身につけるものはネットで買わない? 「買ってから選ぶ」が通販業界を変える
2014年4月、マイナビウーマンはネット通販で絶対に買わないもの、また絶対に買うものは何かというテーマでWebアンケートを行った。調査は18歳〜77歳の社会人男女を対象に行われた。(有効回答数499件)
調査の結果、ネット通販で絶対に買わないものの1位は靴、一方、絶対に買うものの1位は本となった。
ネット通販で購入するもの、しないもの。その理由は?
「『これはネット通販では絶対に買わない』というものはありますか?」という設問に対し、「はい」と回答した消費者は236人で全体の47.3%となった。ネット通販で購入しないものとして、靴(37.3%)、洋服(23.7%)、食料品(10.2%)が挙げられた。
購入しない理由としては、1位の靴は「『○○センチ』というサイズ表記だけでは自分に合うかどうかわからない」と回答した消費者が圧倒的に多く、洋服よりも試着が必要とされる靴は、ネット通販には不向きと捉えられているようだ。
一方で「『これはネット通販で絶対に買う』と決めているものはありますか?」という質問に対して「はい」と回答した人は159人(31.9%)。ネット通販で絶対に買うものTop3としてランクインしたものは、1位は本(雑誌・漫画・書籍)で19.5%、続いて2位は米(7.5%)、同率2位のDVD(7.5%) や次点として水(6.3%)が挙げられている。
本やDVDをネット通販で購入する消費者は「ネットの方が品揃えが豊富。店頭に欲しいものがない場合はネット通販を利用する」と回答しており、個体差がなく、商品が購入者を選ばない商材はネット通販での購入に消費者も意欲的だ。
「買ってから選ぶ」という概念が徐々に浸透
Amazonが展開する靴とバッグの販売に特化したショッピングサイト「Javari.jp」や、99日間の返品無料や電話相談サービスを売りにした靴の通販サイト「ロコンド」などの、今まで消費者の取り込みが弱かった商材に特化した通販サイトの普及により、「買ってから選ぶ」概念も徐々に浸透してきている。
Javari.jpは「Javari.jpでは、サイズ違い、イメージ違いなど、お客様のご都合による返品の場合でも、返送料・返品手数料無料で返品を承っています(室内での試し履きなど「30日間送料無料返品について」で定められている条件を満たしている場合に限ります)。気になる商品を気軽に購入して、合わないときは返品できるので、何足でもお試しいただけます」とうたっている。
このように、サイズやデザインなど、何種類かの靴の中からどの1足を買うか迷った場合でも、それをすべて注文し、実際に試し履きをしたあとにいらないものを返せるという対応は、消費者にとって非常に画期的なのではないだろうか。
今後の展開には“回収物流”が欠かせない?
「買ってから選ぶ」というビジネスモデルは、今まで通販で買い物をする際に消費者が最も慎重にならざるを得なかった“身につけるもの”の販売にとって非常に有効な手段と言える。今後、商品を「届ける」だけではなく「回収する」物流システムが加わることが、通販業界全体の顧客層の拡大にも繋がるのではないだろうか。