EC関連企業もランクイン!『社員が支持するIT社長ランキング』【ヴォーカーズ調べ】

ECのミカタ編集部

就職・転職のための企業リサーチサイト『Vorkers』を運営する株式会社ヴォーカーズ(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:増井 慎二郎)は、「社員が支持するIT社長ランキング」を発表した。

今回のヴォーカーズ社の調査レポートでは、IT業界の経営者に焦点を当て、Vorkers の評価項目である「経営者への提言」の社員クチコミをディープラーニングによって解析し、経営者がどのくらい社員から支持をされているのかをスコア化しランキングを作成しているとのことだ。

<データの収集方法・会社評価レポートの回答条件>

・「Vorkers」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集
・社員として1 年以上在籍した企業の情報であること
・500文字以上の自由記述項目と8つの評価項目に回答
・月間残業時間(実数)、有休消化率(実数)についても収集
・集計期間は2007年7月~2018年6月

Vorkers へのレポート回答のうち「経営者への提言」の回答が10件以上ある「インターネット」「SIer、ソフト開発、システム運用」業界の企業より8社をピックアップしランキングを作成。

スタッフの生の声が反映された「IT社長ランキング」

スタッフの生の声が反映された「IT社長ランキング」

「この企業の経営者へ、この企業をより発展させるための提言をするならば、どのような事を伝えますか?」との質問への回答など各社の現役スタッフや元スタッフから経営者に関する生の声が集まっているようだ。

◆スタートトゥデイ(代表取締役社長 前澤友作氏)

「これからも企業理念に従って我が道を突っ走って欲しい。数少ない日本企業でも応援したい経営者である。(役職なし、男性、スタートトゥデイ)」

「たくさんの拠点を持ち雇用を生んで企業理念を達成していただきたい。(役職なし、男性、スタートトゥデイ)」

「現場は見なくてもいいので、ZOZOTOWN の認知度あげるためにいろいろとイベントを仕掛けていって欲しい。社長がかんがえていること、方向性のことについて話してほしい。(中略)技術的な面では、CT スキャン的なもので体のデータをとり、実際のサイズ感というもの体感、様々な商品の組合せが自分でできるような仕組みをリアル店舗での協力のもとやってほしい。(体のデータが実際にとれるのは、各店舗のみ、各店舗としては試着する必要がなくなり、コーディネートの提案等しやすくなると思うし、お客様からすると、試着の手間が省ける。また、そこで採れた体のデータでZOZOTOWN でも利用可能になるといった仕組み)(フルフィルメント部、男性、スタートトゥデイ)」※2012 年の社員クチコミ

◆ソフトバンクグループ(代表取締役会長兼社長 孫正義氏)

「社長のビジョン、戦略性、実行力は群を抜いていると思います。次世代のことを考え、会社としての意思決定力、エコシステムの構築のフェーズになっているように感じます。(マーケティング、男性、ソフトバンクグループ)」

「わかりやすいワンマン企業であるため、当然次世代が重要。今は孫さんの経営手腕に曇りがなければ発展するのは間違いない。(法人営業部、男性、ソフトバンクグループ)」

「孫社長は間違いなく、カリスマ的な経営者です。ですが、後任者育成が今後の課題なのではないかと思います。(国内通信事業、男性、ソフトバンクグループ)」

◆サイバーエージェント(代表取締役社長 藤田晋氏)

「突っ込む所は徹底的にリソースを注ぎ、無理なら引く。この潔さをこれからも継続し、サイバーの持ち味で成長の核であるチャレンジを常に仕掛けてください。会社の成長に伴いステークホルダーも増え様々な意見もあると思いますが、立ち止まったら終わりだと思います。(営業部、男性、サイバーエージェント)」

「若いノリでずっとやっていくのかもしれませんが、年を重ねていく人たちがずっと働ける環境を作るのも大事だと思います。優秀な人が長くいれるような仕組みと評価を作ってもらいたいです。(セールス、女性、サイバーエージェント)」

「21 世紀を代表する会社という理念にふさわしい、社会貢献できる会社を真摯に目指してほしいです。(係長、男性、サイバーエージェント)」

◆楽天(代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏)

「6人のスタートアップから10,000人以上規模の上場企業にまで成長させた社長には、心から敬意を表したい、学べることはぜひ学びたい。反面、このまま強い社長だけが独り歩きしてしまうと、必ずいつか後継問題が顕在化し、会社を存続させていくことが難しくなりかねない。社長以下のManagement にも、強いリーダーシップが必要。(開発部門管理職、男性、楽天)」

「三木谷さんがいるから、すぐにスピード対応できる。それが強みであり、最大の武器。今後もそのスピード感で成長してほしい。(EC コンサルタント、女性、楽天)」

「海外事業展開を是非成功させて欲しいです。未だにWebサービス事業害者で海外展開に目立った成功をしている企業は極めて少ないと思っており、楽天は持っている事業と資本を持って海外での成功のロールモデルになって欲しいと考えています。海外の市場状況の把握や、現地におけるロビー活動などが重要になるのではないかと思います。(開発部、男性、楽天)」

◆DeNA(代表取締役社長兼CEO 守安功氏)

「永久ベンチャーを標榜しつつ、やはり重たい組織になりつつあるので、大企業病に陥らないように常に軽く柔軟でスピード感のある組織であってほしいと思います。(EC 事業本部、男性、ディー・エヌ・エー)」

「もっと時間をかけて経営陣の思い、目指している姿を社員に伝えた方が、メンバーのモチベーション維持や創造力発揮につながるかと思います。また、会社の弱み・失敗を素直に受け入れて、強がりではなく課題に直視し改善にフォーカスしてほしい。なお、どうやってメンバーのやる気を引き出すか工夫する余地が多
い。(マーケティング本部、男性、ディー・エヌ・エー)」

「社員の活気を醸成するためにも、開き直って、再度やんちゃなチャレンジ(合法、倫理的だがやんちゃな)をどんどんしていきましょう。(部長、男性、ディー・エヌ・エー)」

◆フューチャー(代表取締役会長兼社長 金丸恭文氏)

「向上心が高く技術力の高い社員が集まっている点を活かして、R&D 部門に投資し、より革新的な技術・サービスを生み出す下地を整えてほしい。プロジェクト・マネジメント技法を会社として蓄積し、優秀な社員が良いシステムを作るのに集中する後押しをしてほしい。(コンサルタント、男性、フューチャー)」

「人材の定着化が課題だと思う。新卒は優秀な人材が多く入ってきているので、その人たちにどういうキャリアパスでどういう道があるかを示す必要がある。今はロールモデルとなる人が比較的少ないように感じる。人が中心となるビジネスなので、そこを強化してほしい。(コンサルタント、男性、フューチャー)」

「後継者の育成を本気で取り組まれることを強く願います。(コンサルタント、男性、フューチャー)」

◆ワークスアプリケーションズ(代表取締役最高経営責任者 牧野正幸氏)

「創業以来始めて外部から経営者を招きました。英断だと思います。プロ経営者のノウハウも活用し、一段上のレベルに成長できればと思います。(管理部門、男性、ワークスアプリケーションズ)」

「新卒ワークスは自分のビジネスパーソンとしての基礎であり、ぶち壊していける大きな力になりました。もっともっと社内の優秀な人材が会社を盛り上げてくれることに期待しています。(管理、女性、ワークスアプリケーションズ)」

「経営者の魅力がこの会社の魅力であることは否めない。月一回の全社会議はこれからも続けて欲しいし、今までのような熱くかつロジカルでポジティブ(楽天的ではない)な話を聞きたい。企業経営者が会社運営に携わっていることがベンチャーとおっしゃっているが、その言葉通り、個人的には身体を大事に長く携わっていただきたい。(コンサルタント、男性、ワークスアプリケーションズ)」

◆グリー(代表取締役会長兼社長 田中良和氏)

「GREE を作ったときのように初心にかえってサービスづくりをすればきっとまたヒット作がでると思う。そうはいっても、経営陣の新陳代謝が悪いので、勢いのあるメンバーを抜擢してアグレッシブな経営ができるように全体の組織を見直した方がよい。(広告営業、男性、グリー)」

「育てたビジネスアイデアは、キャッシュがあるうちにじっくり育て上げて、勇気をもって投資していくことも重要だと思います。(スタッフ、男性、グリー)」

「業界内では相対的にウェブ技術に強みがあったはずだが、それを発展させ、来たるべきウェブの再隆盛に備えるといった技術的な予測に基づく投資があってもいいと思われる。外国からの人材が活躍できるようにするべきである。(開発本部、男性、グリー)」

トップランカー企業はスタッフもポジティブ

トップランカー企業はスタッフもポジティブ画像はイメージ

このように、今回の調査では、EC関連企業をはじめとした日本を代表するIT企業がランクインする結果となった。ヴォーカーズ社によれば、支持スコアが高いほど、社員からの評価はフラットおよびポジティブなものとなっていると分析している。

また、当然と言えば当然であるが、創業者がカリスマであるほど「後継者問題」への懸念が見られ、その反面、勢いを止めないでほしいというクチコミも見られた。抽出された回答内容をみても、スタッフからの支持が厚い企業ほど、業績も好調で、かつスタッフが建設的かつ忌憚ない意見を述べられる社風であるとも推察できる。

とかく日本のIT企業は、世界に打って出られる特徴的な会社が少ないとも言われるが、それはEC業界にも当てはまるかも知れない。しかし、今回のランキングで上位にランクインした企業のトップの実績や特性、スタッフの声を分析することは至って有益だろう。そうした事を通して次世代のグローバルなEC市場を代表する日本発EC事業が構築されることを願ってやまない。


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