2016年最も売れたのは?モール/独ドメ大賞発表まとめ
EC業界において1月〜3月にかけて相次いで行われるのが、モールやASPカート運営各社における、昨年1年間の売上上位や目立った成果を上げた店舗の表彰だ。この表彰から、各社における今年の戦略や、今勢いのあるEC店舗を知ることができる。2017年はどのような店舗が登場するのだろうか。昨年の発表をまとめ、今年の傾向を考えてみる。
上表からも分かる通り、昨年の発表スケジュールは、早い順に以下の通りだった。
2016年1月25日 楽天市場 ショップ・オブ・ザ・イヤー2015
2016年3月3日 Yaho!ショッピング Best Store Award2015
2016年3月4日 DeNAショッピング ベストショップ大賞2015
2016年3月6日 ネットショップ大賞2015 GRANDPRIX
2016年5月13日 カラーミーショップ大賞2016
今年の注目ポイントとして、モールでは、DeNAが昨年10月にKDDIにEC事業譲渡を発表し、今年1月30日より「auショッピングモール」「DeNAショッピング」のサービスブランドを統合したショッピングモール「Wowma!」が誕生することがあるだろう。これにより、店舗に対しても何らかの動きが出てくるはずだ。また、楽天では楽天経済圏の拡充、ヤフーではプレミアム会員に対するサービスの拡充を重視する動きが目立った。
また、Yahoo!ショッピングにおいては、売上以外の要素も評価基準とし、カテゴリによる不均衡をなくした「Yahoo!ショッピング大賞」が設けられており、2016年は「家電と住設のイークローバー」が受賞している。この賞では、カテゴリを超えたところで勢いのあるカテゴリや店舗を知ることができる。
一方、独自ドメイン店舗では、大賞発表を行うサービス以外でもASPカートのサービス全体として、2016年は、決済サービスなど外部連携の導入が多かった印象だ。例えば、ショップサーブを提供するEストアー、カラーミーショップを提供するGMOペパボは両社ともにAmazonログイン&ペイメントを導入しており、カラーミーショップでは今年の大賞に「Amazonログイン&ペイメント」による新賞が開設されることが発表されている。
またその他にも、カテゴリ毎の賞やその他様々な賞が設定されており、独自ドメインならではの個性的な店舗が目立つ。こういった賞からは、EC業界全体でのユーザーのニーズを捉えることができるのではないだろうか。
外部連携という点では、モールでは逆に自社のサービスを他サービスと連携させる動きも目立った。モールにとってはそれにより広い意味で自社のユーザーを増やすことになる。独自ドメインの店舗にとっては、決済や会員登録などのハードルが上がりやすい部分に、ユーザーが既に利用しているサービスを導入することで、そのハードルを下げることができる。
では、どこまでそういったサービスを導入すべきで、どこまでの効果があるのか。そういった点が、今年以降の店舗の実績で徐々に明らかになっていくのではないだろうか。