Amazon広告の無駄をなくす!スポンサーブランド広告のCTR・CVRを劇的に改善する手順

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株式会社Cyber-records

Amazonスポンサーブランド広告を出しているけれど、「表示は増えているのにクリックや購入につながらない」「ブランド認知は広がっているけれど費用対効果が悪い」と感じていませんか。
スポンサーブランド広告は、画像や動画(クリエイティブ)、誰に見せるか(ターゲティング)、いくら払うか(入札)、リンク先のページ(ランディングページ)など、いくつかの要素がうまく噛み合って初めて効果が出ます。

この記事では、初心者にも分かりやすい基本の考え方から、「動画」や「カスタム画像」を使ったクリック率改善テクニック、そして新規顧客を増やすための指標までを丁寧に解説します。設定を見直すヒントをつかんで、無駄を減らしながらブランドの成果を伸ばしていきましょう。

どこでつまずいている?まずは現状を見える化

どこでつまずいている?まずは現状を見える化

まずは「どこでつまずいているか」を数字で確認します。スポンサーブランド広告ならではの「新しいお客様を連れてくる力」もあわせて評価することが重要です。

■必須チェック項目:見るべき4つの数字
現状を把握するために、以下の4つの数字を共通言語にします。特に4つ目の「新規顧客」は、ブランド広告の価値を測る上で欠かせません。

1.クリック率(CTR)
広告が表示されたうち、クリックされた割合。
→ ここが低いと「魅力がない(スルーされている)」
2.購入率(CVR)
クリックされたうち、購入された割合。
→ ここが低いと「ページを見てガッカリされた(期待外れ)」
3.広告費用対効果(ROAS)
広告費に対してどれだけ売上があったか。
→ ここが低いと「赤字のリスクがある」
4.ブランド新規顧客(New-to-Brand)
過去1年間に購入履歴がないお客様からの売上。
→ ここが高いと「ブランドのファンを新しく増やせている」

■症状別チェックリスト
数字の傾向から、改善すべきポイントを絞り込みましょう。

表示 → クリック
症状:表示は多いが、CTRが低い
考えられる原因と対策:広告の画像や動画が魅力的でない。または「カスタム画像」を使っていない。

クリック → 購入
症状:CTRは良いが、CVRが低い
考えられる原因と対策: リンク先のストアで商品が探しにくい、または在庫切れ・価格が高い。

費用対効果
症状: ROASが低い
考えられる原因と対策:入札額が高すぎる、またはリピーターばかりに配信されている(新規獲得が弱い)。

ブランド成長
症状:新規顧客率が低い
考えられる原因と対策:知っている人(ブランド名検索)にばかり広告が出ている。「一般的な言葉」への配信を強化が必要。

原因の追求とフォーマット別の対策

原因の追求とフォーマット別の対策

数字が悪い原因は、多くの場合「広告の見た目(クリエイティブ)」「リンク先(導線)」「ターゲット」のズレにあります。特にスポンサーブランド広告は「見せ方」の工夫が成果を大きく左右します。

■原因1:広告の見た目(クリエイティブ)がズレている
クリック率が低い場合、お客様の目を引けていません。広告の形式(フォーマット)に合わせて以下の点を見直しましょう。

商品コレクション(画像広告)の場合
商品単体の画像だけを並べていませんか?
「カスタム画像(ライフスタイル画像)」を設定し、実際に商品を使っているシーンやブランドの世界観を伝えると、商品画像だけの場合よりもクリック率が高まる傾向にあります。

動画広告(Sponsored Brands Video)の場合
テレビCMのように長く作っていませんか?
Amazonの動画広告は「音声なし」で見られることが多いため、テロップ(文字)でメリットを伝えましょう。また、「最初の3秒」で商品と解決策を提示しないと、すぐにスクロールされてしまいます。

■原因2:リンク先(ランディング)で迷わせている
クリックはあるのに買われないときは、リンク先に問題があります。スポンサーブランド広告はリンク先を選べるのが特徴ですが、それが落とし穴にもなります。

1.ストアページへの誘導
トップページに飛ばしていませんか? 広告で「夏物セール」と訴求したなら、ストア内の「夏物特集タブ」に直接リンクさせましょう。クリックから3回以内で商品にたどり着ける設計が理想です。
2.商品詳細ページへの誘導
特定の商品を売りたい場合は有効ですが、在庫切れやレビュー悪化の影響を直接受けます。

■原因3:ターゲットとキーワードの役割分担ミス
「誰に」見せるかで成果は変わります。キーワードを3つの役割に分けて管理しましょう。

1.自社ブランド名(守り)
指名検索。ROASは高くなりますが、新規獲得は少なめです。
2.一般的な言葉(攻め)
「スニーカー」「化粧水」など。ここを強化すると「新規顧客(New-to-Brand)」が増えます。
3.ライバル名(奪う)
競合のブランド名。比較検討している層にアピールします。

「新規顧客を増やしたい」なら一般的な言葉や動画広告を強化し、「利益を確保したい」なら自社ブランド名を堅実に守るなど、目的に応じて予算を配分します。

今日からできる!改善の実行手順

今日からできる!改善の実行手順

■ステップ1:クリエイティブのA/Bテストを行う
まずは「見た目」を磨きます。見出し文やカスタム画像を2パターン用意し、どちらがクリックされるかをテストしましょう。「機能性をアピールした画像」vs「おしゃれな雰囲気の画像」など、違いをはっきりさせるとお客様の好みが分かります。

■ステップ2:リンク先の「ストア」を整える
広告の受け皿となる「ストアページ」を見直します。スマホで見たときに、ファーストビュー(最初の画面)で何のブランドか分かりますか? 「おすすめ商品」や「売れ筋」を上部に配置し、迷わせない工夫をしましょう。

■ステップ3:週に一度のメンテナンス
入札額やキーワードは生き物です。週に一度は以下のサイクルを回しましょう。

1.ROASが悪すぎるキーワードは入札を下げるか停止する。
2.「新規顧客」が多く取れているキーワードがあれば、入札を少し強めてみる。
3.在庫切れ商品の広告が出ていないか確認する。

まとめ

スポンサーブランド広告で成果を出すには、CTRとCVRだけでなく、「新規顧客」の指標も見てブランドの成長を測ることが大切です。

CTRが低いなら「カスタム画像」や「動画の冒頭3秒」を見直し、CVRが低いなら「ストアページの探しやすさ」を改善します。いきなり全てを変えず、一つずつテストして検証すれば、無駄なコストを抑えながらファンを増やすことができます。まずは「カスタム画像」の設定から、最初の一歩を踏み出してみましょう。

<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。


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著者

株式会社Cyber-records

2008年にGLOBAL EC COMPANY(GEC)として創業し、以来、ECビジネスの啓蒙者として、運営代行、コンサルティング、ブランディングなどに従事。モールおよびマーケットプレイスのEC支援サービスの提供に加え、ふるさと納税事業や越境ECの支援も行う。

https://www.cyber-records.co.jp/
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