レコメンドエンジンの現在の流行と、カスタマイズ要件から見る選択のコツ

田中 優

前回コラム「レコメンドエンジンの歴史から見る選択のコツ」
http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=5423

レコメンドエンジンの導入後の希望、カスタマイズ要件は多種多様です。前回はレコメンドエンジンの現在までの移り変わりを説明させていただきました。現在流行のレコメンドエンジンの出力方法や、カスタマイズ要件など、実際の店舗様側での良くある要件を元に、レコメンドエンジンの選択のコツをお伝えさせていただこうと思います。

1.現在の流行 と カスタマイズ要件

□ I 各種トレンドを出力、発信できること。
店舗様側でトレンドを作り出すことは、需要としてよくあります。各種トレンドを、自動出力することに加えて、指定した商品をトレンドとして店舗様側で出力している例があります。


□ II 個人属性による出しわけ
個人属性で、興味のあるカテゴリに特化したレコメンドを出力します。例えば、メンズのスニーカーに興味のある訪問者には、メンズスニーカーの急上昇出力をし、パンプスに興味のある訪問者には、パンプスの急上昇出力をします。訪問者の過去の閲覧情報などにより、興味のあるカテゴリ商品は出しわけ可能です。その他、IPアドレスなどから地域情報を加味し、ターゲットにリーチするレコメンド出力もあります。

□ III POSデータを使った出力など
Online to Offlineといった用語がEC業界を賑わしていますが、Offlineのデータ(POSデータ)を集計して、ネットショップ上での関連商品や売れ筋商品の出力を行います。Online to Offlineのサイクルを回すというアプローチです。

□ IV レコメンドエンジンでのトラッキングデータを使って検索エンジン、カテゴリページの出力などレコメンドエンジンのトラッキングデータを使うと、流行の商品、売れ筋の商品データを取ることが可能です。
カテゴリ等の商品一覧ページの上位に、良い商品が無いと訪問者の離脱が多くなってしまいます。カテゴリページに商品一覧を載せる際、レコメンドエンジンによって、カテゴリ毎に流行の商品を出力します。または検索エンジンの出力結果の上位に、売れ筋の商品を出力といった機能が使われます。

2.現在の流行 と カスタマイズ要件からみる、レコメンドエンジン選びのコツ

ECカートASPに付属しているレコメンドエンジンや、ASPでのレコメンドエンジンは安価なものが増えた分、制限が色々あるようです。例えば、以下のような制限が挙げられます。
・カートページがSSLのため、レコメンド出力ができない。
・カゴに入れた商品が特定できないためレコメンド出力ができない。
・商品詳細ページに関連商品を出力するだけ。
・過去見た商品を出力するだけ。

より複雑化するエンジンを、どこまで使いこなすか。機能が複雑になるレコメンドエンジンを使いこなすことが、店舗様側にとってのゴールではないはずです。その機能の取捨選択も、大事なレコメンドエンジンの使い方の一つです。

サイトにとって必要な機能を見極めて、それを充実させてくれるカスタマイザブルなレコメンドエンジンを選ばれるのが良いかと思います。

また、レコメンドASPなどについて、乗換もタグを張り替えるだけで安く、簡単になっています。一度導入すると乗換など面倒な事が多いと誤解される方も多いかと思いますが適材適所のレコメンドエンジンを切り替えて使っていっては如何でしょうか?

3.現在の流行 と カスタマイズ要件からみる、レコメンドエンジン選びのコツまとめ

・ECカートに不足している機能を充足させるものとしてレコメンドエンジンを考える。
・ターゲットにリーチするレコメンドエンジン。
・レコメンドエンジンの乗換は簡単。


著者

田中 優 (tanaka yuu)

2008年創業。自然言語解析の研究を経て、検索&レコメンドASP自社開発開始。お客様サイトに合ったロジックやアルゴリズム構築、オーダーメイド感覚で様々なカスタマイズ対応。検索100サイト超導入、レコメンド250サイト超導入。

http://exp-data.com/