存在感を増すAmazonプライム、急成長のTVer。有料・無料動画のニーズは

ECのミカタ編集部

株式会社フィールドワークス(本社:東京都渋谷区/代表:木田義之)と映像メディア総合研究所合同会社(代表:四方田浩一)は、全国5000人規模のネットアンケート調査を実施し、テレビ放送、映画館、DVD・ブルーレイ、有料・無料の動画配信など、すべての映像視聴メディア・サービスのユーザー利用実態を調査・分析した。

好きなときに好きなところで見られる無料動画が拡張

映像メディアの利用率では、無料テレビ放送、映画館、DVD・ブルーレイレンタルなどは前年より利用率を下げた。

YouTubeなどの無料動画が前年から3ポイント、定額型見放題のSVODが2ポイント割合を伸ばす結果に。

SVODの利用率は14.3%と、有料テレビ放送の16.2%に迫る勢いだ。

無料動画の中でも特に伸びが大きかったのはTVerで、TV番組の見逃し配信の需要は高いようだ。

「好きなときに好きなところで」見たいという、近年のライフスタイルの変化が如実に現れている。

無料動画のポイントを伸ばす一因となっているのは、10代の利用率が他の世代と著しく高いTikTokで、全体ではLINE LIVEを超える利用割合となっている。

有料動画配信全体の利用割合は17.7%となり、DVD・BDの購入と並ぶ。

一方で、DVD・BDレンタルの利用率が大幅に減っているのに対し、同じく映画などの新作を扱うTVODの伸びは緩慢。

レンタル・TVODを合わせた新作の需要は明らかに低減しており、テレビ放送にかかわらずテレビそのものからユーザーが離れつつある背景が伺える。

1000万人が利用!有料配信はAmazonプライムが優勢

動画配信の有料利用者のうち、48.2%がAmazonプライムを利用しており、有料の動画配信の利用率ではトップだ。

純粋に調査対象全体における割合で見ると7.8%となるが、Amazonプライム会員の特典として「無料の意識」で利用している人も含めると12.8%、人口推計で1000万人を超える。

他のサービスも着実に利用者を増やしてはいるものの、Amazonとの利用率の差は年々広がっており、有料と認識させない、Amazonの戦略勝ちといったところだ。

キーワードは「いつでもどこでも」「見放題」

前述の通り、「いつでもどこでも」見ることのできる無料動画は、個人の時間を大切にしたい現代のライフスタイルに即しているからこそ伸びている。

TVerが良い例だ。ユーザーはテレビのコンテンツから離れているのではなく、自由に見られるコンテンツを求めている。

定額型見放題のSVODが伸びているのも、Amazonプライムと同様に「無料の意識」が強いことが予測される。

定額で一定数のコンテンツを見れば、結果的にDVD・BDよりお得に見ることができる、という認識が根底にあるからだろう。

今後、そうしたユーザーのニーズに合わせたサービスが伸びていくことは間違いない。

 


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