佐川急便グループの持株会社【SGホールディングス】東証への株式上場へ
SGホールディングス株式会社(本社:京都市南区、代表取締役会長:栗和田榮一、以下「SGホールディングス」)は、株式会社東京証券取引所(以下、東京証券取引所)より、同証券取引所へのSGHの株式新規上場が承認さたことを発表した。なお、東京証券取引所への上場日は2017年12月13日(水)を予定して、同日以降、東京証券取引所においてSGHの株式の売買が可能となる。
2017年のIPOの中でも特段のインパクト
佐川急便グループの持株会社であるSGホールディングスが、株式を上場するとの情報は予てから市場関係者を中心に話題を呼んでいたが、ついにその上場が東京証券取引所から承認され、2017年12月13日に同社株式が売買可能となる。
日銀による大規模な金融緩和の影響で日経平均株価も2万円を境に堅調に推移し、IPO(新規公開株)マーケットも活況を呈している中、SGホールディングスの株式上場は市場関係者のみならず、とりわけ大きなインパクトとなるだろう。
「物流戦争」下での上場
現在、物流業界は「物流戦争」と呼ばれる大手物流会社を中心とした各社の間での熾烈な競争の中にある。その中で佐川急便と対比されることが多いのが、やはりヤマト運輸だ。ヤマト運輸が宅配便事業を本格的に開始したのが1976年で、1957年に創業した佐川急便は、宅配便事業参入についてはヤマト運輸よりは後発であった。
それが現在、両社はここ数年、営業利益でもほぼ並ぶなど、正に市場をいかに押さえていくかをめぐって主要な役割を担い、さらなる存在感を放っている。その中でのSGホールディングスの株式上場は、熾烈な競争の行方を占う上でも注目すべき出来事だ。
「SGホールディングス」株式上場の意義
今回のSGホールディングスの意義はいくつかのポイントがある。ひとつは資金調達だ。株式上場によって、新たな資金を得ることができれば、財務体質が良好な同社にとってもさらに経営上取り得る選択肢が増えることになる。このことは「物流戦争」下での生き残りをかけた熾烈な競争の中でも大きなアドバンテージとなる。
もうひとつは経営のさらなる透明化だ。上場によって財務状況や経営判断やそのプロセスがより見えやすくなり、同社の株式会社としてより開かれることになる。このことは投資家のみならず広く一般の同社への好意的な関心を高めることにもつながり、結果としてさらなる経営強化や人材の確保、同社と関連企業全体のイメージ向上とブランド力強化にも寄与することが期待できる。
SGホールディングスの東京証券取引所への新規株式上場承認のニュースは、ますます熾烈さを増す物流界での競争を前に大きなインパクトとなるだろう。そして、それだけでなく物流業界のリーダシップ企業がさらなる経営戦略を遂行する上での布石ともなり、その施策がEコマース市場に与えるであろう影響からも目が離せない。