インフルエンサー施策って何? ECとの相性と基本を学ぼう

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有馬 笙太

はじめまして。株式会社WANDの有馬です。株式会社ファンコミュニケーションズの連結子会社で、SNSマーケティング支援と約1万人のショート動画クリエイター向け企業案件プラットフォーム「LUMOS」を提供しています。

私たちは上場企業から中小規模のEC事業者まで、多くの企業のSNS施策を支援しています。その中で一番よく聞かれるのは、こんなお悩みや不安です。

「インフルエンサーには興味があるけれど、自社にはまだ早い気がする」
「フォロワーが多い人に頼むなんて、予算的に無理そう…」
「小さなECショップでも、本当に効果があるの?」

この連載は、そんな不安や疑問を抱える中小企業のEC事業者さまに向けて、インフルエンサーマーケティングの基本から具体的な活用法まで、できるだけシンプルにお伝えすることを目指しています。

まずは第1回。「インフルエンサーって実際どんな人?」「なぜECとの相性が良いの?」という基本を丁寧に解説します。

現代トレンドにおける「信頼される情報」の価値

消費者が何かを買おうと思ったとき、今やほとんどの人がまずはインターネットで検索をします。その際、多くの人が信用するのは企業の公式情報ではなく、レビューやSNSの口コミといった「第三者のリアルな意見」です。

実際、令和5年度に消費者庁が公表した調査結果では、インターネット上のクチコミや評価が高い商品を選ぶ割合は70.1%に上りました。

商品や情報であふれた時代だからこそ、ユーザーは「本当に自分に合った商品なのか」「買って損をしないのか」を、客観的に判断しています。そのため、マーケティングにおいて第三者視点で“信頼される声”をどう届けるかが、重要な課題となっているのです。

インフルエンサーとは? 現代の“信頼される発信者”

インフルエンサーとは、InstagramやTikTok、YouTube、X(旧Twitter)などのSNSで多くのフォロワーに影響力を持つ人のこと。

彼らの特徴は、何よりもフォロワーとの「信頼関係」です。インフルエンサーが紹介する商品は、単なる広告よりも「友人からのお勧め」と同じように自然に受け入れられ、共感されやすい傾向があります。特に、まだ広く知られていない商品やブランド認知を広げる際に、この「共感」や「信頼」は強力な味方となります。

なぜ今、インフルエンサーマーケがECと相性がいいのか?

今、ECでの購買行動はSNSと密接に結びついています。

「Instagramで気になった商品を口コミ検索して購入」
「TikTokの動画で興味を持ったものをECサイトで探す」


こうした購買プロセスが当たり前の時代になったからこそ、インフルエンサーの持つ「信頼性」と「共感性」はECとの相性が抜群なのです。

特に、下記のような商品ほどSNSとの相性が良く、インフルエンサーの活用効果が高まります。

「マイクロ」「ナノ」インフルエンサーが中小ECに向いている理由

「うちは中小企業だし、有名人に頼めるような予算もない…」
そんな方にこそ知ってほしいのが、「マイクロインフルエンサー(1万〜5万人)」や「ナノインフルエンサー(〜1万人)」の存在です。

彼らは、以下のような特徴があり、限られた予算でも十分な成果を出すことが可能です。

フォロワーとの距離が近く、「反応率」が高い
投稿のエンゲージメント(いいね・保存・コメント)が高い
比較的低コストで依頼できる

ここ数年でフォロワー数が多ければ多いほど効果があるという時代は終わりつつあり、「商品に合ったターゲット層を抱えているか」「どのような商品の紹介をしてくれるのか」の方が成果に結びつきやすくなっています。

EC事業者にとっての最大の武器、「UGC」という資産

さらに注目したいのは、「UGC(User Generated Content)=ユーザー生成コンテンツ」です。インフルエンサーや一般ユーザーが自発的に投稿するレビューや使用感などの投稿は、企業が作る広告よりも圧倒的に信頼性が高いです。

UGCには次のようなメリットがあります。

顧客目線でリアルな体験を伝えられる
広告素材として二次活用が可能
購買を後押しする強力なコンテンツになる

一度の施策で「認知度向上」「信頼獲得」「広告素材収集」の一石三鳥が狙えるため、費用対効果が非常に高いのです。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは決して大手企業だけの特権ではありません。商品に自信がある中小企業こそ、インフルエンサーの力を借りて「届けたい価値」を効率的に届けることができます。

次回は実際に施策をスタートさせるために重要な「施策設計の方法」を具体的に解説します。準備が成果の9割を決めるとも言われるインフルエンサーマーケティング。「インフルエンサーにお願いする前に、何を準備すればいいの?」という方は必見です。


著者

有馬 笙太 (Shota Arima)

2021年株式会社ファンコミュニケーションズ入社。Bizdev職としてインフルエンサーマーケティングの事業立ち上げ、事業責任者としてクリエイター向けプラットフォーム事業の立ち上げに従事。2024年以降はグループ会社の株式会社WANDに兼務出向し、営業・マーケティング・オペレーションなど業務全般を担当。

株式会社ファンコミュニケーションズ
https://www.fancs.com/

株式会社WAND
https://thewand.jp/