オランダ国内で展開するJeansOnlineに、オンラインショップで購入した衣類を配達時に試着し、サイズが合わない場合にはその場で配達員に手渡し、返品できるサービスが登場した。「ネットショッピングの最大の難点」とも言われていた“試着”の壁を超えるサービスが、ついに誕生したのかもしれない。

届いたジーンズが入らない！　そんなトラブルはもう起こらない？

JeansOnlineでは、同社の「Easy Fit & Return」サービスを利用することで、購入したジーンズが配達された際に、配達ドライバーが玄関先で15分間だけ待機し、購入者はその間に到着した商品を実際に試着してみることができるというシステムを実践している。

その際に、もしもサイズが合わない場合には、購入者はその場でドライバーに商品を返品することができる。購入代金も後日自動的に返金されるとのことだ。

このサービスは、JeansOnlineの配送サービスに追加オプションとして選ぶことができる。オプション追加には約10ユーロ（約15アメリカドル）の追加料金がかかるが、注文金額の総額が250ユーロ（375アメリカドル）以上の場合は無料で追加することができる。

「試着ができない」が難点のネットショッピングに変革か

同社は、この「Easy Fit & Return」サービスの提供によって、消費者の間に今も根強く残っている「インターネットショッピングで買い物をする際、購入前に試着ができないことが最大の難点」という意識への変革をもたらそうとしているのではないだろうか。

全米オンライン小売業界連合会チェアマンのポール・グリーンバーグ氏は「ネットショッピングへの抵抗は少なくなってはいるものの、いまだに否定的な見方が強いのが現状。したがって、これからの新しい小売りの形としてふさわしいモデルは、ただ単にデジタル化を進めるのだけではなく、実際に消費者との関わりをしっかりと持つ必要がある。ネットショップでの購入者にも、実店舗で受けるようなサービスを提供できる『Easy Fit & Return』のようなサービスは、まさに見事なアイデアであると言える」とコメントした。

偏見をなくすことが市場拡大の第一歩

ネットショッピングを敬遠する理由として最も挙げられるのは「実際に商品を見てから購入したい」という理由である。他にも「サイト上の写真と実物に差があるのではないか」「お店が信頼できるかわからない」「決済まわりや個人情報の取扱いが心配」など、品質に対する不安の他にもトラブルやネット犯罪を懸念する声が目立っている。

上記のような、ネットで買い物をすることに抵抗のある消費者に対しては、店舗側のきめ細やかなサービスを通して、ネットショッピングへの偏見をなくしてもらうことが重要だろう。

一度「インターネットで買い物をする」というシステムに安心してもらえれば、それ以降は、より積極的にネットショッピングに興味を示してくれることが期待できるのではないだろうか。