【第一回】ヨナーイ佐々木のEC内緒話~どん底から這い上がった男の成功運営ノウハウ
【テラオ株式会社 ヨナーイのここだけEC内緒話】
オリジナルの日本酒と型番の自転車グッズ。どちらでも無駄なお金をかけずに成果を上げた著者のノウハウを全10回でお届けします。
☆バックナンバー
・第一回「27歳職歴なし無職(借金有り)からの出発」
https://ecnomikata.com/column/9195/
・第二回「パソコンを持たないネットショップ店長誕生」
https://ecnomikata.com/column/9380/
・第三回「思わぬヒット商品、誕生。」
https://ecnomikata.com/column/9596/
・第四回「強みを生かすとヒットが生まれる。」
https://ecnomikata.com/column/9886/
27歳 職歴なし無職が5年連続の楽天SOY店長に?
はじめまして、こんにちは!現在は、大阪の東大阪市でチャイルドシートや自転車カバーなどの実に地味な(笑)自転車用品を販売しております、テラオ株式会社取締役「自転車グッズのキアーロ」の佐々木伸一と申します。別名、ヨナーイです。
当店はネット通販を始めて10年以上が経過していますが、私が加わったこの1年半で、年間売り上げはおかげさまで前年の200%以上の成長率で安定成長を続けています。
出店からある程度の時間も経過し爆発的な成長を望みにくい環境。しかも、とにかく「価格」や「配送スピード」がクローズアップされがちな型番商品においての劇的に見える成長、その原因は「私の前職」での経験に由来します。
本コラムでは27歳職歴なしの無職だった「お金」も「コネ」も「才能」も「経験」も、何も持っていなかった私が、ふらりとアルバイト入社した地元・岩手の無名の酒蔵でECを立ち上げ、オリジナルの日本酒を楽天市場でNo.1と呼ばれるまでにし、結果として楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞する銘柄にまで共に成長した軌跡と。
その後、結婚を機に退職し大阪でいわゆる「型番商品」に転身し、型番商品を扱うようになって今日までのお話を、そのノウハウとともに、時系列を追ってお話ししてまいります。
私自身、地方の中小企業の平社員のサラリーマンの身でしたので、もちろん「お金」や「コネ」や「権限」はまるっきり無い状態でスタートしました。
でも出来ました。
だから誰でも出来るはずです。
どうぞ気楽にお楽しみ頂きつつ、皆さんのご商売の参考や勇気の源にしていただけると幸いです。
「人生終わった」失意の帰郷。
1999年、進学していた大学を7年通った挙句に中退し、地元に帰りたくなくて、数年ほどコンビニのアルバイトで食いつなぎつつ東京でぐずぐずしていた私のアパートに、実家から1本の電話がありました。
「実は巨額の借金があってもうどうにもならない。お前は長男だから帰ってきて返済を手伝ってくれ。」
一瞬よからぬ考えも脳裏をよぎりましたが、やはり家族は見捨てられず、完全な「都落ち」ともいえる失意のどん底の中での帰郷。
当時の私は「人生終わった」「これからは借金を返すためだけに、やりたくもない仕事をし続ける人生だ」「この何もないクソ田舎で!」そう思っていました。
ところが弱り目に祟り目。
タイミングを同じくして「サルコイドーシス」という膠原病が発症し、とてもじゃないけれど正社員になる就職活動なんて出来ない状態。
さりとて少しでも日銭を稼がねばならず、たまたま求人誌で目にしたのが地元の酒蔵あさ開(あさびらき)が敷地内に新規オープンさせる多国籍レストランのアルバイト求人、すぐさま応募しました。
固定観念の外側にこそマーケットがある。
あさ開の直営「ステラモンテ」は多国籍料理と蔵元直売の日本酒、地ビールを提供するお店でした。
「日本酒の酒蔵が何で多国籍料理?」
と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は日本酒を飲まない人ほど「日本酒=和食」の固定観念でがんじがらめで縛られています。和食、洋食、中華、フレンチ、イタリアン…白いご飯がどんな料理とも相性が良いように、お米から醸される日本酒はあらゆる料理と抜群の相性の良さを誇ります。
一般のお客さんが認知してない「日本酒の良さ」を、まずは体験して知ってもらうことをコンセプトにしたこのお店は、決して恵まれた立地ではないのにもかかわらず、浮き沈みの激しい飲食業界にあって今なお地元の人気店として愛されています。
ここでの経験はそのまま、後のECの営業スタイルにもつながってきます。
「ネットで日本酒を買う人=日本酒が好きな人、日常的にお酒を飲む人」
では実はありません。
この「お客さんや、時には自分自信すら気が付いていない価値を見出し、新しいマーケットを創出する」というお話は、本コラムのメインテーマの一つですので、連載の中で事例や考え方交えて、詳しくご説明して参ります。
配送は早くないのに「早く届けてくれた!」と高評価の秘密
皆さんは飲食店で注文しようとして店員さんに声をかけようとして「少々、お待ちください!」と足早に去られて、無視されたような恥ずかし気分になってガッカリした経験はありませんか?
「あ、ご注文ですか?すぐにお伺いしますね!」
忙しくてすぐに注文を受けられなくても、そう声をかけるだけで随分と印象が違います。
ECでのメール返信や接客にも同じことが言えるのではないでしょうか?もちろん出来ないことは出来ませんが、
「○○は出来ません」「必ず○○してください」
そんな注意書きばかりのお店を見ると「もったいないなー」と思ってしまいます。同じことをお伝えするのにも伝え方で全然違ってきます。
これに気が付いたのは、料理の味も値段も変わらないのに、サービスでお客さんの満足が全然変わってくることでした。
「まだ頼んだ料理が来てないんだけれど…」
こんなクレームに発展しかねないお問い合わせが来たら、多くの人は「すぐお持ちしますので、もう少々お待ちください」と言ってしまいがち。これって実はとても損な話なんです。仮に5分しか待たせなかったとしても「すぐ」と言われたお客さんはイライラしながら待っています。
「では、すぐに厨房に確認してまいります!」
「申し訳ございません、少々ご注文が立て込んでいたようで、あと10分ほどでお持ちできるようです。」
「私が厨房に早くしてくれるように頼んできますね!」
こう説明するだけで、同じ5分でお届けした時に「思ったよりも早かった」「頑張ってくれたんだな」とお客さんの印象はまるで異なります。
ECでもお客さんから即答できないご質問をお受けした時に「すぐにお調べ致します!」とムダにお待たせしていませんか?
他の例を示すと「あさびらき十一代目源三屋」でも「自転車グッズのキアーロ」でも、基本的には昼や夕方までのご注文の即日出荷(一部ギフトのみ対応)も365日対応もしていませんが、お客さまレビューの配送の項目は4.68~4.70と非常に高い評価で「迅速に配送してもらいました!」とのコメントが並びます。
これは通常は「ご注文後2~5日ほどでお届け」とページなどでは記載していますが、実際には営業日は午前中のご注文分までは即日出荷することで「思っていたより早く届いた!」と感じて頂けているためです。
また万が一、思わぬ欠品や配送事故があってもお約束した期間の内にリカバリーすることが可能になります。だから「大手と同じように速い配送は出来ないよ…」なんてあきらめる必要はまったくありません。
よっぽどの急ぎならともかく、お客さまの「なるべく早く届けて欲しい」は、実際には「(自分が受け取れる時間の中で)(必要なタイミングまでに)なるべく早く届けて欲しい」なんですから。
◆大切なポイント
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・自分を「ただのお店のアルバイト」と定義せずに「私があなたの担当者です」という姿勢を示す。
・確実にお約束できる時間的余裕を持たせて、お客さまの期待値をコントロールして上回る。
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次回は貧乏でパソコンすら買えなかったので、触ったことすらないド素人が、いよいよECに出会います(笑)
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