Amazon Launchpadでスタートアップ企業に販路提供
本日、アマゾンジャパン合同会社が記者発表会を開催し、総合オンラインストアAmazon.co.jp(以下、Amazon)に、「Amazon Launchpad(アマゾンローンチパッド)」をオープンしたことを発表した。「Amazon Launchpad」とは、スタートアップ企業の商品をセレクトして販売するストアである。
Amazon Launchpadのメリット
特設ストアの「Amazon Launchpad」では、スタートアップ企業による革新的な製品を、Amazonを通して多くのユーザーに紹介することができる。そして販売の場を提供するだけでなく、マーケティングやセールスサポート、配送サービスも提供し、スタートアップを総合的にサポートしてくれるのだ。また、そうした「Amazon Launchpad」を利用することによって、本プログラムをすでに展開している8カ国へ販売することが可能になる。
このプログラムに参加することにより、得られるメリットは大きく分けて4つある。
まず1つ目は、迅速な販売開始ができるということだ。スタートアップは、商品登録サポートやAmazon独自のフルフィルメント・ネットワーク、マーケティングなどを活用することができる。そのため、迅速な販売開始ができるとともに、成長を加速させることが可能だ。
次に2つ目は、ブランド構築ができるということだ。「Amazon Launchpad」の製品ページの中には、スタートアップのブランドストーリーや製品への想い、アピールポイントなどを動画や文章を通して伝えることができる。また、「スタートアップについて」のQ&Aをユーザーが見ることで、スタートアップや製品への理解を深め、親近感を与えてブランドを構築していくことが可能だ。
そして3つ目は、露出機会の拡大ができるということだ。スタートアップのビジネス規模の大きさは問わずに、Amazonや「Amazon Launchpadストア」での露出など、通常の出品者と同様のツールやサービスを利用することができる。そのため、スタートアップはマーケティングプランを独自に作り上げる必要がない。
最後に4つ目は、グローバル進出することができるということだ。世界各国のAmazonでビジネスの成長をサポートするため、スタートアップはグローバル展開することが可能になる。また、Amazonのフルフィルメント・ネットワークやカスタマーサービス、Amazonプライムの迅速な無料配送サービスを通して世界中のユーザーから信頼を集めることができる。そのためスタートアップながら、海外展開を容易に視野に入れることができるのだ。
アマゾンジャパン合同会社 ディレクター セラーサービス事業本部 事業本部長 星 健一氏は、日本での「Amazon Launchpad」ローンチに対して「スタートアップは日本経済を成長させるにあたり、非常に大きな存在です。しかし販路を拡大や高い販売マージン、軌道に乗るまでの時間などに問題を抱えています。そんな中で、Amazonは多くの投資をして配送を始めとした利便性を高め、日本の重要なインフラを作り上げてきました。そこでAmazonが『Amazon Launchpad』プログラムを開始することにより、スタートアップ様の成長を支えていきたいと思います。」とコメントしている。
ジャスパー・チャン氏は何を語る?
また、「Amazon Launchpad」は、100社以上のベンチャーキャピタル、クラウドファンディング、アクセラレーター、インキュベーターとともに世界各国で協力し合い、対象のスタートアップを募集している。日本では、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会や、クラウドファンディングのMakuake、シードアクセラレーターのABBALabと活動を行っているという。参加を希望するスタートアップは、オリジナル製品を30日以内に日本のユーザーへ発送可能な状態にあれば、オンラインで参加申請を送ることができる。
本日2016年1月18日から開始だが、すでに15社のスタートアップが参加している。参加している企業からは、「梱包や在庫管理、発送などの業務で失敗してしまうとお客様の信頼を無くしてしまいます。しかし『Amazon Launchpad』に参加することにより、販売機会が与えられる他、安心してプロダクト開発に取り組むことができます。」「『Amazon Launchpad』を通して製品の魅力を世界へと発信し、急速に成長していきたいです。」といった言葉が寄せられている。
アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー・チャン氏は、「私たちは、“成功したい”という日本のスタートアップの皆様の強い意志を理解しております。日本のスタートアップをより発展させるためにあるのが『Amazon Launchpad』です。これは、スタートアップが生み出した個性豊かで興味深い製品を、世界中のAmazonユーザーへ紹介することができるプログラムです。『Amazon Launchpad』で一人でも多くの起業家を支えていきたいです。」とコメントした。
2015年にアメリカで導入された「Amazon Launchpad」は、昨年ヨーロッパ各国や中国、メキシコ、インドに導入された。今や世界で4,000以上もの製品を扱っている。そして本日、日本にも導入された「Amazon Launchpad」は、今後どのようにして日本の成長を支えていくのだろうか。Amazonを通して、スタートアップが世界で活躍する姿を見るのが楽しみである。