売れる商品の作り方
突然ですが、『売れる商品』とは何でしょうか? ある意味、禅問答のような問いですが、『売れる商品』を作りたいのであれば、『売れる商品』とは何か?ということを知らねば、きっと作ることは不可能でしょう。
では正解ですが『売れる商品』というのは、つまり『買われる商品』ということです。何を分かり切ったバカなことを言っているのか、とお感じの方も多いことでしょう。ですが、この視点の切り替えはとても大きな要素なのです。
『どうすれば勝てるのか?』と『どうすれば負けないか?』似たような意味ですが、少し視点が変わるだけで劇的に発想が変化するのは筆者だけでしょうか?
『買われる商品』とはどんな商品か? いろいろな側面はあるでしょうが、『買われる商品』というのは、つまり『欲しくなる商品』です。
これまた当たり前のことのようですが、『売れる商品』→『買われる商品』→『欲しくなる商品』と並べてみたときに、ほとんど同じ意味ですが、微妙に意味が違います。当事者意識という点で、『売れる商品』<『欲しくなる商品』ではないでしょうか?
そう、当事者意識。『売れる商品』のキーワードは当事者意識です。
①そうそうこれが欲しかった。
②これはきっと誰かが欲しがるに違いない
弊社の経験上、①は売れる可能性があります。ですが、②は苦戦が予想されます。しかしながら、OEMメーカーの弊社にお客様からご相談を頂く際に、とても多いのが②のケースです。
①は当事者意識が強くて、②は当事者意識が希薄。違う言い方をするならば、②は『売れるだろう』という思い込みが強いと言ってもよいと思います。売れる商品を企画するのであれば、まず、これは買って欲しい人たちにとって『欲しくなる商品』なのか?と自問してみるべきでしょう。
その際に、検証すべきは当事者意識です。モニター調査を散々行ったのに、商品が売れないというケースのモニター結果を振り返ると、『いいと思う(私は買わないけど)』という、そこそこ評判は良いが、誰も身銭を切って購入しようとは思っていない。そのような新製品の多くは、期待通りの結果を残すことはありません。
つまり、その商品自体が『良い』のか『悪い』のか?ではなく、『買う』のか『買わない』のか? それこそが商品を作る際に検討されるべき事項なのです。
製品発売後の反省会などで『そもそも値段が高くて、これじゃ売れない』などの反省の声が出たりする。それは、発売する前に気付くべきではないのか? なぜ、発売する前にその議論がなされなかったのか?
当事者意識の希薄な失敗商品の敗因分析を目にして、いつも思います。『売れる商品』を作りたいのであれば、購入する方の目線になり、商品の良し悪しではなく、当事者意識をどう高めるか?
ある『売れそう!』な商品を思いついたその時から。その『売れそう!』は当事者意識に基づくのか、それとも、きっと誰かが欲しがるはず!という思い込みなのか、この自問自答こそが、『売れる商品』の作り方だと思うのです。