消費者のイマドキな買い物方法〜モールに迫るメルカリの成長〜【ECのミカタリサーチ】
とりわけ20~30代の女性の間では爆発的に普及しているフリーマーケットアプリ「メルカリ」。もはや、メルカリに対して否定的なスタンスを貫いているEC事業者のほうが時代遅れと言えるかもしれません。爆発的な普及を裏付ける実績を知り、メルカリの力をしっかりと認めましょう。こちらでは、20~30代女性150名を対象に実施したメルカリの利用状況に関するアンケートの結果から、メルカリの実態に迫っていきます。
よそでセールをしていてもメルカリで買い物をしますか?
まずは、アンケート結果から、実際のメルカリの浸透度を探っていきましょう。
例えば、メルカリを普段使っている人であっても、さすがに、セール時期まで、メルカリを使うものなのでしょうか。そこで、今回のアンケートでは「よそでセールをしていても、あなたはメルカリで買い物をしますか?」「欲しいものを購入する際どちらで購入しますか?」「欲しいものがある時に、一番最初に検索するのはどれですか?」といった質問を20~30代の女性に対して投げかけています。
「よそでセールをしていても、あなたはメルカリで買い物をしますか?」という質問には、3割以上の女性が「はい」と回答しています。このことから、メルカリが何度も購入するユーザーを多く獲得しているのは事実のようです。よそのセールよりも安い販売価格や、値切りが可能な点をその理由として挙げている女性もいます。
「欲しいものを購入する際どちらで購入しますか?」「欲しいものがある時に、一番最初に検索するのはどれですか?」という問い対しては、それぞれ25%、22%の女性が「メルカリ」と回答しています。今回、他の回答として用意したのは、「Amazon」「楽天」「Yahoo! オークション」など、大型のECサイトやオークションサイトです。このアンケート結果は、メルカリが消費者の間で既に、ショッピングにおける選択肢のひとつになっている何よりの証拠と言えるでしょう。
所詮フリマアプリ!?その実力とは
事業者を評価するためには、実力を知る必要があります。アンケート結果からわかる浸透度だけでは、メルカリを「単なるフリーマーケット業者」として認識している方が多いかもしれません。2016年末に発表されたメルカリの決算報告から、メルカリの収益力を詳細に分析してみましょう。
収益力は圧倒的
2016年末のメルカリの決算報告では、売上総利益が114億7,000万円と発表されています。売上高との割合で算出される売上利益率は93.6%です。EC事業者のスタートトゥデイが同時期に出した89.7%、ロコンドの86.9%という売上利益率と比較しても圧倒的であることがわかります。
規模拡大後も順調にダウンロードされている
続いては、メルカリのダウンロード数に注目してみましょう。以下は、メルカリのダウンロード数の推移です。
・2015年 2月:1000万ダウンロード到達
・2015年10月:2000万ダウンロード到達
・2016年 5月:3000万ダウンロード到達
・2016年12月:4000万ダウンロード到達
・2017年 5月:5000万ダウンロード到達
現状は順調にダウンロード数を拡大していることがわかります。国内の人口を考えるとダウンロード数はじきに収束すると思われますが、上述したアンケートの結果からわかるユーザーの利用状況が今後も続くのであれば、アクティブユーザーが減ることはないでしょう。
新たなECのライバルの登場
EC事業者は、メルカリを「単なるフリマアプリ」ではなく、「新たなライバル」として認識すべきかもしれません。これまでのフリマアプリとの最もたる違いは、その「身近」さです。女性にとってメルカリがいかに身近な存在かわかるデータを、アンケート結果からご紹介します。
「これが欲しかった!」が叶う
「メルカリを利用して便利だと感じるところは何ですか?」という問いへの回答として、43%の方が「流通している商品以外の物が購入できる(ハンドメイド商品など)」を選択しています。特にハンドメイド品に関しては、ユーザーのニッチなニーズを満たすものが幅広く展開されているようです。実際にハンドメイド品を購入している方からのメッセージをいくつかご紹介しましょう。
・そうそうこんな感じの物が欲しかったってのが買えちゃいます。(25歳女性・石川県)
・ハンドメイドの可愛い物を探したりできるのがいいと思います。(29歳女性・兵庫県)
・市販のものではちょっと物足りない時にメルカリでハンドメイドの物を探します。気に入った品物に出逢うことが多いですね。(24歳女性・広島県)
手軽さ・わかりやすさが絶大な評価を獲得
「メルカリを利用して便利だと感じるところは何ですか?」という質問には、28%の方が「手軽に購入できる」を選択しています。わかりやすいアプリのUIや、決済の明瞭さが、女性たちが感じる身近さにつながっているようです。以下は、「手軽に購入できる」を選択した女性たちの声です。
・スマートフォンさえあれば、いつでも手軽に欲しいものが手に入るからです。(25歳女性・千葉県)
・操作やルールが簡単でわかりやすい。気楽に購入できているので。(31歳女性・茨城県)
・手軽感と安さを考えたらメルカリに勝てるものはないと思います。(37歳女性・京都府)
まとめ
消費者がセールに求めるものは「安さ」だけでしょうか?
セールの現場では「セールまで待って良かった!」「これカワイイ!」といった“感動体験”を伴いながら、消費者は商品を手にするはずです。
ただ、上記のアンケート結果からも分かるように、気軽にアクセスが可能なプラットフォームであるメルカリでは、常日頃から消費者は「掘り出し物の発見」などの“感動体験”を伴いながら、手にした商品を買い物かごに入れます。
さらに、メルカリには消費者の好みに合わせて設定可能なプッシュ通知機能があり、これにより消費者と事業者は、これまで以上に双方向的かつ高頻度な接触が可能となり、消費者は日々、セール並みの“エキサイティング”な空間を堪能しているのではないでしょうか。
このプラットフォームの内側では「セール並みの熱狂」が毎日繰り返され、参加する消費者は多幸感に包まれ買い物を楽しんでいるのです。スマホの普及を背景に人々の行動様式が大きく変わったことにより、これまで重要視されこなかった“感動体験”や“エキサイティングな空間”の価値が大きく上昇した今、それでも「価格」と「品揃え」だけに価値を見出し勝負し続けますか?