LINE公式アカウントで追うべき指標は?KPI設計のポイント〜立ち上げフェーズ編〜
LINE公式アカウント運用の成果を評価する上で、友だち数やメッセージの開封率など、なんらかの指標を日々追っているご担当者も多いと思います。
ただ、漠然と数値を追っているだけでは、本当に成果に繋がっているかよくわからない・・という課題感を抱くケースも少なくありません。
今回は、最終的なゴールとしてLINE経由の売上を向上していくために、どのようにKPIを設計していくと良いか?をテーマとして、特にLINE公式アカウントを立ち上げたばかりのフェーズに重視したい指標とその具体的な分析方法を解説します。
ECサイトにおけるLINE公式アカウントのKPI設計で重要なポイント
LINE公式アカウントで追う指標(KPI)は、最終的なゴール(KGI)を明確にした上で、現時点で最も達成すべき目標を逆算的に設定していくことが大切です。
そのため、達成する指標(KPI)はLINE公式アカウントの活用フェーズごとに設計を変えていくことをおすすめします。
LINE公式アカウントのKPI設計の例として、活用フェーズごとの指標の全体像を下記図にまとめました。
LINE公式アカウント立ち上げフェーズで重視すべき指標とは?
立ち上げの段階でまず重視すべきは、友だち数をいかに増やせるか?です。
加えて、反応してもらえるメッセージを継続的に配信できる状態を目指していきましょう。
具体的には以下の指標を重視します。
●友だち追加数
●ターゲットリーチ数
●毎月のメッセージ配信数(一定の頻度が保てているか)
●メッセージごとの開封数/率、クリック数/率
次に各指標で押さえておきたいポイントと、実際にLINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager、以下LOAM)上のどこから数値を確認すれば良いのかを解説します。
友だち追加数
友だち数は、自社のLINE公式アカウントを友だち追加したユーザーアカウントの総数です。
友だち追加後にブロックした場合や、友だち追加したユーザーのアカウントが削除された場合でも、友だち追加数は減りません。友だち追加数=メッセージ配信が可能な友だちの数ではないという点には注意です。
つまり、友だち追加数は「LINE公式アカウントを友だち追加するというアクションが行われた回数」となるので、友だち追加の機会をいかに増やせたかという観点で見ていく指標となります。
実際にメッセージが届く友だち数は、以下で解説する「ターゲットリーチ数」にあたるので、友だち追加数と合わせて見ていくことをおすすめします。
友だち追加数は、管理画面の「①分析」タブのメニューにある「②友だち」から確認できます。
前日・7日前・30日前のデータ概要のほか、期間を指定して推移を確認することも可能です。
ターゲットリーチ数
ターゲットリーチとは、友だち追加数からブロック数・友だち解除数を差し引いた、性別や年代、エリア等のみなし属性が推定可能なユーザーです。
つまり、メッセージ配信をした際にそれを受け取ることができる友だちの数です。
友だち追加数がどれだけ増えていても、ターゲットリーチ数が増えていかないと、LINE公式アカウントの運用効果は頭打ちになってしまうので、友だち追加数だけでなくターゲットリーチ数もKPI指標として重視することが大切です。
ターゲットリーチ数は、友だち追加数と同様に、管理画面の「分析」タブのメニューにある「友だち」から確認できます。
毎月のメッセージ配信数(一定の頻度が保てているか)
友だち追加数やターゲットリーチ数が増えてきたら、メッセージを定期的に配信していきましょう。
あまりに情報発信が少ないアカウントでは、せっかく友だち追加してくれたユーザーと、良好なコミュニケーションを醸成することができません。かといって、頻繁すぎるメッセージ配信は、ブロックの原因にもなってしまいます。そのため、適切なメッセージ配信の頻度が重要になります。
過去のデータをふまえると、ブロックされにくい配信頻度としては週に1回程度の配信がおすすめです。
なお、毎月のメッセージ配信数は利用しているプランによってそもそも配信できる数が決まっているので、現状の予算との兼ね合いも踏まえて現実的なラインに落とし込みましょう。
メッセージ配信の合計数は、管理画面の「①分析」タブのメニューにある「②メッセージ通数」で確認できます。ここではすべてのメッセージ配信の合計値のほか、メッセージの種類ごとの数値も集計されています。
日頃定期的に配信するメッセージの通数としては、主に「配信(すべての友だち)」や「配信(絞り込み)※実施している場合」の数字を確認しましょう。
メッセージごとの配信数は、「①分析」タブのメニュー「②メッセージ配信」から確認できます。
メッセージごとの開封数/率、クリック数/率
配信したメッセージをユーザーが見て興味を持ちクリックしているかを計測する指標として、メッセージごとの開封率やクリック率をチェックしましょう。
LINE公式アカウント開設直後、ターゲットリーチ数がまだ少ない段階では、まずはLINE経由の反応のインパクトをどれだけ拡大できるかを重視し、開封数やクリック数の母数を一定確保できているか見ていきましょう。
ある程度配信ボリュームが維持できるようになってきた段階で、開封率やクリック率を見て、より反応率を上げる改善に目を向けていきます。
メッセージごとの開封率・クリック率は、「①分析」タブのメニュー「②メッセージ配信」から確認できます。
注意点として、LINE公式アカウントの管理画面上でクリック数とクリック率を見る際は、一つのメッセージ経由でクリックしたユーザー数が20人以上いないと数値が表示されません。
急に増やすことが難しいID連携数
LINE公式アカウントの活用フェーズを通して増やしておきたい指標の一つに「ID連携数」があります。
LINEのID連携とは、自社顧客のアカウント(会員ID)とLINEアカウントを連携・紐付けることです。
ID連携を行うと、LINE公式アカウントの友だちが自社の顧客データベース上のどの会員なのかを判別できるようになるため、属性や購買履歴などの顧客データを活用したセグメント配信を行うなど、成長フェーズで重要になる費用対効果の高いメッセージ配信に不可欠となります。
ところが、ID連携数は後から急に増やすことが難しいため、LINE公式アカウントの立ち上げ当初の段階からその後の成長フェーズを見据えて増やしていくことをおすすめします。
LINE公式アカウント立ち上げ当初から、LINEログインなど、LINEのID連携を行う仕組みを用意している場合は、ID連携数も指標として追っていきましょう。
ID連携率を増やすには、企業視点で「ID連携しましょう」というだけではなかなか増やすことはできません。ユーザーがすすんでID連携をしたくなる仕組みやメリット、ユーザーの手間をかけずに自然な形でID連携ができるような導線作りが必要です。
ID連携数がうまく伸びていない場合、ID連携のしくみや導線に問題がある、お客様にとってID連携のメリットがわかりにくいなどの課題があるかもしれません。
そうした課題にいち早く気づき適切な対策を講じるためにも、ID連携数は重要な指標となります。
【LINEログインとは?】
LINEログインを実装することで、ECサイトにおける会員登録フローの中で、LINE公式アカウントの友だち追加とID連携が同時に完了します。
そのため、「LINE公式アカウント上でECサイト利用ユーザーとの接点を効率的に増やせる」というメリットがあります。
LINEログインとは? 読めばわかる! 特徴・メリット、導入方法、活用事例を一挙解説
参考記事
それぞれの指標を追う上で、参考にしていただける記事をピックアップしました。ぜひご一読いただければと思います。
▼LINE公式アカウントの友だち数を増やすポイント!ブロック数を減らしてターゲットリーチを増やすには?
▼LINE公式アカウントで送れるメッセージの種類は?メリットや効果的な配信例を紹介(前編)|ECのミカタ
▼”読んでもらえる”LINEメッセージを配信しよう!開封率を上げる秘訣とは?|ECのミカタ
まとめ
LINE公式アカウントを開設したばかりのフェーズでは、
・友だち数をいかに増やせるか
・友だちに反応してもらえるメッセージを一定の頻度で配信できているか
がまず重要になります。
そこに向けて具体的なKPI指標の例と、各指標の数値を上げていく方法をご紹介してきました。
今回の記事が、自社のLINE公式アカウントではKPIとしてどんな指標を追うべきかを検討していく際の参考になれば幸いです。