アパレルEC「サイズ問題」、バーチャル試着室で解決へ
多忙の中でも「オシャレを楽しみたい!」と思う女性のために存在する、数多くのアパレルEC。種類が豊富で価格もお手頃であるため、手を伸ばしやすいが、一方で新たな悩みも出てくる。その悩みが「サイズ」問題だ。
今回は、「サイズ」問題を解決するサービスを紹介していく。このサービスが女性にどのようなことをもたらすのだろうか。
アイテムが届いた後、試着すると「サイズが合わない」
以前、実施した「アパレルECに関する調査」の結果によると、アパレルECを利用したことがある人が6割を超えていた。このアパレルECを利用して困ったことを尋ねると、やはり、「サイズ」と回答する人が多数存在した。ECでは、実店舗と違って実際に試着することができない。そのため、届いてから着用してみたら「サイズが合わなかった」という事態に陥るのだ。
その解決策として、「返却サービス」や「よりサイズが分かる一般人が着ている写真を載せて欲しい」という声が挙がった。一般的に、洋服を着ているモデルは、スリムな体型が多く、サイズ感がいまいちピンとこないようだ。自分に近づけて考えやすい一般人が着ていれば、イメージが付きやすいく、サイズの参考になりやすいというわけだ。
以上のように、アパレルECは利便性が高いが、その一方で、「サイズ」という大きな問題を抱えている。ECでお気に入りの洋服を見つけたとしても、「サイズが合わなそうだから・・・」と購買行動に繋がらない。この問題を解決し、ユーザーのサイズに関する心配事が無くなるように、いくつかのサービスが誕生している。
ECのアイテムと自分が持っているアイテムを組み合わせる
今回、紹介するサービスは、Virtusize株式会社(以下、Virtusize社)が提供する、バーチャル試着ソリューション「サイズをチェック」である。このサービスは、ECで販売中のアイテムのサイズを分かりやすくイラストで表示し、それと自分が持っているアイテムと重ね合わせることで、サイズの差を見比べて、ぴったりサイズを選ぶことができる仕組みとなっている。
具体的な利用方法は、Virtusize「サイズをチェック」を導入しているECの商品ページ内に設置されている「サイズをチェック」ボタンをクリックする。すると「オンライン試着室」が立ち上がり、過去の購入履歴がある場合は「比較」ボタンが表示され、ここを押すと過去に購入した服が表示される。まだ購入履歴のない場合は手持ちの洋服をメジャーで測って追加する。すると、そのECショップで販売している服と、手持ちの服が重なり合ったイラストが表示され、これにより着丈やゆき丈の差を見ることができ、ぴったりサイズを確認できる。
さらに、そのぴったりサイズの服を「マイクローゼット」に登録すると、以前購入した服、メジャーで採寸した服を編集することができる。また、Virtusizeアカウントを登録すると、マイクローゼットの中に登録されている内容を他のパソコンやタブレットからも呼び出すことが可能だ。
BBFとの連携を決意!
Virtusize社は、株式会社ビービーエフ(以下、BBF)より出資を受けた。スウェーデンで創業したスタートアップへの出資は、Virtusizeが日本発となる。BBFは、新株発行を通じて少数株主持分を取得することとなる。
Virtusize社は、ディ・アックス社(D-Ax)とオレスンド社(Oresund)から出資を受けて、スウェーデンで2011年に創業した。そこから、ヨーロッパ・アジアを中心とした40社の大手オンラインショップにVirtusize「サイズをチェック」の導入を進めている。日本ではマガシーク、ユナイテッドアローズ等に導入されており、現在の日本でのシェアは10%以上となっている。
一方、今回出資を行ったBBFは、ECシステム構築支援・運用サービスを提供する企業だ。商品の発注から発送にまで至るECに関する一連の業務運営全般をプラットフォーム化し、様々なブランドに提供することで、消費者に各ブランドの商品を展開している。
バーチャルサイズ代表 上野オラウソン・アンドレアスからは、以下のメッセージが発表された。
「ユーザーにとってオンラインで服を購入する際の大きなハードルとなるのが、サイズへの不安です。今回のパートナーシップは、Virtusizeの「サイズチェック」を日本及びアジアの標準サービスとし、上記の問題を解決するために実現致しました。BBFは、数多くのECサイトの構築・運営に携わり、集客から配送、マーケティングまでの全ての知見を持っております。BBFとの連携により、オンラインショッピング業界のさらなる発展に貢献してまいります。」
Virtusizeは、女性がオシャレをより楽しくするために存在する。今までの「このアイテム欲しいけど、サイズが合わなそうだから購入しない」ということが無くなり、Virtusizeの「サイズチェック」により、自分のサイズぴったりの洋服を選び、購入することができる。きっと、このサービスが女性の「買いたい」という気持ちを一押しし、確実に購買行動に繋げることだろう。今回の連携により、アパレルECにおいてさらなる利便性の向上が進むことを期待したい。