ZOZOTOWN、ヤマトのオープンロッカー導入で成長に追い風か
株式会社スタートトゥデイ(以下、スタートトゥデイ)は8月23日、ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)と連携し、Packcity Japan株式会社(以下、パックシティジャパン)が運営するオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション(以下、PUDO)」を、商品の受け取り場所として指定できるようになることを発表した。
今回の連携により、「ZOZOTOWN」での購入時に、コンビニエンスストアやヤマト運輸直営店に加えPUDOにおいても商品の受け取りをすることができるようになるのだが、先月の決算発表では驚異の伸び率を見せただけに、これらの取り組みがいかに追い風になるのか気になるところだ。
昨今、再配達が社会全体で問題視されるようになったのは周知の通りで、その背景にはECの利用が増えていることや共働き家族の増加などによるライフスタイルの多様化などがある。もちろん物流各社だけでなく国を挙げての取り組みがなされている最中である。
この再配達という問題は消費者からみても「再配達を受け取るのが面倒」や「商品をロッカーで受け取れるようにしてほしい」という思いがあったようで、スタートトゥデイに対しても意見が寄せられていたという。
「ZOZOTOWN」ではユーザーの視点に立った取り組みが多いように思われる。今回の受け取り方法の多様化だけではなく、モールの中で唯一Amazon社の「Amazon Pay」を導入しており、これもユーザーからの声を反映したものだという。
フランスの知恵が生かされた、オープン型宅配便ロッカー
パックシティジャパンはフランス郵政グループ La Poste の子会社である Geopost とヤマト運輸の合弁会社だ。昨年の設立以来、消費者が好きな時間に好きな場所で荷物が受け取れるよう、駅などの公共スペースにPUDOの設置を進めており、2018年3月までには首都圏を中心に全国約3,000ヵ所に拡大する予定だ。
そもそも合弁企業設立の目的となっているPUDOの「オープン型宅配ロッカー」とは、ヤマト運輸だけでなく、他の宅配事業各社が共同利用できる新たなインフラを目指すものとなっており、再配達を未然に防ぐための手段として期待されている。
伸びるスタートトゥデイ、EC業界に何をもたらすのか
先月発表されたスタートトゥデイの2018年3月期第1四半期決算では、商品取扱高が595億7,400万円(前年同期比40.9%増)、売上高が214億5,100万円(同39.4%増)、差引売上総利益が198億4,400万円(同43.8%増)という数字が発表されており、驚異的な伸び率には注目が集まっている。
その分、配送の部分も増えるため、受け取り方法を多様化させることで、各所の負担を分散させるという仕組み作りはユーザーだけではなく、業界全体にプラスの効果をもたらすに違い無い。