伊勢丹などの百貨店商品がフードデリバリーに対応 小売業界の抱える課題解決につながるか

ECのミカタ編集部

シンガポール発祥、日本最大規模の買い物代行サービス「オネストビー」を展開するhonestbee株式会社(以下「オネストビー」、所在地:東京都江東区、代表取締役:ジョエル・シング・ジウェイ)は、「伊勢丹」や「DEAN&DELUCA」をはじめとするオネストビーの提携パートナー店舗の配送エリアを全国(沖縄・離島以外)に拡大する、新たなオンラインフードデリバリーサービス(※)でありeコマースプラットフォームとなる『ネーションワイド』を、2018年11月19日(月)より始動することを公表した。

(※)複数の外食・小売店のフードや食品雑貨を、アプリやWEB上で注文し届けてもらうサービス

週3時間の自由時間を生み出す

honestbee株式会社はシンガポールに本社を置き、アジアを中心に世界8カ国にサービスを展開している。日本においては最大規模の買物代行サービスを提供しており、スーパー、百貨店、専門店の買い物をWebやスマホアプリから行うことができる。

またフードデリバリーの注文もでき、スーパー、百貨店、専門店の各店舗周辺地域に、最短1時間から配達が可能だ。買物の負担や時間を軽減することによって、忙しい主婦やビジネスマンへ自由な時間を提供している。シンガポールではユーザーあたり週3時間の自由時間を生み出しているとの調査結果が出ているという。

「小商圏」を一気に商圏3,000km化

「小商圏」を一気に商圏3,000km化

オネストビー社は、経産省「平成29年小売業販売を振り返る」を引用し、平成29年の百貨店・スーパーの販売額は19兆6,025億円で、前年の平成28年と比較すると0.0%となり横ばいの状態であるとし(※1)、高齢化や利便性重視の買い物需要の高まりを受け、小売店舗の”小商圏化”が益々顕著になってきていることも伸び悩みの要因の一つとなっていると分析する。

同社は、スーパー・百貨店・専門店など、小売店の商品を周辺地域の消費者に届ける、買い物代行サービスを展開している。ビジネスパートナーである小売店が抱える”小商圏化”の課題解決に貢献すべく、“小売店の商圏3,000km化”をコンセプトとした新たなeコマースプラットフォーム「ネーションワイド」を始動。今回の取り組みは、オンラインフードデリバリーサービス業界として初めてのことであり、日本での展開は、世界8カ国16都市で展開するオネストビーとしても史上初の試みとなる。

(※1)経済産業省 平成30年4月「平成29年小売業販売を振り返る」より

地方の消費者にも訴求

「ネーションワイド」の導入により、現在のオネストビーの主なサービス提供エリアである首都圏以外の消費者のサービスの利用機会の創出を狙う。また、小売店は、商圏が限定的になる実店舗での購買や、ネットショッピングなどの通販機能を持っていないといった課題を抱えているとも指摘する。オネストビーがショッピングにあたりハブメディアとなることで、北海道から鹿児島(約3,000km)と日本国内のユーザーの購買機会を作ることで、パートナーである小売店の商圏拡大に貢献する方針だ。

一方、消費者においては、地方にいながら、高感度な消費者が集まる大手百貨店「伊勢丹」や、OLに大人気NY発の食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」など、限定されたエリアにしかない店舗の商品が購入可能になる。また、ギフトのカジュアル化の伸長も起因し、2017年の国内食品のギフト市場規模は4兆1,000億円を記録している(※2)。

こうした背景を受け、「ネーションワイド」導入により、遠く離れて住む両親、友人へ食品のギフトを贈ってあげたい、食品雑貨を一人暮らしの子どもに贈ってあげたい、といったギフト需要にも応えていく計画だ。

(※2)矢野経済研究所 平成30年3月「食品ギフト市場に関する調査を実施(2017年)」より

【ネーションワイド概要】
導入開始 :2018年11月19日(月)
導入店舗 :伊勢丹、DEAN & DELUCA、丸山珈琲、ヴィノス、アコメヤ、日進、山本海苔
対象商品 :生鮮食品を除く、食品雑貨
配送エリア:沖縄・離島を除く、全国

また「ネーションワイド」スタートを記念し、20%OFFキャンペーンも実施される。2018年11月19日(月)~2019年1月31日(木)の期間中、 オネストビーで5,000円以上の購入者を対象に、会計金額の最大20%が割引される(期間中は何度でもキャンペ―ンを利用できる)。

・対象者:オネストビーで5,000円以上の購入者
・対象地域:沖縄・離島を除く全国
・適用方法:注文の際に、リワードコード「NATWID1000」を入力することで、キャンペーン価格が反映される。

百貨店業界は、とかくEC化が遅れていると各方面から指摘されてきた。また生鮮や食品もこれまで一般的にECが必ずしも得意としてこなかった分野だ。今回、オネストビーは、これらの課題を自らのアドバンテージに変え、日本全国の消費者に百貨店の商品を届ける新サービスとなる「ネーションワイド」を始動させた。

この事によって、特に地方の消費者の利便性が高められるだけでなく、ECの力で試練に立たされる同業界に新たな風を吹き込み、百貨店という業態そのものに新たな付加価値を与えることにも期待かがかるところだ。

 


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