。また、配達日を2日以内に設定していても実際に届くのが3日後だった場合はAmazonから警告を受けてしまうのでそこにも注意が必要です。

標準サイズ商品の全国配送

このルール変更も多くの事業者に大きな影響を与えてしまいそうです。今まではマケプレ対象商品の配送地域は事業者自ら設定を行っていました。

しかし、新ルール適用後は北海道、沖縄、離島を除いた、本州・四国・九州が一律にプライム対象地域として設定されることになります。
 
そのため、特定の地域にしか物流拠点がない場合は対応が難しく、複数の物流拠点を設ける必要が出てきます。

対応忘れにより発生するデメリット

対応忘れにより発生するデメリット

上記の対応に漏れがあり、未対応の場合は対象商品がマケプレ対象から外れてしまいます。その結果、検索結果の上位表示が行われないなど売上に影響が出てくると思われます。今回のルール変更は2021年7月15日以降と告知されており、それまでに対応の検討が必要になるでしょう。

対策方法

対策方法

今回のルール変更に対応していく場合は、言うまでもなく物流網を整える必要があります。たとえばFBAを利用する、FBA対応が難しい事業者は365日対応の物流倉庫に委託して、自動出荷システムを導入し土日対応を行い、さらに各地方にも迅速に配送する必要があります。

FBAを利用できる事業者であれば、今回のルール変更に比較的対応しやすく、あまり大きな課題にはならないかもしれません。
 
しかし、FBAが対応していない3温度帯商品を取り扱っている事業者などは、あらゆる投資が必要になります。特に自動出荷システムなどは、今利用している受注処理システムや委託している物流倉庫が利用しているWMSとの相性次第では、連携が難しい場合も予想されます。
 
ただ、導入が進めば業務の大幅な効率化が図れる可能性は高く、今回のルール変更を機に情報収集は行ってみるのもいいかもしれません。

自社の現状をおさらいして冷静な判断を

今までもAmazonのルール変更は多くありましたが、物流拠点を新しく検討し、自動出荷ツールを新たに導入しないと対応ができないレベルの変更は珍しいです。
 
確かにプライムマークの掲載が落ちることで売上には少なからず影響が発生するでしょう。しかし、今回のルール変更に新しく対応していくための投資は大きく、それに見合う売上を立てられるかどうか、慎重に見極めるべきです。その分の投資を自社ECに回して利益改善を目指すのも選択の一つ。Amazonだけではなく、EC事業の全体から考え、判断を行いましょう。
 
また、本格的に物流倉庫を検討するとなると、全国の倉庫を探すのは非常に大変です。ECのミカタでは、EC事業者の要望をヒアリングし、物流倉庫を紹介させていただく無料のビジネスマッチングも行っていますので、お気軽にご相談ください。

(ECのミカタ通信vol.21から転載)

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Amazon運用ノウハウまとめ


著者

西村 勇哉 (Nishimura Yuya)

ECのミカタ メディア編集部
見た目はヒョロイが7歳から空手を20年以上続けています。
社会人になってもちょこちょこ練習しています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
伝統産業や地方創生に興味があります。
連絡先→
nishimura@ecnomikata.co.jp
@EC38569724

ECのミカタ:https://ecnomikata.com/