フルフィルメント by Amazon(FBA)とは?メリットや留意点を解説

ECのミカタマーケティング部

皆様は「FBA」というサービスを聞いたことがありますか?「FBA」とはフルフィルメント by Amazonの略になります。「FBA」に関する記事は、ECのミカタでも何度か取り上げております。ここでは、物流初心者でもわかりやすく「FBA」について説明させて頂きます。是非こちらのブログを読んでから、その他の「FBA」に関する記事も読んでいただけると幸いです。

※2016年9月30日公開の記事を2018年8月17日更新しています。

「フルフィルメント by Amazon」のフルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、一般的にはECで商品が注文されてから消費者に商品が届くまで必要な業務全般を指す。フルフィルメント業者の中には、その業者自体が業務の一部を外注しているケースもある。

フルフィルメントの業務を細分化すると、「入荷、検品」・「棚要れ、商品保管」・「コール業務、受注処理」・「ピッキング」・「検品」・「梱包」・「発送」となる。

「FBA」とはどのようなサービスか

「FBA」を利用するためには、Amazonの出品(出店)サービスに登録し、Amazonに出品する商品を用意し、Amazonの指定通り納品する必要がある。

主にFBAでは上記の次の段階を代行し、Amazonが出品者から在庫商品を預かり、商品が売れた場合、梱包から発送を行う。AmazonはFBA専用の倉庫を持っており、24時間365日、いつでもスピーディーに対応が可能だ。

さらには「FBAマルチチャネルサービス」という、自社のオンラインサイトや実店舗、オンラインショッピングモール店舗など、Amazon以外の販売経路で販売している商品のフルフィルメントをAmazonが代行して運用する物流サービスもある。

「FBA」利用時に必要な業務

「FBA」を利用したからといって、全く業務が発生しないということは無い。

出品(出店)サービスに登録時はもちろん、商品を出品する際にも必須の業務がある。

具体的には、出品を行う際、Amazonのサイト上で納品する商品の情報登録がある。登録の際に商品に貼るバーコードと納品書が発行されるため、商品へのバーコード貼りと納品書を商品と同梱し、FBA専用の倉庫への発送が必要だ。

しかし、この手間のかかる業務は、物流倉庫(3PL事業者)に委託することができる。「FBA」で取り扱う商品を一時的な保管など、他にも物流倉庫によっては様々な業務を委託することが可能になっている。

FBAのメリット

実際、様々な業務を負担してくれるFBAにはどのようなメリットがあるのか、順を追ってまとめてみる。

①リソースの削減。
②集客の安定性。
③送料の無料化。
④代金回収の委託。

FBAのメリットで細かいものは多くあるが、特に大きい物は上記4つに分類される。

①リソースの削減。

冒頭の説明と重なるところもあるが、FBAはAmazonの倉庫に納品さえすれば、商品購入までを全て負担してくれるサービスだ。EC・通販で売上が上がってくると、発送業務が多くなり、負担が大きくなってくるため、FBAを利用するメリット大いにある。更には、「FBAマルチチャネルサービス」を利用すれば、Amazon出品商品以外も代行できるため、非常に需要が高いサービスとなっている。

②集客の安定性。→集約力に裏付けられた質の高さ

消費者のAmazon利用率は競合と比べて頭1つ抜いていて、誰もが知るサービスであり、ここでの商品管理、配送ノウハウ、お客様サポートの経験値がFBAにも活きている。Amazonの集客力はこうしたノウハウの蓄積にも繋がっているのである。

③送料の無料化。

FBAを利用すると、primeマークがつき、お客様にとっての信用と信頼の度合いが向上するだけでなく、送料無料のお得な商品に成り代わる。より安い商品を購入することは、消費者からすれば当然のことだ。Amazonではお客様の高い満足度に繋がると見なされた商品はAmazon内の検索で上位に表示されやすくなることから、FBAのおかげで配送環境が良いことは結果、消費者の目に触れる機会が多くなる。

④代金回収の委託。

EC・通販で商品を購入する際はクレジット払いが一般的だ。しかし一部の消費者では未だにクレジットカードを利用したくない層が根強くいる。他にもクレジットカードを持つことのできない未成年なども多くいる。

そういう層には、配送業者が代金を回収(代引き)しにいくのだが、EC企業にとっては手数料がかかることや現金の保管場所など様々な問題がある。しかし、FBAでは代金回収の業務も含めて委託することが可能なので、管理がしやすくなる。

FBAで留意しておきたい点

どんなに優れたサービスでもはあるが、活用する上で留意しておきたいことがある。
FBAでは、これだけのメリットがある中で、どのようなことに気をつけなければならないのだろうか?

①手数料
②商品の状況確認。
③倉庫保管の依存

①手数料

FBAの基本料金は月額4,900円(税抜き)+販売手数料、在庫保管料となっている。他にもオプションとして様々な代行作業を委託することが可能だ。手数料は全国一律の配送料金が含まれており、配送料の管理がしやすくなっている面、コスト削減のポイントを1つ減らすことになる。また、当然ながらサイズによっても料金が変わってくくるのだが、小型商品や低単価商品にも別途プログラムが設けてあるので、自社商品がどのプログラムに当てはまるのか明確にして計算する必要があるだろう。

在庫保管料に関しては、商品サイズを保管日数で計算され、フルフィルメントセンターに商品が入荷されてから、商品を出荷した日までの計算で算出される。

②商品の状況確認

FBAだけではなく、フルフィルメントを外注する際に起きるデメリットだが、フルフィルメントを外注した場合、自社の商品の状況などを細かく確認することができない点だ。確認する為には、商品を一度取り寄せて、再度出品する手間がかかるため、逐一確認が必要な商品などはFBAには適していないだろう。

③倉庫保管の依存。

FBAを利用している企業は多くいる。商品によって管理方法を適した状態にしてくれるため、基本的に他社の商品の影響で自社の商品が悪くなってしまうこともないが、災害時には共倒れになる可能性がある。Amazon側でも管理体制を厳格に整えてはいるが、あまりに依存しすぎることは何らかの事故につながりかねない。

FBA海外配送が復活!

2018年7月末Amazonは、一時停止していた海外向け配送が行えるFBA(フルフィルメントby Amazon)海外発送プログラムを再開した。

FBA海外配送プログラムは、FBAを利用してAmazon.co.jpで販売している商品の海外配送を可能にし、出品者の海外販売を支援するAmazon公式のスキームだ。同社では、このプログラムの利用にあたり、出品者において、Amazonでの追加手数料や、通関手続き等の輸出に必要な作業の負担がかからないとしている。海外配送の設定を有効にするだけで、商品を販売する機会を得ることができる。国内だけでなく越境ECでも手厚いサービス提供するAmazon。復活を待ち望んでいた方も少なくはないだろう。

最後に

EC・通販事業は少ない人数で売上を上げることができる、魅力的な事業だ。しかしどんな事業も売上げをあげていくには人手がどうしても必要になる。FBAではEC・通販の土台ともいえるバックヤードを代行してくれるので、マーケティングや商品開発に専念することができる。競合との差別化を図るためにも是非検討してみてはいかがだろうか?


著者

ECのミカタマーケティング部