ベリトランスとニッセンが合弁会社を設立し後払い決済事業の展開を加速
株式会社デジタルガレージ(東証一部 4819、本社:東京都渋谷区、代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO:林 郁、以下:DG)の子会社で、決済事業を手がけるベリトランス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役執行役員社長:篠 寛、以下:ベリトランス)と、株式会社ニッセンホールディングス(本社:京都府京都市、代表取締役社長:脇田 珠樹)の子会社で、総合通信販売事業を展開する株式会社ニッセン(本社:京都府京都市、代表取締役社長:羽渕 淳、以下:ニッセン)は、後払い決済事業の推進を目的とする新会社「株式会社SCORE(スコア)」を設立する合弁契約を締結した。新会社の設立は2018年9月を予定しており、10月よりサービスの提供を開始する。
実績ある両社のシナジー
今回合弁会社の設立をする両社の概要はこうだ。ベリトランス社は、デジタルガレージグループで、オンライン決済事業を展開する決済プロバイダーだ。近年では、バーコード決済やPOS向け決済ソリューションの提供など、対面市場を対象とした決済事業も展開する。DGグループのイーコンテクストと共に、グループ全体で日本最大規模のオンライン決済プロバイダーとして、行政・クレジットカード業界への提言、政策や業界動向に応じたサービスのスピーディーな提供など、事業者・消費者に必要とされる安全安心な環境、ソリューションを拡充するとともに、社会インフラの担い手としてキャッシュレス社会の実現への寄与を目指している。
またニッセンは、婦人服を中心とした衣料品、インテリア雑貨などのカタログ通信販売・インターネット通信販売を展開。ニッセンの通販オンラインショップは、ファッション、インナー、インテリア、美容グッズなど、幅広い品揃えを豊富なサイズで取り揃えている。また、長年培った通販ノウハウ、インフラを活かし、企業様に対してプロモーションやテレマーケティング、物流支援などの通販ノウハウを活かしたビジネスサポート、BtoB事業を展開している。
「後払い決済」へのニーズの高まりに対応
合弁会社設立の背景については、次のように述べられている。後払い決済は、EC・通販等での注文商品到着後に支払いができるため、クレジットカードのセキュリティや商品授受のトラブルを懸念する消費者を取り込み、近年の国内EC市場の拡大を背景に今後も市場規模は増加していくものと予測している。
国内有数の総合通信販売企業であるニッセンは、通販事業を展開する中で、顧客からの要望の高い後払い決済を「@(後)払い」の名称にて自社でサービス構築し、自社通販事業での利用に加え、EC・通販事業者等への提供により顧客基盤を保有する。
一方、ベリトランス及びデジタルガレージグループでは、1990年代後半のEC黎明期より展開するオンライン決済事業において、様々な規模や業種の顧客を有するとともに、決済事業での豊富なノウハウや開発体制を構築。
そうした両社の強みを活かした後払い決済専業の合弁会社を設立することにより、後払い決済事業の展開を加速することにしたのだ。ベリトランス及びグループ会社の総合決済サービス拡充として後払い決済を標準提供し、既存顧客への拡販と共に新規顧客の開拓を進める方針だ。
キャッシュレス化はもはや国策だ
両社が述べているように、今後も「後払い決済」へのニーズは高まる見込みだ。特にEC市場をはじめとした決済のキャッシュレス化は、日本政府としても推し進めており、もはや国策とも言っていい状況だ。日本市場は現金主義が浸透しており、キャッシュレス化の部分では、EC先進国である中国などの後塵を拝しているとも言われるが、それにも大きな変化が訪れようとしているようだ。
今後両社は、従来のEC・通販事業者向けの後払い決済サービスに加え、日本政府が推進するキャッシュレス化を背景に拡大が見込まれる対面決済市場へのサービス展開も検討するとしている。また、両社が培ってきた決済ビジネスの知見や決済テクノロジー等を組み合わせ、新たな与信・スコアリング、購買促進等マーケティング要素を組み込んだフィンテックサービスの開発を目指す計画だ。