『KARTE』プロダクト戦略発表。WEB接客ツールからCXプラットフォームへ
4月16日、株式会社プレイド(以下、プレイド)は『KARTE』の今後のプロダクト戦略とそれに伴った新機能群を発表した。
3周年を迎えた『KARTE』の進化
2015年にECサイト向けのWEB接客ツールとして誕生した『KARTE』。今やECに限らず、人材や不動産、金融系のサイトでも利用され、累計解析UU数は22億にものぼる。その『KARTE』が今、変化の時を迎えた。
倉橋氏はリリースからの3年間を振り返り「売上のなどの数字の前に、誰にどんな感情・体験を届けたいのか。今、マーケティングにおいて、それらが欠如してしまっている。」と指摘する。
というのも、これまでのマーケティングでは分析ツールを利用し、コンバージョン率やPV数など、定量的な数値で分析が行われることが多く、実際の顧客像というものが数字でしか表現されてこなかった。その結果、顧客のコンバージョンまでの意図や、コンバージョンしなかった意図と数値が結びつかなかったのだ。
「”企業目線”と”顧客目線”、そういうものは両立させていかなければならない時代だと思っています。これまではマーケターにプロダクト提供してきたが、人に紐付いた情報は企業内の様々なところで使えます。カスタマーサポートや経営層の意思決定にも。」(倉橋氏)
「”顧客目線”を企業内での共通言語化したい。」とも倉橋氏は語るように、『KARTE』に新たに追加された機能は顧客を知ることにフォーカスし、カスタマーサポート担当者や営業担当者、経営層が”顧客目線”でデータを見ることができるCX(顧客体験)プラットフォームへと進化しているのだ。
人軸の顧客体験を提供するというコンセプトを変えることなく、ユーザーの要望を反映してきた『KARTE』。今回発表された新機能は5つだ。
まず、実際に顧客が見ている画面を実際に見ることができるライブ、顧客の感情や様々な状態を可視化するスコア、全行動を時間軸で可視化するストーリーといった、顧客を一人ひとりとしてみる機能が3つ。
そして、数字的なデータを見ることができるボード、全体のデータを俯瞰してみることができるレポートだ。
一般的にマーケターだけでなくエンジニアの協力により工数を掛けて作られているレポートを、マーケターひとりで作れるようになり、他の事業部との共有もできることで、様々な視点から課題発見、課題解決ができるようになる。
「課題をレポートから見つけて、仮説を立てて実行するという、データと施策の間を行き来しながらPDCAを回しているのが、今一般的な企業がやっているものです。これも大事なアプローチですが、さらにプラスして人を起点にして活動していく。顧客目線の体験を作っていくというのが今回のアップデートでできるようになるかなと思います。
例えば、直帰率が高いとなった時に、何人かのデータを見て、こういった傾向があるんだなと。数字では見えない定性的な情報を取り入れていくことで、より人間らしい顧客体験をWEBサイトで実現できるんじゃないかなと思います。」(清水氏)
発表会の最中、倉橋氏は自戒を込めて、と前置きをした上で「サービス提供者という立場を離れた時に、誰もがサービスの消費者になる。常に提供者と消費者が表裏であることを忘れてはいけない。」と語っていた。確かに、BtoCのサービスであれば、大方、提供者と消費者の関係に落ち着く。しかし、なぜか忘れがちになってしまう消費者としての視点を『KARTE』はサービス提供者に伝えていくことになる。
また、プレイドは3月末にCXに特化したメディア「XD」を開始しており、企業と顧客の笑顔体験を増やす”CX(顧客体験)プラットフォーム”へ掛ける思いは並々ではないことが伺える。”WEB接客”の先駆けとも言える『KARTE』擁するプレイドが、築く新時代に引き続き注目していきたい。