死後、遺族へのメッセージ送信などの人生の最期をサポート「Yahoo!エンディング」を開始
ヤフーは7月14日、人生の最期に関連する総合ポータルサービス「Yahoo!エンディング」を開始した。同サービスは、自分が死亡した際に遺族へのメッセージ送信や「Yahoo!ウォレット」の課金停止、「Yahoo!ボックス」のデータ削除が可能とのこと。
死後、知人ら最大200人にお別れメッセージを送信
ヤフーは、人生の最期に関連する総合ポータルサービス「Yahoo!エンディング」を、鎌倉新書の協力のもと開発した。同サービスは「生前準備」「葬儀手配」「相続・遺言」などの5つのカテゴリーがある。
「生前準備」では、自分が死亡した際に事前に用意したお別れのメッセージを、メールアドレスを登録しておいた知人ら最大200人に自動的にメールで送る機能を実装。伝言の保管料は月額180円(税抜き)。また、訪問者による追悼メッセージを残せるメモリアルスペースを設置するなど、自分が生きた証を死後も残すことができるようになっている。
死亡を確認後、自動的に有料サービスの停止や個人データを削除
事前に登録しておけば、ヤフーが利用者の死亡を確認すると自動的に有料サービスである「Yahoo!ウォレット」の停止や、「Yahoo!ボックス」に残された個人データを削除する。ネット上で葬式の見積もりなどもすることができる。
これまでは、利用者が亡くなった場合に、遺族がネットサービスの停止をヤフーに求めても、なりすましかどうかの確認が難しかった。
ヤフーは、自治体が発行する「火葬許可証」を葬儀会社から取り寄せ、死亡を確認後に実行されるため、なりすましによる遺言メールの誤送付などの心配をせずに利用することができる。遺族は、葬儀会社に連絡をする以外に特別な手続きは必要ない。
インターネット上でも「自分らしい最期」を迎えたいという風潮が拡大
インターネットの普及により、現実世界のみではなく、SNSなどの仮想世界で交友関係を結ぶケースも増えていることから、インターネット上でも「自分らしく」最期を迎えたいという人々が少しずつ増加している。
SNSでは、利用者の死を知らないままメッセージを送信し続けたり、自分の死後のアカウント管理についての取り決めがされていないなど、様々な課題が生じている。このような背景を受け、今回のサービス提供に至ったとのことだ。
しかし、「人間の死」というものは、誰にとってもデリケートな問題であるため、サービス自体の普及が今すぐに望めるかどうかは疑問である。インターネット世代と呼ばれる次世代の人々には、大きく受け入れられるサービスとなっていくのかもしれない。