Amazonが『置き配』を本格導入 順次対応エリアを拡大へ
Amazonは、より注文商品を受け取りやすくする配送オプションとして、「置き配指定サービス」のエリアを拡大することを公表した。
「玄関・宅配ボックス・メーターボックス」などから選択
Amazonでの購入者は、置き配指定サービスを選択することで、急な用事や仕事で不在の場合や、在宅中で手が離せない場合でも、自宅の指定場所へ商品を配送し、サインなしで受け取りが可能となる。
同社ではこれまでのような不在配達票の確認や再配達の時間設定など、利用者の負担も軽減されるとしている。また置き配指定サービスも、これまでの補償と同様にユーザーから状況を聞き、商品の再送・返品や交換にも対応するそうだ。
配送場所は「玄関」「宅配ボックス」「ガスメーターボックス」などから選択できる。配達完了時、専用アプリで撮影した配送場所は、配達完了通知メールや配送状況確認画面で確認できる(ユーザーの希望により撮影を行わない設定にも変更えきる)。また天候などの状況により置き配指定場所への配送が難しい場合は、ユーザーに連絡のうえ、都合や要望を把握する柔軟な対応を行うという。
置き配指定サービスは、デリバリープロバイダーを中心とした配送パートナーによって商品がお届けされるエリア内で、商品のご注文時に配送オプションとして置き配が表示されたユーザーに限り利用することができる。
またAmazonでは、2019年3月より国土交通省および経済産業省が開催する「置き配検討会」に参加ておりし、自社だけでなくユーザーに商品を配送する「ラストワンマイル」に関わる物流業界全体が、新しい配送のあり方を検討・推進できるよう協力して行くともしている。
置き配指定サービス概要
◆【サービス名】
置き配指定サービス
◆【実施エリア】
[東京都]
江東区、渋谷区、新宿区、世田谷区、中野区、板橋区、北区、目黒区、杉並区、台東区、豊島区、大田区、品川区、練馬区、武蔵野市、三鷹市、西東京市
[神奈川県]
横浜市磯子区・栄区・青葉区・港南区、川崎市、綾瀬市、海老名市、三浦市、横須賀市、高座郡寒川町
[埼玉県]
春日部市、越谷市
[愛知県]
名古屋市昭和区・瑞穂区・中区・中村区・熱田区
[静岡県]
浜松市西区・中区・東区・浜北区・北区
[大阪府]
茨木市、高槻市、摂津市
[福岡県]
福岡市中央区・博多区
※上記に加え大都市圏を中心に「置き配指定サービス」を順次拡大する。
※実施エリア内でも一部サービスを利用できない地域がある。
◆【サービス内容】
利用物の自宅の指定場所へ注文商品を届け、玄関先での対応やサインなしで商品を受け取り可能。
◆【置き配場所】
「玄関」「宅配ボックス」「ガスメーターボックス」「自転車のかご」「車庫」「建物内受付/管理人」のいずれかを選択。
※配送パートナーが指定の配達場所に入れない、配達場所を特定・使用できない、または配達場所が安全でない場合など、置き配指定サービスを利用できない場合もある。
◆【置き配場所指定の4つの設定方法】
[1]
注文確定画面で「置き配指定」をクリックし、置き配場所を選択
[2]
置き配指定サービス対象商品の発送後に届くお知らせメール、またはプッシュ通知から配送状況確認画面に移動し、「置き配指定」をクリックし、置き配場所を選択
[3]
置き配指定サービス対象商品の発送後、配送状況確認画面にて「置き配指定」をクリックし、置き配場所を選択
·
[4]
置き配指定サービス対象商品の発送後、注文履歴画面にて「置き配指定」をクリックし、置き配場所を選択
「置き配」ははたして浸透するのか
今回の施策開始に際してアマゾンジャパン合同会社社長ジェフ・ハヤシダ氏は次のようにコメントしている。
「Amazonは、お客様のために常にイノベーションを追求することで、様々な配送サービスを提供してまいりました。そして、積極的に新しい配送サービスの選択肢をつくり続けています。Amazonは、常にお客様の声に耳を傾けており、置き配指定サービスについても、お客様からの沢山のご意見をもとに実現してまいりました。これからも、より多くのお客様に置き配指定サービスをご利用いただけるように、引き続き実施エリアを拡大いたします」
同社も述べているようにECにおける物流のラストワンマイルたる宅配の現場は、増加する物流量の前にひっ迫した状況が続いている。特に不在時の再配達の発生頻度の多さは、その窮状に拍車をかけてきた。
その解決策のひとつが「置き配」である。不在でも文字通り荷物を置いていくことで原則として追加の設備投資などをしなくても再配達の発生を抑制することが可能だ。
一方で宅配ボックスへの配送ならまだしも、特に玄関先などに荷物を置くことは、盗難や紛失、物損などが発生する可能性があり、リスクもはらんでいる。こうした点にユーザーとしてもどこまで許容していくのか、今後も「置き配」そのものについて社会的な理解、コンセンサスの深化が必要な状況ともいえそうだ。