「東急電鉄」と「honestbee」が業務提携。地域密着で広がるシェアリングエコノミーの輪

ECのミカタ編集部

 ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」を運営する東京急行電鉄株式会社は、東急線沿線を中心とする新たなシェアリングエコノミー型事業モデルの確立に向けて、アジア最大級地域密着型のオンライン買物代行コンシェルジュサービスを展開するシンガポール発のベンチャー企業「honestbee 株式会社」との包括業務提携契約を2017年9月1日付で締結すると発表した。

 「東急ベル」は、東急線沿線を対象として2012年6月にスタートしたホーム・コンビニエンスサービスで、専門スタッフがユーザーの自宅へ伺い、ネットスーパーやハウスクリーニング、家事代行など「家ナカ」を便利で快適にするサービスを提供している。

 一方、「honestbee」は、買い物代行コンシェルジュサービスとして、ユーザーのWebやアプリ上からの注文をスタッフが買物代行し、注文から最短1時間以内にご自宅やオフィスまで届けるサービスだ。

 この提携によって、東急線沿線におけるシェアリングエコノミー型の配送モデル確立に向け「honestbee」のサービスの浸透・拡大施策を展開するほか、東急ベル配送サービスの一部委託を検討しているという。

 急拡大する宅配便の人手不足が深刻化する昨今、専業ではなく一般のユーザーに登録者を募り、コンシェルジュスタッフを育成することで、人手不足の解消に繋げたい狙いがある。また、2時間という短時間から働けるシステムは、育児や介護など時間制限のある方にとっても隙間時間を利用した働き方を可能にし、地域社会に新たな雇用機会を創出する。

 さらに今後、ECの台頭などによる商店街の衰退に対しても、東急ベルが商店街や路面店などを両社のサービス加盟店として開拓を図ることで、地域のものを地域の人が購入し、運ぶ、といった「地域の循環」を作り出し、地域経済を活性化させていくとしている。

シェアリングエコノミーの浸透と、これから求められてくること

 この提携に先立ち、オペレーション面での課題検証を目的とした実証実験を、東急グループの東急ストアの協力の下、プレッセ中目黒店にて2017年7月20日から行っている。

 実験では実際にオネストビーのサイト内で注文された東急ストアの品を、オネストビースタッフが配送していますが、現時点では従来と同レベルのサービスをご提供できているという。また、サイトは英語表記で利用できることもあり、富裕層の外国人利用者が多いため、店舗商圏外での新規顧客獲得にも繋がっている。

 地域コミュニティとシェアリングエコノミーは非常に相性が良く、こうした新しい形の買い物代行サービスは普及して生きそうだ。過疎地域などは形態を変える必要があると思われるが、こうしたサービスを待ち望んでいる人は多いだろう。便利であるだけでなく社会問題にまで切り込めるような仕組みづくりが今求められているのかもしれない。

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