ヤマト運輸、来月宅急便センター受け取りサービス開始!我々が配達で考えるべき事は?
着々と新しい配送の流れが訪れている。先ほど、ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長:長尾 裕)は、10月1日から、新サービス「宅急便センター受け取りサービス」を開始する、との発表があった。
ヤマト運輸にとっては、今回の一連の動きの中で、おそらく意識しているのは、大きく膨れ上がった業務の内容をできるだけ必要なものにまとめ、精査する動きと、極力粗利を出す動きとの両面があると思う。
その意味でいうと、「宅急便センター受け取りサービス」は、業務の内容を極力減少させようとする動きであり、いうまでもなく、再配達問題を意識したものであろう。この取り組みにより、依頼主が宅急便を今までよりお得に送れ、受取人が自身の都合に合わせて、全国約4,000ヵ所の宅急便センターで荷物を受け取ることができる。
もともと同社は4月28日に2017年「デリバリー事業の構造改革」の中で、配達効率の向上や再配達の抑制に協力する個人のお客さまにお得に、より便利に、宅急便をサービスの一つとして新たに設置したのが、「宅急便センター直送サービス(仮称)」なのだ。
当然、消費者にとってのメリットを用意していて、荷物の受取場所を自宅などではなく、宅急便センターに指定し、発送してもらうと、宅急便の運賃(税込)が54円お得となる、いうわけだ。
併用の仕方で、消費者にもメリットがある工夫はしている
更に、消費者にとってもメリットはあって「宅急便センター受け取りサービス」は、このサービス単体で、利用しても安くはなるが、他にある「各種割引」を併用すると、さらに安くなる。ここは、ヤマト運輸がある意味、業務量に鑑みて、人件費にかかるコストを軽減させようと割り切っていると思われる。
結果、消費者の負担は増えるかもしれないが、その分、支払う金額が減少するのは大きい。ある意味、ヤマト運輸にとっても、今まで無駄にかかってしまっているコストを大幅に軽減する。
例えば、下の表のように、持込割などを活用すれば、一般のお客様でも204円得する計算になるし、クロネコメンバーズでは更にそこから差し引かれることとなり、その度合いは増すこととなる。
例えば、クロネコメンバーズのお客さまが、東京から大阪に60サイズのお荷物を送った場合、宅急便の運賃(税込)の1,015円が、最大で406円お得になり、609円で利用できることとなるのだ。
こうした変化が今ある状況に少し風穴をあけることを期待しつつ、何よりも、消費者も、ショップも、現状配達総数が約37億個になり、EC業界が成長していることを加味すると、置かれている現状をよく理解して、各々でできる取り組みを実践することが大事なのではないかと思うのだ。