スクロールがミネルヴァHDを子会社化へ

石郷“145”マナブ

 EC業界の黎明期から、この業界のことを知り、また、大きく自らECでビジネスを拡大させて、成功へと導いてきたミネルヴァ・ホールディングス株式会社がまた新たな一歩を歩みだした。株式会社スクロールが、平成29年8月30日開催の取締役会において、ミネルヴァ・ホールディングス株式会社の株式を取得し、子会社化することに向け、独占交渉権を以って協議を進めることを、正式に発表した。

 そもそも、ミネルヴァ・ホールディングス株式会社の株式は、親会社であるデカトロン エス・エー社が所有しており、同社がスクロールとの間で、今後、株式取得に向けて動き、それに伴う子会社化を実現させるに必要な基本合意書を締結したことで、上記の発表と相成ったわけだ。

なぜスクロールがミネルヴァを子会社に?

 では、なぜスクロールがミネルヴァ・ホールディングスを子会社にすることを意図したのか。もとより、スクロールは、アパレル・ファッション雑貨、化粧品、健康食品などを扱い、カタログにとどまらず、ECでもその通販での実績は高く、またそのノウハウを生かして、EC事業者に向けたソリューション事業を展開していて、その存在感は年々増している。

 そんな中にあって、さらなる成長を視野に入れ、先日発表された中期経営計画「みらい2018」においても、「M&A・提携を通じた成長」を掲げているのだ。M&Aや提携の対象は、化粧品や健康食品メーカー、ECビジネス、ソリューション、海外案件等、幅が広い。今回の動きも、その流れを汲んだものと思われる。

ミネルヴァ・ホールディングスの挑戦は更に続く

 一方で、ミネルヴァ・ホールディングスは、ネットを活用した情報提供、通信販売と、ECのためのソリューションサービスも扱っており、この子会社には、ナチュラム・イーコマース株式会社があって、釣り、アウトドア用品等の専門ECサイトを黎明期から長きにわたり、今に至るまでファンを魅了し続けてきた。

 ミネルヴァ・ホールディングスにとってみれば、激変するこのEC業界の中で、長年ECで培ってきたノウハウをベースに、新たな知識の活用と行動を更に加速させる必要性がある。先日、中島社長とお会いした時も、EC業界を想い、発想豊かに、未来にかける想いも話されていた。今回、スクロールの拡大構想と共に、積極的な未来への投資ができるとすれば、常に挑戦し続けてきた同社の姿勢とも一致する。また、それは、EC業界の発展に繋がる英断といえよう。僕は素敵な未来を想うから、両社のこれからを応援したいと思う。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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