Oisix香港で廃棄ロス15%削減に。ヤマトの新航空輸送サービス
オイシックスドット大地株式会社(以下「オイシックスドット大地 」)では、日本国内だけでなく、香港ユーザー向けにも「Oisix香港」を提供し、多くのユーザーに利用されている。しかし、その一方で、海外に向けてだからこその課題を抱えていた。
その課題とは、定温管理が必要な果物、野菜などの最適な輸送方法が無く、現地に到着した生鮮品の一部が劣化し廃棄に繋がってしまうというものだ。
では、その問題がいかに解決されたのかといえば、そこにはヤマトグローバルロジスティクスジャパン(以下「YGL」)の新輸送「Yamato Natural Aircargo」がある。この「Yamato Natural Aircargo」を導入した結果、従来比廃棄ロス15%、輸送コスト10%削減に成功したというのだから驚きだ。
従来、パレット単位で温度管理が必要な生鮮品を海外に航空輸送する場合、冷蔵コンテナに入れて輸送する方法が一般的だった。しかし、冷蔵コンテナを利用する場合、高い輸送コストや、商品によっては低温の影響でダメージを受けてしまうため、品質管理が課題となっていた。
また、空港では保冷施設で一時的に保管を行っているが、フライト中は常温状態となるため、一定の温度管理が出来ていない状況。その一方で、コストを抑えるために常温で輸送を行うと到着地などで適切な温度管理が出来ず廃棄ロスが増えるなど、同様に品質管理が課題となっていた。
今回の新サービスでは、倉庫から羽田クロノゲートに商品を搬入した後、羽田クロノゲート内の保冷エリアで特許を取得した温度を一定に保つ独自の資材と特殊梱包をパレット単位で行う。
その後、通関処理を行い、航空会社に搬入を行い、特殊梱包により最終目的地まで温度管理を行った状態での輸送が可能となる。また、輸送は一般貨物扱いとなるため、保冷コンテナでの輸送時と比較してコスト削減にも繋がる。
年々国外への生鮮品の配送技術は向上しているが、具体的に今回のオイシックスドット大地のような例が出たというのはYGLとしても大きなチャンスとなる。そして何よりも、訪日外国人による爆買いが落ち着いている今、日本国内の企業にとっても背中を押す一例となったに違いないだろう。