“ECとは?“ EC通販ビジネスの基礎とメリットを解説!

ECのミカタ編集部

【2020年4月更新】 
ECのミカタは、EC業界の最新のトレンドや重大ニュースを発信しているEC業界に特化したメディアの運営をしています。
今回はECのミカタで発行している「EC業界大図鑑」の中から基礎知識”ECとは何か?”を特別に公開します!


ECとはインターネットを利用した小売ビジネスの総称

ECとはインターネットを利用した小売ビジネスの総称

 EC(electronic commerce)とは、電子商取引と訳され、インターネット上でモノやサービスを売買すること全般を指します。

「インターネット通販」や、「ネットショップ」といった、今日ではごく普通に使われている言葉を総称したものがECであると考えればよいでしょう。

 さて、そんなECの魅力はどんなところにあるのか。そもそも”物を売る”というのは、それまで店舗を構えて行うのが当然でした。しかし、その後、通信販売が誕生したことで、店舗を構えることなく、それができるようになりました。通信販売の多くは、自宅にいながら、カタログで商品を選び、ハガキや電話で注文すると、後日、自宅に商品が届く、というものです。

 この「通信販売」は、カタログをWebサイト上の商品紹介ページに置き換え、ハガキや電話をメールや申し込みフォームに置き換えれば、そのままインターネット通販になります。つまり紙のカタログを使った通信販売の、ある機能をインターネット(電子的なもの)に置き換えたものがECだと考えれば、わかりやすいかもしれません。

 ただし、昨今のECは、通信販売の発展形というだけでは語れなくなっています。それは、「店舗販売」を中心とした小売事業者も、積極的にECに参入している状況があるからです。

 現在は、小売事業者が、ECに参入しやすい環境が整備されています。楽天株式会社が1997年に「楽天市場」というショッピングモール・ビジネスを日本で最初に本格化してからというものは、例えば、地方でお店を営む事業者が、インターネット上で自店の商品を全国の消費者に向けて販売することが多く見られるようになりました。

 実店舗での販売は、立地に依存して、半径××kmを商圏として、その商圏内のお客様だけを対象にするしかなかったのですが、ECでは、店舗の立地に左右されず、いつでも日本全国の消費者をターゲットとすることができます。また、日本全国はおろか、世界のマーケットに進出することすら、可能になっているのは、ECの発展によるところが大きいでしょう。ECとは、まさに”小売革命”であり、今後ますます、小売業におけるEC化が広がっていくことは間違いのないところでしょう。

ECの消費者メリット”ネガティブ”を解消!

ECの消費者メリット”ネガティブ”を解消!

消費者ベネフィットの提供が、EC発展の原動力
 では、ECが消費者に、どんなメリットをもたらしたかを考えてみたいと思います。近年、情報通信システムの高度化や、スマートフォンなど情報端末の多様化・進化などのインフラの整備や普及が進んだことで、ECは一層使いやすいものになっています。自宅にいながらにしてなんでも買えたり、買ったものを自分で家まで運ぶ必要がありません。これらは一言で言えば、「お店に行かなくても買い物ができる」ということです。

 また、決済方法の多様化により、買う瞬間にお財布にお金がなくても買い物ができたり、利用するショップで会員登録などの手続きを最初に済ませてしまえば、2回目以降は、ほぼ1クリックで買い物ができてしまう便利さなどもあります。こうした便利さを背景として、EC市場は急成長を遂げてきていますし、これからもさらに成長することは間違いないところです。

 今日では、ECという仕組みを使って買い物をすることは、近所のコンビニで買い物をするくらい当たり前の消費行動になっているといっても過言ではありません。日本のEC化率はまだまだ低く、EC市場はさらに成長する余地が豊富に残されているブルーオーシャンであるといえるでしょう。

消費者の不安を解消するECの新しいキーワード
 一方で、商品を直接見ることができない不安や、お店や店員の”顔”が見えない不安といった、ネガティブな側面があったことも事実です。

 しかし、今日では、こうした課題を解消する仕組みも進化しており、それにまつわる重要なキーワードが、いくつもクローズアップされました。例えば、オムニチャネルの進化。ネットショップでは商品の実物が見られないという消費者の不安に対して、リアル店舗とネットショップが連携して、互いの利点を生かしつつ、お客様の都合に合わせて、好きな方で帰る、といった仕組みが進展しています。

 また、”店員さんの顔が見えない”という消費者の不安に対して、人工知能(AI)を搭載した接客システムや、チャットシステムを活用した「おもてなし接客」が、日々進化しています。こうしたECの進化によって、消費者はさらに便利にECを利用できるようになることでしょう。


ECの事業者メリット1 ”店舗を持たずに世界へ”

ECの事業者メリット1 ”店舗を持たずに世界へ”

店舗を持たずに、世界を相手にビジネス展開できる
 ここでは、ECでビジネスをすることのメリットについて考えてみたいと思います。小売ビジネスの基本は、店舗を構えることにありましたが、通信販売が登場したことによって、店舗がなくても”物を売る”ことができるようになりました。しかし、いわゆる通信販売の場合には、大量のカタログを印刷して配布したり、広告出稿をするなどして、商品をターゲットに知らしめることは必須でした。テナントを借りて、内装を工事したり、什器を揃える店舗販売に比べれば、カタログ制作費や広告掲載料は安いかもしれませんが、それでも一定のまとまった初期投資は必要です。

 これに対して、ネットショップ開業にあたっては、インターネット上にショップを構築するだけで、すぐにものを売れるようになります。もちろん、どんなショップを構築するかはとても重要で、費用をかけようと思えばいくらでもかけられますが、必要以上に凝ったサイトにする必要はないので、初期投資を抑えることが可能なのです。

競争は激化の一途。コンセプトのしっかりした、魅力ある商品を持つことが重要
 ECビジネスは、比較的参入障壁が低い世界だからこそ、競争も激しい業界であることをきちんと認識しておくことも肝心です。ECの黎明期には、「インターネットで物が買える」というだけで、それ自体が優位性となっていましたが、その後ネットショップが急激に増える成長期においては、価格競争が激しくなり、多くのネットショップが疲弊する事態に陥りました。

 しかし今日では、単に価格が安ければいい、という考え方ではなく、商品自体のオリジナリティや付加価値、さらには買い物自体の楽しさや利便性の高さなどによってショップが選ばれる時代になってきています。ショップ側はもちろん、消費者側がだいぶ成熟してきたのです。

 そのため、これからEC業界に参入するなら、商品やショップ自体のコンセプトを明確にして、ターゲットとなる消費者に対して、そのコンセプトをしっかりと提供できることが重要になってきています。

ECの事業者メリット2 ”顧客データの宝庫”

ECの事業者メリット2 ”顧客データの宝庫”

顧客情報や購入情報が、データとして蓄積される
 リアル店舗では、お客様が店頭で商品を購入すると、その場で代金を受け取り、店舗側はPOSレジなどを使っていれば、「いつ、どんな商品が、どれだけ売れたか」という情報は蓄積されますが、特別な手段を講じていかなければ、”誰が購入したのか”という情報は残りません(この点を解消するために、ポイントカードや会員カードなどの導入が進んでいますが)。

 これに対してECでは、ネットショップ上で購入受付した後に、指定の場所に商品を配送するという流れであるため、必ず個人情報(氏名・住所など)が必要となりますし、そうした情報をショップ側に登録することに、ユーザーも抵抗がありません。

 よって、ショップ側にはごく自然な手続きとして、顧客情報が蓄積されていきます。当然のことながら、誰がいつ、どんな商品を購入したか、という購入履歴も明らかです。こうした情報は、ECに置いては宝の山であると言っても過言ではありません。

リピート施策で、高効率のCRMやMAを実践
 「個人情報×購買情報」を適切に分析することで、リピート施策を効率よく展開できるという強みが、ECにはあります。

 各顧客データベースを一元化して、それを基にすれば、一人一人分析をし、最適なメルマガや広告などのアクションを導き出していくことができます。それがマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるもので、一人一人へのアクションを自動化してくれるものになります。その延長線上にあるのが、CRMであり、さりげなく自然な形でお客様にふさわしい提案を模索するものです。お客様へのおもてなしも、データを集めやすいECではその実行がしやすいという利点があります。そのような分析を含めたサービスを提供する企業が増えてきたのは、その必要性の高まりからだと思われます。

 既にある顧客情報をどれだけ有効活用できるか、それはECで成功するために重要なことであるのは間違いありません。ただし、個人情報を扱うことは、万が一の流出リスクをも抱えることになります。よって、規模の大小に関わらず、顧客データの管理と、セキュリティ対策に対する意識は、常に高く持たなくてはなりません。


<「EC業界大図鑑」より一部抜粋>

EC専門のコールセンターへの委託先選定はECのミカタへ

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