リアルでの出店を簡素化する実験店舗『adpt』がオープン
ポップアップストアのマーケットプレイス「 SHOPCOUNTER(読み:ショップカウンター)」を運営する株式会社COUNTERWORKS(東京都目黒区、代表取締役CEO:三瓶 直樹)は、”店舗運営のSaaS化”を実現するプラットフォーム「adpt(読み:アダプト)」の実証実験を開始することを公表した。
メーカーのマーケティング活動を支援
実証実験では、メーカーの店舗出店・運営負荷の軽減に加えて、これまでメーカーが POS(販売時点情報管理)データでは得られなかった、来店数や製品体験数、接客時の定性情報などの来店者データをメーカーに提供し、オフラインにおけるメーカーのマーケティング活動支援に取り組むという。
その第一弾として、2019年2月14日(木)より期間限定で、東京・表参道に、IoT 製品・生活家電・ガジェットを取り扱う実店舗「adpt」をオープンする。すでに複数メーカー・ブランドの参画が決まっており、出店メーカー・ブランドの公募もあわせて実施する。
RaaS(Retail as a Service)へのニーズの高まり
実証実験開始の背景には次のような要素があるようだ。インターネットの普及により、物販における EC(電子商取引)の拡大傾向は続いている。また、メーカーが製造だけでなく、消費者への流通・販売までも手がける D2C(Direct To Consumer)モデルが普及し始めている。
さらに D2C モデルを採用するメーカーにおいては、オンラインでの販売のみにとどまらず、ポップアップストアなどオフラインの場を活用して、製品のマーケティングリサーチ、常設店舗出店前のエリアマーケティング、ファンとのコミュニティ形成を図るなど、顧客理解・ブランド形成を目的としたオフラインの場の重要性が増しているという。
しかしながら、メーカーがオフラインの場としての実店舗へ出店・販売するにあたっては、店舗の選定や出店交渉、運営などのプロセスが非常に煩雑で、実施できるメーカーは限定されていた。その上、売上の背景にある来店者のデータ取得も難しく、オフラインチャネルの分析やマーケティングおよび製品の改善を、メーカー主導で実施することは限られたメーカーしか実施できない状況だった。
その流れの中で、実店舗の出店・運営負荷を軽減し、オフラインでもデータドリブンに顧客理解・ブランド形成を計測・改善を促すRaaS(Retail as a Service)へのニーズが高まってきており、それへ対応するために今回の実証実験の開始に至ったのだ。
実験店舗(第一弾)の概要
IoT 製品・生活家電・ガジェットは、オンラインでの販売も伸びているものの、実際に体験しないと顧客が製品の価値を実感しづらく、いまだ約7割が実店舗で販売されている状況だ*。
一方、商品単価も高く、購入までのハードルが高い製品となっているため、実験店舗では来店者データを提供していくことで、これまでわからなかった多くの非購買者の行動・ご意見をフィードバックし、マーケティング・製品改善を支援する活動を実験的に行う。
* 平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)- 経済産業省
【店舗名】
IoT 製品・生活家電・ガジェットを中心とした期間限定ライフスタイルショップ『adpt』
【開催予定期間】
2019年2月14日(木)~3月11日(月)
【住所】
東京都港区南青山3-13-23 パテオーグセントビル 1F
実店舗出店プロセスを大きく簡略化
実証実験では、COUNTERWORKS が、販売員、什器、在庫・売上管理・決済システムなどを提供し店舗を運営するため、実店舗出店プロセスを大きく簡略化しつつ、来店者のデータを提供することで、より多くのメーカーがオフラインでより良いマーケティング活動、顧客体験を提供できるプラットフォームの構築を行なっていくという。
オムニチャネルというワードに代表されるように、オフラインとオンラインを結ぶ試みは、顧客に豊かな買い物体験を通して信頼関係を醸成する上ではうってつけの施策だ。しかし同社も指摘する通り、路面店などへの出店は、さまざまなハードルのために、一部の事業体しか実施できないという実情もあった。
今回の実証実験を通して、マーケティングに活用できる各種のデータも収集できることになり、D2Cをはじめとした各EC事業者にとっては、まさに朗報と言うことができるだろう。今後、実験を通した本格的な運用開始にも期待がかかるところだ。