Amazon『Prime Now』にライフが出店 食品スーパーの参画は国内初
Amazon(所在地:東京都目黒区)と株式会社ライフコーポレーション(東京本社:台東区、以下ライフ)は、Amazonが運営するAmazonプライム会員向けサービス「Prime Now(プライムナウ)」におけるライフの出店が決定したことを公表した。
なおPrime Nowにおけるライフの商品販売は、東京都内の一部地域において今年中に開始する予定となっている。
注文から最短2時間で生鮮品が届く
Prime Nowは、Amazonの売れ筋商品から、惣菜、冷凍・冷蔵食品、飲料、お酒、日用品、コスメ・美容用品、ベビー用品、ペット用品まで、注文から最短2時間で届けるサービスだ。
日本においては2015年11月にサービスを開始し、品揃えと配送対象エリアを順次拡大するとともに、2017年4月より、百貨店やドラッグストアなどの出店企業による商品販売を開始している。
ライフが国内初
食品スーパーがPrime Nowの出店企業として参画するのはライフが国内初となる。ライフは単独の食品スーパーとして売上高1位の規模を持つ企業であり、大都市圏を中心に計273店舗(2019年5月30日現在)を運営しており、近年はネットスーパー事業の強化を図っていた。
ライフの出店により、対象地域のプライム会員は、ライフで取り扱っている生鮮食品をPrime Nowを通じてオンラインで買い求めることができるようになり、注文から最短2時間での受け取りが可能となる。
新たな顧客層を掘り起こす
今回の公表に際し、両社のキーパーソンからは次のようなコメントが出されている。
アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー・チャン氏
「ライフがPrime Nowに出店してくださることにより、ライフで取り扱っている生鮮食品を最短2時間でお客様にお届けできるようになることを大変嬉しく思います。この取り組みを通じて、生鮮食品をオンラインでお買い求めいただく機会をより多くのお客様にご提供したいと考えております。Amazonはお客様にとっての利便性をさらに高めていけるよう、引き続き努めてまいります」
ライフの代表取締役社長執行役員の岩崎 高治氏
「Prime Nowへの出店により、これまでライフをご利用いただけなかった方々にも商品をお届けでき、ライフの魅力を感じていただける新たな機会にもなります。しっかりとお客様にご満足いただける商品を提供していけるよう、一層の努力をしてまいります」
かつてはECと生鮮食料品の相性はさほど良くなかった。新鮮な商品を短時間で個配するのには、裏付けとなる物流システムや鮮度の保持の面など、さまざまなハードルがあるからだ。
しかし近年においては日本国内でも流通各社がネットスーパーを展開し、EC先進国の中国においては同国内のECプラットフォーマー各社がネットとリアルをつなぐ形で生鮮品の販売網を張り巡らしている。
今回、ライフコーポレーション社がAmazonと提携し、Prime Nowのスキーム上で生鮮食品の販売を展開したことは、ネットスーパーにAmazonプライムとしての付加価値が融合することを意味し、大きなアドバンテージとなり得るだろう。今後、EC市場における生鮮品をめぐる競争はさらに激しくなりそうだ。