凸版印刷がデザインや雰囲気による画像検索を可能にする『パラリービジュアル検索サービス』の提供を開始
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下「凸版印刷」)は、商品画像の色や形状、タグの情報を組み合わせた独自の検索ロジックにより、対象の画像と似ている画像を検索できる「パラリービジュアル検索サービス」の提供を開始した。
ネットやPC・スマホに入っている画像からも検索可能
今回公表されたサービスでは、当該機能を取り込んだオンラインショッピングなどで、自分の端末に保存された画像や、WEB上にある画像を使って簡単に似ている商品を検索できるようになった。
凸版印刷では、運営するショッピングメディア「Paraly Channel (パラリーチャンネル)」において、既に本サービスを導入しており、約2万点の商品を画像から検索できるようになっている。
Paraly Channelとは、凸版印刷が2017年7月より運営する、通販企業各社のスマホ向けカタログ(ビジュアルカタログ)を集めたモールサイトだ。パラリーチャンネルでは、ファッション、アクセサリー、インテリアなどの商品を企業別で表示したり、凸版印刷が独自に作成したカテゴリー(チャンネル)別で企業を横断して表示して、商品訴求を行うことができる。
「パラリービジュアル検索サービス」概要
同社では、「パラリービジュアル検索サービス」の概要について、次のように述べている。従来、ECサイトなどで商品を検索する際は、テキストや音声入力によるキーワード検索が一般的だった。そのため、デザインテイストや全体の雰囲気など言葉として表現しづらいものは検索が難しかった。
「パラリービジュアル検索サービス」では、カメラで撮影した写真などを使って、登録されている検索対象の画像の中から似ている画像を簡単に検索することができる。
検索は色や形状だけでなく、画像に自動付与されるスカート、バッグなどのタグの情報を組み合わせた独自の検索ロジックにより、高精度の検索を実現でき、このサービスを企業向けにASPで販売する事になったのだ。企業は検索対象の画像データを登録することでサービスを開始する事ができる。凸版印刷では、当該サービスを拡販し、2019年度末迄に、100社の導入を目指す。
類似画像検索機能の仕組み
ユーザーが検索する画像と、予め登録された検索対象データとをマッチングさせることで検索結果を表示する。検索対象データの登録時とユーザーの画像検索時には、自動で画像の特徴量(色や形状等を数値化したもの)およびタグが付与される。
検索時は画像の特徴量から類似度の高い画像を選出し、更にタグが一致している画像のみを対象とすることで、高い類似画像検索精度を実現している。なお、色や形状での検索は、株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野達朗)の「画像検索ソリューション」を利用している。
<提供する機能(ASPで提供)>
◆画像から探す
カメラで撮影した写真や、お手持ちの画像から検索が可能です。検索結果からはECサイトの詳細ページへ誘導する。文字化が難しい検索シーンでも、イメージ検索ができるようになる。
◆SNSの投稿ページURLから検索
SNSで気になった写真は投稿ページのURLをコピーして貼り付けることで検索が可能。WEBサイト上に公開されている画像URLからも検索ができまる。
◆新しい商品レコメンド
ECサイトの商品詳細ページ内に、新たな商品レコメンドを追加することができる。従来の購入履歴や閲覧ログに紐付くレコメンドとは異なる、色や形状にフォーカスした新しい商品レコメンドが可能だ。
パラリービジュアル検索の利用料
◆1.初期費用
・初期設定費用:100,000円/式
◆2.ASPサービス月額費用
・基本利用料:50,000円/式
・画像登録点数:10円/点
・ユーザーによる検索回数:1円/回
※パラリーチャンネルにも掲載が可能な場合は、画像登録点数の単価は5円/点
EC市場の検索にも大きな変化をもたらすか
同社では、提供が開始された新画像検索サービスを通販企業、EC事業者を中心に販売をスタートし、今後はイメージ検索を必要とする業界に幅広く展開していく予定だ。今後拡大予定の業界としては、旅行業界(風景写真から似ている観光スポットを検索)、飲食業界(調理例写真から似ているメニューを検索)、住宅設備業界(施工例写真から似ている施工例を検索)などを例として挙げている。
もちろんこれ以外にも、ファッション分野などをはじめとしたEC市場全般にも広く応用が可能であるものとみられ、ユーザービリティも向上や買い物体験の向上に向けて、今後のさらなる技術の進展と、利用の広がりにも期待がかかるところだ。