ヤフーが広告配信に関するガイドラインを改定し不正広告撲滅へ向けた姿勢を強める
ヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)は、アドフラウド(不正広告)の撲滅を目指し、健全なプラットフォーム構築に向けて広告配信に関わる各ガイドラインを改定し、10月25日より適用することを公表した。
広告配信先運営者に関するポリシー
ヤフーでは、実体不明なメディアを排除するため、運営者の条件を新設することにした。
【広告配信先運営者に関するポリシー】
広告配信先運営者は以下の条件をすべて満たす必要がある。
(1)メディアとしての知名度・実績があること
(2)広告配信先サイト内の情報に信頼性があること
広告実装に関するポリシー
誤クリック・誤タップによる収益を狙った不正を防止するため、実装方法の制限を追加する。
【広告実装に関するポリシー】
◆インタースティシャル広告(※1)
インタースティシャル広告を実装する場合は、以下を満たす必要がある。
1.ユーザーの行動を阻害しないタイミングで表示すること
2.広告のクリック、タップ以外で広告から離脱できる選択肢(「×」「閉じる」ボタン等)があること。
選択肢は広告に被らない箇所に縦44ピクセル、横44ピクセル以上でわかりやすく表示し、ユーザーの意図しないクリックを誘発しないこと
3.一画面に複数の広告を表示しないこと
4.広告が表示されている状態でコンテンツが利用できないこと
※1:Webサイトやアプリにポップアップとして表示される広告
広告トラフィックに関するポリシー
アドフラウドの事象を禁止事例として明文化する。 ※(6)が該当項目
【広告トラフィックに関するポリシー】
以下のような指標を意図的に操作する行為や、無効クリック、無効インプレッションを意図的、偶発的に発生させる行為を禁止する。
(1)広告配信先運営者によるクリックや表示の繰り返し
(2)広告ページ閲覧、購買、その他広告主の目的と異なる第三者からのクリック
(3)自動クリックを発生させるプログラム(ボット)や表示ツールの使用
(4)ボットネットによるクリック、インプレッション
(5)広告配信先へのトラフィックを集めるトラフィックエクスチェンジの利用
(6)他のサイトから広告配信先サイトを強制的に表示して発生させるトラフィック
(7)その他当社が不適切と判断したもの
さらなる広告の健全化へ期待
なお、Yahoo! JAPANでは、9月21日よりアドフラウド対策のため、広告配信の一部を一時的に停止し、安全性が確認されたサイトから順次広告配信を再開しているが、今回のガイドライン改定により、サイトの安全性の確認・広告配信の再開を促進させる方針だ。
インターネットの普及とほぼ時を同じくして、ネット上での広告の歴史は始まった。現在でもEC事業を行う上でのペイドメディアたる広告の利用は、プロモーションを行う上でも重要なチャネルとなっている。
一方で、不正な広告が絶えず散見されるのも実情であり、本来の健全なプロモーション活動にも影を落としてきた。今回、巨大プラットフォームであるヤフーは、自らそのガイドラインを改定し、厳格な運用に踏み切ったことになる。今後のECとプロモーションの未来を考える上で、その責務を果たしていることになり、さらなる広告の健全化への期待が高まるところだ。