「Yahoo!ショッピング」が出店者向けのリターゲティング広告を開始

ヤフー株式会社は8月6日、「Yahoo!ショッピング」の出店者向けに、新たなクリック課金型広告サービス「Yahoo!プロモーション広告」を8月末から提供を開始する予定であることを発表した。
「Yahoo!ショッピング」の訪問者を対象に、自社のサイトを訪れたことのある人に再訪を促すリターゲティング広告を開始する。

ヤフー「eコマース革命」の着実な一歩

ヤフージャパンを運営するヤフー株式会社は1999年9月28日にオープンして以来、日本最大の生活ポータルサイトとして不動の地位を築いている。しかし、すべてが順風満帆であったわけではない。その典型がYahoo!ショッピングで、楽天モールに大きく引き離されていた。

しかし、ヤフーは2013年10月7日に「eコマース革命」と称し、出店者向けプランの無料化に踏み切ることで、いわばルールそのものを引っくり返す戦略に出た。また、2014年2月12日からはYahoo!プレミアム会員登録を行った個人も販売可能とした。
その結果、ヤフーショッピングの出店数は急増。今や楽天モールに匹敵するショッピングモールに成長しつつある。

ただし、出店料を受け取って運営している楽天と無料のヤフーでは、収益性は比較にならない。その辺はヤフーもよくわかっており、主として広告による収益増加の方法を探っていた。一方、出店者側も多数の出店者の中で自分のショップを目立たせる方法を欲していた。今回の「Yahoo!プロモーション広告」は、ヤフーと出店者をつないで双方に利益をもたらす試みと言えるだろう。

効果を期待できるリターゲティング広告

リターゲティング広告とは、Webブラウザに永続的に情報を保存させるCookie(クッキー)を利用することで、広告主は自社のサイトに訪問済みの人にだけ広告を表示することを可能にするものだ。

ただし、Yahoo!ショッピングの場合、蓄積されたリソースは半端ではない。2014年5月2日~7月31日の期間、PC、スマートフォンを含むモバイル、タブレットから「Yahoo!ショッピング」のトップページや各カテゴリなど「Yahoo!ショッピング」内のサイトを閲覧した全リーチ数(閲覧数)は、約1億もあった、という。だから、訪問者が少ないストアでも開店当初から大規模なリターゲティング広告配信が可能になる。
また、Yahoo!ショッピング内の閲覧データや各カテゴリのアクセス歴なども利用できるため、過去の閲覧履歴を判別した広告掲載や商材に合わせたターゲティングも可能になる。見込み顧客に効果的にアピールすることができるのだ。

自社のサイトに一度でも来たことのある人や関連商品を閲覧したことのある人は、自社の商品に関心の高いユーザーである可能性が高い。リターゲティング広告では一度クリックした広告が何度も繰り返して表示されることもあるので、「しつこい」と思われて敬遠される危険性もあるが、商品購入に結びつく効果の高い手法であることは間違いないだろう。