ソフマップ、ライブコマース参入。STARP社協力で小売業界に変革をもたらす
3月28日、株式会社ソフマップ(以下、ソフマップ)とSTARP株式会社(以下、STARP)は共同記者発表会を開催。STARP社の提供するライブコマースプラットフォーム『Live kit』を使用した『アキバ☆ソフマップ LIVE』のサービスを開始することが発表された。
ソフマップ、ライブコマースとの出会い
ソフマップでは、秋葉原をはじめとした各店舗で、CDやDVDの購入者を対象に年間約1,300件のアイドルイベントを実施しているのだが、インストアイベントについてソフマップ代表の渡辺氏はある課題を抱えていた。
「インストアという閉鎖的な場所でイベントを開催した際、来てくださった方は満足できても、見に来たいと思いつつも遠くて参加できないという方も多く、みなさんに楽しんでもらえないのではと感じました。そこで、出会ったのが『Live kit』でした。ネットで簡単にできますし、さらには楽しかったで終わるのではなく、商品を販売できます。ソフマップとしてはもちろんの事、出演者としても商品が売れれば嬉しいですよね。」(ソフマップ渡辺氏)
『Live kit』との出会いについて「結婚できる!」と表現するほど、衝撃的だったと語るソフマップの渡辺氏は「新しい商品の売り方をご覧いただけるかなと思います。お楽しみに」と続けた。
一方、『Live kit』を提供するSTARPでは海外で行われている事業を日本にローカライズする事業を行っており、現在注力しているのが中国ではユーザー数3.5億人にものぼるライブコマースというわけだ。
今回リリースされた『Live kit』を利用したサービス『アキバ☆ソフマップ LIVE』は、ソフマップで行うアイドルや声優イベントの様子をリアルタイムで無料で視聴できると同時に、出演アイドルのCDやDVD、写真集などのグッズをWEB上でイベントに参加しながら購入できる。
サービス開始により、イベントに参加したい人はどこからでも無料でイベント中継を通して参加することが可能となるため、場所を問わず参加というのは非常に魅力的だ。また、アーカイブも残るため、時間さえも超えて楽しむことができる。
新商品の販売や限定商品も販売も
先日、先行して『アキバ☆ソフマップ LIVE』を利用してライブ配信を行ったあおにゃんこと空野青空さんは次のように語る。
「ライブ配信はしたことがったけれど、ライブ配信で商品を売るということはしたことがなかった。『Live kit』では購入者の名前が表示できるので、購入してくれた方にお礼を言ったり、コミュニケーションをとりながら配信できて楽しかったです。」と語った。
また、4月以降に『アキバ☆ソフマップ LIVE』でのライブ配信を予定している佐山彩香さんは、今回のためにソフマップとの共同アパレルブランド「SUP」を立ち上げ、配信時にはそれらの商品紹介をしていくという。
「実際にこんなコーディネートをしたらいいよ、というアドバイスもしたいなと思います。配信の中で『こんな商品が欲しい!』って意見があれば、第2弾で作ります!」と意気込みを見せた。
先行して配信を行った空野さんからは「オタク戦士(青野さんのファンの名称)的には名前を呼んで頂けたり、レスが貰えるのが嬉しいんです!」とアドバイスがあった。
「会えるアイドル」はからコミュニケーションが取れるアイドルへ
会見中には別会場で新菜まこさんが実際にライブ配信を行い、『Live kit』の使い方をレクチャー。「ライブ配信はいつもやっているので、緊張せずできました。ゆるい絵を描くのが好きなので、そういった商品をグッズ化したい。」とコメントしたが、佐山さんのブランド立ち上げも含め、ライブ配信新たなビジネスの場となっていることを象徴しているように思える。
STARP渡邊氏が「CDを買うだけでは、どこで買っても変わらない。ライブ配信の特典として、『グッズにサインをします!』っていうだけで『欲しい!』ってコメントが入るんですよね。」と語るように、ライブ配信限定の商品販売はもちろんのこと、サイン入りの世界に一つのモノがその場で生まれるという楽しみも、ライブ配信ならではの醍醐味とも言える。
一時、”会えるアイドル”という言葉が世間に溢れたが、『アキバ☆ソフマップ LIVE』は一瞬の握手や一言二言の会話ではなく、”コミュニケーションが取れるアイドル”を生み出すことになるだろう。
小売業界初となる今回の取り組み。現在はPDCAを回している段階であるというが、ソフマップとSTARPが日本のライブコマース市場に対してどのように切り込んでいくのか、引き続き注目していきたい。