東南アジアの消費者意識を越境ECの戦略に活用する(日本能率協会総合研究所調べ)
株式会社日本能率協会総合研究所が、「インドネシア/フィリピン/ベトナムにおける消費者意識に関する調査」を実施し、その結果を発表した。調査対象はインドネシア、フィリピン、ベトナムの20〜40代の男女200名で、調査期間は2016年7月11日〜15日となっている。
地域により異なる東南アジアの消費者意識
調査によると、フィリピンとベトナムの男性の飲酒頻度は「週に1回以上」が約4割を占めているが、インドネシアは男女共に6割に飲酒習慣がないことが分かった。故に、インドネシアで酒類を展開するのではなく、フィリピンやベトナムへ展開した方が効率が良さそうである。他にも、エナジードリンクを購入する頻度などもフィリピンやベトナムの方が高い。この調査から分かることは、東南アジアといっても地域や性別によって消費者意識が異なるということである。
また、インドネシアの女性100名を対象にした「各国」で生産された食品・飲料、日用品のイメージ調査によると、日本で生産された製品のイメージは総じて良い傾向があり、特に信頼や価値において良いイメージがあるようだ。しかし、その一方で、日本製品は価格が安いというイメージがあまりなく、また地元での馴染みもないようである。
越境ECに向けて日本が意識する必要があること
日本が生産している製品は、価格は高いがそれに見合った価値がある製品として定着している傾向があることは分かった。では、越境ECに向けて日本は何を意識すれば良いのだろうか。それは、品質や信頼性に関する日本のイメージを利用し、高級品に絞って販売を行っていくことではないだろうか。価格競争を考えると、より安く製品を提供することばかりを追求してしまうが、価格競争のために品質を犠牲にするのではなく、日本の製品が持つ良いイメージを利用した方が他国との差別化を図ることができるだろう。また、地元での土台ができたら、他国があまり持たれていないイメージに注目し、そのイメージを積極的に取り入れていくことで、さらなる差別化を図っていくことができるだろう。
今回の調査結果により、国によって消費者意識が大きく異なることが分かった。なので、越境ECの展開を考えている企業は、幅広い地域に展開する場合には、その地域を地理的に一括りにするのではなく、各国の需要を踏まえた上での展開を行っていく必要があるのではないだろうか。