パシャオク、9月末でサービス終了を発表
Amebaの公式オークションサービスとして知られるパシャオクが、9月末をもってサービスを終了することを明らかにした。パシャオクは2013年2月、株式会社サイバーエージェントの100%出資子会社として誕生。芸能人イベントでしばしばマスコミに話題を提供してきたが、約1年半で撤退することになった。
Amebloをベースに成長したパシャオク
インターネットは時間や場所の制約がない仮想空間の特徴を生かし、消費者向けのeコマース(電子商取引)を劇的に普及させた。生活ポータルのヤフージャパンや巨大ショッピングモールの楽天をはじめ、さまざまなサービスを生み、その一部にネットオークションがある。
パシャオクは後発組だ。1999年9月に立ち上げたヤフオク(当時ヤフーオークション)、2004年3月にサービスが始まったモバオクよりはるかに遅れて、2013年2月に始まった。それでもAmebloという芸能人のユーザーも多い人気ブログのコミュニティーを背景として、順調に成長して行くように見えた。
ウーマンラッシュアワー・村本大輔の「1日限定で恋人になれる権利」が79万1,001円、「鳥居みゆきに肩を噛まれる権利」が70万3,001円で、パンサーの「一緒にトリプルデートできる権利」が56万7,001円で落札されるなど、話題も多い。
パシャオク、サービス終了の背景にあるものは何か?
パシャオクの成長を止めたのは、何だったのだろう。ヤフオクの高く厚い壁の前に敗れ去ったのか、それとも芸能人イベントに頼る手法に限界があったのか。どちらとも言えるだろうが、ここにもうひとつ加えるとすれば、ネットオークションという市場そのものの停滞を挙げてもよいと思われる。
最近は、「落札される数が減った」「以前は高く売れたものが、安値でしか売れなくなった」という声が多い。オークションが始まった頃に比べれば新鮮さが減って集客力が低下する一方、出品者が増えることで少ないパイを奪い合う状態になってきた可能性がある。
また、パソコンで言えば数万円台の機種が登場するなど、低価格で高性能な品物も登場。激安の通販も増えて、「中古品よりは安くても新品がよい」というような消費者の価値観の変化が起きている可能性も否定できない。
消費の構造変化が起きているなら、それをしっかり見定めて行くことが必要になるだろう。