顧客満足度の高い企業やブランドは?【2017年度サービス産業生産性協議会調べ】
サービス産業生産性協議会は、2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」調査にて調査・分析を行った全34業種410企業もしくはブランド(以下企業・ブランド)の結果を取りまとめ、その結果を公表した。
著名な企業・ブランドが名を連ねる
サービス産業生産性協議会は、ブランドの最新動向に関する結果を取りまとめ、その結果を公表した。
この調査は、統計的な収集方法による総計12万人の利用者からの回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査で、業種・業態(以下業種)横断での比較・分析ができ、かつ、6つの指標で顧客満足の構造とポジショニングがチェック可能だ。
同協会は本年度、年6回に分けて調査を実施した。「顧客の評価を起点とした業種を超えた競争」を促すことで、より高い付加価値や顧客満足を高める経営が日本全体に広がり、日本企業の成長と国際競争力の強化に役立つことを狙いとし、2009年度から発表を行っている。ここでは通信販売の項目をメインにその概要について見ていく。
全体で高評価な企業・ブランドは?
集計全体での高評価な企業・ブランド・業種は下記の結果となった。
(1)企業:宝塚歌劇団が2年連続の総合第1位。
第1位:「宝塚歌劇団」(エンタテインメント業種1位)
第2位:「劇団四季」(エンタテインメント業種2位)
第3位:「ヨドバシ.com」(通信販売業種1位)
第4位:「帝国ホテル」(シティホテル業種1位)
第5位:「レクサス店」(自動車販売店業種1位)
(2)業種:旅行をはじめ、非日常のサービスを中心に高評価
第1位:旅行
第2位:シティホテル・エンタテインメント・住設機器サービス
※各業種の「顧客満足中央値」(業種内の中央順位の企業・ブランドの指数)を比較
顧客評価の高い通販企業・ブランドは?
同調査において、通信販売分野で顧客からの評価が高かったのは、全体の集計結果でもランクインした「ヨドバシ.com」で、実に4年連続の顧客満足1位となった。
「ヨドバシ.com」は顧客満足の他4指標でも3年以上の連続1位となっている。顧客満足2位は「オルビス」で、知覚品質、推奨意向でも2位となった。顧客満足3位の「Joshin web」は知覚価値で2位となっている。顧客期待1位は「通販生活」だった。
ヨドバシについては、店頭商品についている「バーコード付きの値札」が注目を集めた。これは値札のバーコードをアプリで読み取ると、ヨドバシの通販サイトにつながり、そのままネットで買い物ができるという仕組になっている。
キャンペーン期間などを除けば、基本的に店舗とネットの価格は同じで、ポイントも共通利用できる。また、ヨドバシの通販サイトは無料当日配送対応エリアも人口カバー率も高く広範囲でこうした点がユーザーから評価されたと推測できる。
またオルビスについては、自社サイトと連携して複数のオウンドメディアを運営していて、年代別のお肌の悩み相談や、自社製品を理解してもらうコンテンツを豊富に展開しており、ユーザーとのロイヤリティ醸成のための施策が功を奏し、評価されたと思われる。
拡大するEC市場を前に、大手の企業やブランドの間でも熾烈な競争が続いている。その中でも顧客との関係性を構築し、ユーザー体験や集客でも手厚い施策をしている企業・ブランドが評価されていると言えそうだ。