おせち、始まる年末調整商戦 安心先取りの早期予約

縁起物をしっかり吟味 選べる三種類をネット予約

早いEC企業だとお盆を超えたあたりから予約の開始が始まる「おせち」。
数多くの食品EC企業が早めの予約を提唱する。縁起物だからこそ消費者の選ぶ基準もよりシビアになりそうだ。2014年に大旋風を巻き起こした流行りのアニメ映画とコラボレーションしたおせちなども予約開始されており、各社こぞって販売戦略を練っている印象が強い。家族で過ごす年末年始を彩る食卓の一品をいち早く押さえておきたい消費者に向け、趣向を凝らしたマーケティングが展開されている。

お持ち帰り弁当事業のパイオニアである「ほっかほか亭」を展開する株式会社ハークスレイは、お弁当会社の特性を活かしたこだわりのおせちの予約を9月20日より開始することを発表した。早め早めの展開が慣例化する季節モノ商戦の中では少々スロースターターのような気もするが、ギミックに凝ることなくストレートに昔ながらのおせちを提供するサービスには、厳しい消費者の選定眼をも納得させる安定のクオリティがあるのではないだろうか。

種類は3つ。
「彩(いろどり)」   一段重 8.500円(税込み9.180円)
「松」         ニ段重 14.500円(税込み15.660円)
「冨士」        三段重 18.500円(税込み19.980円)

全てのおせちに、年越しそばセット(そば、海老天、つゆ、七味)と祝箸が付属し、全国宅配料無料となっている。
予約期間は9月20日から12月23日まで、お届け日は12月30日または12月31日の大晦日としている。

伸び続けるECおせち市場 多様化する顧客ニーズにも対応

食品EC企業の発展とともに年々伸び続けるおせち市場であるが、低価格路線のみではなく、様々なニーズに沿ったサービスが提供されている印象を受ける。8月22日よりおせち受付を開始したベルメゾンネット(千趣会)が発表したディズニーおせちでは、セットを早期予約した人を対象のキャンペーンを展開し、限定のプレゼントを特典付属するなど、小さなお子様のいる家庭やファンの方の訴求を意識した内容を押し出している。洋菓子や和菓子をおせち料理のように見立てたスイーツおせちや、上生菓子を重箱に盛り合わせたおせち菓子のように、お正月のイメージに沿った和菓子&洋菓子おせち、カロリー制限にこだわった低カロリーおせちなど、従来のおせちのイメージに捕らわれず自由な発想で日本の文化食に触れる風習が近年生まれつつあるようだ。

おせちEC市場が伸びている背景には、各メーカーが一般流通を通さず、直接消費者に届けられるため中間コストを下げることができたり、消費者の調理する手間やコストを想定した際にEC購入した方がラクと考える傾向の増加。忙しい年末年始に直に店舗に足を運んで選ぶよりもネットの方が短時間で比較検討しやすい、などの要因が考えられる。

本格的に年末商戦が過熱化する時期がくる前に、一足早く必要なモノの予約を済ませておくことも、賢い手段の一つかもしれない。