出前注文数とメニューにみるシニア層のECの活用実態

ECのミカタ編集部

夢の街創造委員会株式会社(本社:東京都千代田区/代表:中村利江)の運営する出前・デリバリーに関する調査研究と情報発信をおこなう『出前総研』は、9月17日の敬老の日にちなみシニア層(60歳以上のユーザー)の出前利用実態調査を実施した。

調査は、2013年1月~2018年8月の間の、20歳以上の出前館会員の注文内容を対象としている。

シニア層でもアプリ派が急増中

出前館のPCを経由した注文数は約20%。それに対しシニア層のPC経由の注文数は50%と、PC経由の注文の半数がシニア層であることがわかった。
 
ただ2015年よりシニア層でもスマホやアプリをつかった注文が増え、2017年にはアプリの注文数が全体の24.7%と、スマホブラウザの19.9%を抜く結果に。

60歳以上の出前注文数の成長率は、2015~2016年は103%とほぼ横ばい。しかし2016年~2017年は113%という結果になっており、2016年にリリースされたアプリが簡単操作で注文できることがその数字を押し上げたと考えられる。
 
20代・30代ではスマホブラウザ経由の注文数のほうが依然として多いものの、2017年は利用率が低下傾向にあるため、2018年にはアプリの利用が上回ると予想されている。

慣れ親しんだメニューが定番

慣れ親しんだメニューが定番

どういった出前メニューを注文しているのか、という調査では、2018年1~8月の出前実績を調査。トップ3は「ピザ」「レストラン」「中華」という結果になった。20代・30代と比べて「カレー」ジャンルは少ない。
 
一方、1店舗あたりの注文数の多い店舗の上位5位まではすべて中華料理店、という興味深い結果もある。メニューの内訳をみると、例えば刀削麵を扱っている「錦秀飯店 刀削麵」では20代・30代が「本場激辛 マーラー刀削麵」「四川風麻婆豆腐」などの辛いメニューに集中しているのに対し、シニア層は「五目チャーハン」「黒酢酢豚」「自家製焼き餃子」などが人気。「中華料理 新京」の店舗ではワンコインで食べられるセットが上位に挙がっている。

本格四川料理から大衆料理まで幅広く注文できる中でも、ネットで注文するなら昔から食べ慣れた味が無難、という認識が強いように見受けられる。

手軽さと気軽さが伸びる秘密?

今回の調査では、手軽に注文できることからアプリによる注文数が伸び、慣れ親しんだ味だから気軽に注文できる中華料理が伸びている、という傾向にあることがわかった。
 
特に20代・30代に比べて流行にのりにくいシニア層だからこそ、その傾向と結果の原因がわかりやすくなっている。今後ECでマーケットを広げていくうえで、大きなヒントになりそうだ。

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