企業の「顧客体験の向上」とデジタルコミュニケーションについての調査を実施【アドビシステムズ調べ】
アドビシステムズ株式会社(本社:東京都川区、代表取締役社長:ジェームズ マクリディ、以下「アドビ」)は、年間売上高200億円以上のBtoC(企業対消費者間取引)の日本企業を対象に企業におけるデジタル活用の現状と課題について調査した「Adobe Digital Survey 2018 デジタル変革実態調査」のレポートを公表した。
同レポートは2018年5月に郵送調査で実施した調査結果について戦略、投資、組織それぞれの観点から分析したものとなっている。その中から戦略と投資に関する主な調査結果をみていく。
調査概要
Adobe Digital Survey 2018 デジタル変革実態調査 調査概要
[調査目的]
日本企業がデジタルマーケティングを推進するために現状の実態や今後の予定取り組む際の留意点を明らかにする
[調査手法]
郵送調査
[調査対象]
年間売上高200億円以上の日本企業4400社の経営企画部門とマーケティング部門の責任者8800人
[有効回答数]
472件
[調査期間]
2018年5月~6月
[調査実施]
アドビ システムズ 株式会社が株式会社日経BPコンサルティングに委託して実施
デジタル化された顧客体験の向上は重要だが課題も
アドビでは、消費者の生活の中にデジタルが浸透したことで、企業と消費者のコミュニケーションにも、デジタル活用が欠かせなくなっていると指摘する。
そこで、顧客接点における企業のデジタル活用度を調査したところ、約9割の企業が顧客体験を向上する施策を展開したいと考えている一方で、具体的な施策に着手できている企業は約4割にとどまっていることが明らかになった。
顧客体験を向上させる重要性は感じているものの、実行まで踏み込めている企業が少ないという現状が浮き彫りとなった。
SNSなど複数のチャネルの効果的活用はできているか?
企業が消費者にデジタルでコミュニケーションする手段はwebサイトやメール、ソーシャルメディア、スマホアプリなど多岐にわたっている。昨年の同調査では企業がwebサイトやSNSなど複数のチャネルを効果的に活用し消費者との接点を増やすことで、ブランドに対する信頼度が高まることがわかっている。
今回の調査では調査対象者の6割以上がこれらのチャネルを統合的に管理する必要性を感じており、企業全体平均と比べてチャネルの統合管理を重視している企業では、複数のチャネルを通して顧客とのコミュニケーションを行っていることが明らかになった。
デジタルマーケティングに積極的な企業では、顧客体験の一貫性に対する重要性に関する理解が進んでいることから、コミュニケーションチャネルの統合管理が進んでいると考えられるとしている。
増加するIT投資におけるデジタル化分野の重要性
企業のIT予算におけるデジタル基盤への年間投資額について調べたところ、調査対象企業の約1割以上がデジタル基盤に1億円以上投資していることがわかった。
年間1000万円以上をデジタル基盤へ投資している企業は全体の約4割にも上り、平均額は3504万円となった。62.5%の企業が今後のデジタルマーケティング予算の増加を見込んでおり、デジタル投資の重要性が増していることがうかがえるとしている。
『Experience Makers』が求められている
調査結果にあるように、約9割の企業がデジタルでの顧客体験の向上を意識しているが半数以上が着手できていないことがわかった。また6割以上の企業がデジタルコミュニケーションチャネルの統合が必要と考えており、調査対象企業の約1割以上がデジタルマーケティング基盤に年間1億円以上投資していることが明らかとなっている。
今回の調査に際し、アドビシステムズ株式会社の代表取締役社長であるジェームズ・マクリディ氏は次のように述べている。
「デジタルを活用した顧客体験の向上が企業の重要な経営課題となる中、顧客体験に変革を起こし、ビジネスの成長を実現する『Experience Makers』が求められています。アドビは、高度なテクノロジーを搭載した製品群とコンサルティングサービス、人材育成支援によってExperience Makersの輩出を推進し、企業の優れた顧客体験の実現を支援してまいります」
EC事業を考える上でも顧客体験の向上は極めて重要だ。一方で、その分野でデジタル化が遅れていることも明らかとなった。これだけSNSやオウンドメディアなどが注目される状況にあって意外とも言える内容だが、逆に言えば、同分野にリソースを割きにくい各事業者の実情も伝わってくる結果ともなった。
アドビ社が指摘するように今後はさらにExperience Makersの重要性が増すとともに同社のそれへの支援への自信も垣間見える調査となったようだ。