EC業界News1週間まとめ〜楽天とマクドナルド、ポイントでの連携に見る今後/Amazon第1類医薬品の販売
こんにちは。メディア編集部石郷です。
今週、読まれた記事はこちら。
Amazonとメルカリの出品問題から分かる消費者の購買心理とは?【ECのミカタリサーチ】
https://ecnomikata.com/ecnews/14657/
アーリーステージのECショップ支援を通じて、EC市場を30兆円にする。PRECS岸田氏の思いを訊く。
https://ecnomikata.com/original_news/14326/
アスクル、ペット用品EC大手「チャーム」を完全子会社化
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14653/
「Amazonファーマシー」において第1類医薬品の販売を開始
https://www.ecnomikata.com/ecnews/14665/
Amazon、第1類医薬品の販売を開始
今週、この業界をざわつかせたのは、まず、Amazonファーマシーの話題です。Amazonファーマシーは、2015年9月に開始した医薬品の通販サービスのことをいっていて、今までは、一般用医薬品である第2類、第3類医薬品の直販のみの販売だったのです。
今回、新たに第1類医薬品の販売を開始しました。結果的には、Amazonファーマシー上で、約4,000種類もの医薬品が購入できるようになったということになり、医薬品に関してもAmazonの存在感が出て来ています。
マクドナルドで楽天ポイントが使えることの意味
一昨日にこんな発表が楽天からされています。6月1日から、全国のマクドナルドで楽天のポイントがたまったり、使ったりすることができるようになります。マクドナルドは言うまでもなく、全国のいたるところにあり、その店舗数は、2900店舗と言われています。
面白かったのは、マクドナルド側の説明で、マクドナルドでは当たり前な話、ネット通販はやっていないけど、やっていないからこそ、普段、ネット通販をやっている人というのは、通常のマクドナルドの利用者とは異なる部分があるのではないか。その上で、楽天のポイントは失効されるものもあるので、この使い道を有効活用するスポットとしてマクドナルドを活用してもらえたら、という話をしていました。
楽天ポイントがそれだけ色々な使い道があるから、どこかしらでその恩恵が得られるというイメージ作りができれば、今まで以上に楽天ポイントを使おうとする機会が増えて、楽天経済圏のビジョンがより確固たるものになっていくでしょう。それがこのニュースのポイントだと思います。
楽天と店舗の関係性はどうあるべきなんだろう?
だからこそ、思います。もはや、楽天というのは、「市場」だけの会社ではなく、トータルの会社なのだと。かつてとは違った世の中のあらゆるところに接点を持った企業体に変貌していく中で、店舗もまた、楽天との付き合い方を考えていく必要があるように思います。
店舗の話を聞いていて、最近すごく思うことは、店舗の成長というのは、以前よりずっと複雑化しているということなんです。かつては今よりは売り上げの上げ方もシンプルで、それを貪欲に実践することで、成長が見込まれていたものも、理論が複雑化して来て、なかなか実践にこぎつけなくなって来ているように思います。
その中で、楽天もまた、かつてのように、「こうすればいいんだよ」と教科書的に伝えていたことが、レベルが上がって、統一的に何かを伝えることが難しくなってきたため、個々のECコンサルタントにその成長の裁量が委ねられることとなり、成長のフローが描きづらくなって来ているように思います。
変わる楽天の役割、だからこそ ECコンサルタントの存在が今まで以上に重要に
だからこそ、楽天は企業としてより規模感を大きくし、世間への影響力を高めることで、以前とは違ったメリットを提供して、店舗に貢献するようになって来ているのかな、と僕は思ったりしています。ただ、売上向上が今まで以上に、複雑化しているだけに、楽天も広告ではなく、戦略を以前にも増して伝える姿勢が大事だと思うし、戦略を考える上で、店舗とのコミュニケーションは以前以上に構築することが大事なのではないかと思います。
楽天がいまこうしてあるのは、一つ一つの店舗の力があってのことです。楽天が大きくなり、世間への影響力を増していく姿を、特に昔から付き合いのある店舗は応援してくれている反面、とはいえ、楽天の「下町の商店街」的な、ある意味庶民的な精神は、それら店舗が楽天との繋がりを大事にしようとするキモの部分であり、そこを失なわない工夫が必要だと思います。
あなたは自分が得すればグレーゾーンの商品でも買う?
毎月、ECのミカタでは、リサーチをしていて、25日に発表しています。今月は、架空出品といって、商品を破格で販売し、それで購入しても商品が届かないといったものが話題になったわけです。
若干、買う側にも怪しいなと思う部分もあったと思うのですが、では、消費者にこういう質問を投げかけてみたんですね。男女150名に。
「少しでも自分たちにメリットがあると思ったら、グレーゾーンだったら、買ってしまうのか」と。
すると、驚きました。買うという人が25%もいたんですね。理由などはその記事を見ていただくとして、この結果は人間の心理を垣間見るものになっているなと思うのです。
人間の心理を垣間見るような気がするのです。以前、美容健康の商品で、僕が問屋で商品を卸す仕事していた時のこと。結構、グレーゾーンで販売していたダイエット商品などもありました。それに対しての取り締まりが強化されたときに、ショップは「国は僕らから仕事を奪ってどうするんですかね」ということを言っていたところもありました。しかし、恐ろしいのは、それが普通になってしまうことで、ネット通販への信用が落ちることになり、こういうことが起こると、「ネットはやっぱり信用がおけない」ということになってしまうので、大きな視野で考えていかなければならないのかな、と思います。
#Cartの話題
最後に、ちょっと気になったのが、以前、紹介させてもらった「#Cart』というショッピングモールが、5月22日をもって、サービス提供を終了しました。
月額費用や売上ロイヤリティだけでなくカード決済手数料も無料、つまり、販売事業者は一切のコスト負担なくネットショップを開設 することができるというもので、なにより、直感的で洗練されたもので、期待していただけに、なんとも残念です。
開始の際に取り上げた以上、このような結果も伝えるべきだと思い、書きました。しかし、この会社は、ネットコンシェルジェとして、ネット黎明期から支えてきた会社でもあるので、ここまでの功績を思えば、その結果もこの会社の通過点でしかなく、次のステージに向けて、また、新たな歩みを見せてくれるに違いありません。
力強くエールをこの文章を通して、僕は送りつつ、今日はこの辺で締めたいと思います。
また次の一週間も、笑顔あふれる一週間でありますよう。
来週お会いしましょう!