レコメンドエンジンとは? ECサイトのCVRを向上させる仕組みを解説

ECのミカタ編集部

ECサイトのCVRや回遊率などを向上する一つの方法として、レコメンドエンジンがあります。レコメンドエンジンとは、「あなたにおすすめの商品はこちら」のように、消費者の行動履歴や属性履歴に基づいておすすめの商品を表示する仕組みです。ここでは、レコメンドエンジンについて基礎的な解説や導入のメリット・デメリット、レコメンドエンジンの6サービスを紹介します。

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レコメンドエンジンとは?

インターネットでショッピングをしていると、「この商品を買った人はこちらもチェックしています」のようなおすすめ情報を目にすることが多くなりました。このような機能は、「レコメンドエンジン」と呼ばれる技術によって支えられています。「レコメンド(recommend)」とは「すすめる・推薦する」という意味の言葉であり、ユーザーの行動履歴などに基づいて推薦すべき商品を選び出すのがレコメンドエンジンの役割です。また、おすすめの情報を表示することや、おすすめ情報そのもののことを「レコメンデーション」と呼びます。

レコメンドエンジンはECサイトのように商品を取り扱うサイトで利用されるのが代表的ですが、そのほかのサイトでも幅広く利用されているものです。例えば、ニュースサイトでは読者が興味をもちそうな関連ニュースを表示するのに使われます。動画サイトで、次に視聴するのにおすすめの動画が表示されるのもレコメンドエンジンによるものです。このように、レコメンデーションを役立てているサイトには、ユーザーに提供できるアイテムが多いという共通の特徴があります。レコメンドエンジンによって、たくさんあるアイテムの中からユーザーにおすすめできるものを素早くピックアップしているのです。

レコメンドエンジンの基本的な仕組み

レコメンドエンジンが動作する仕組みには、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。実際にはどれか1つのタイプだけが使われるとは限らず、組み合わせることでより的確なレコメンデーションを行えるようになっています。

◆ルールベース型

ルールベース型は、商品ごとにあわせてチェックしてほしい別の商品を決定するためのルールを事前に決めておく方法です。例えば、机を買ったユーザーに椅子もすすめたり、電池が別売りのおもちゃを買ったユーザーに電池もすすめたりということが考えられます。また、一緒に購入するものばかりではなく、よく比較検討したうえで購入してもらえるように類似商品の情報を提供することもできます。どのようなレコメンデーションを行うかをサイト運営者が事前に指定できるのが、ルールベース型のレコメンドエンジンの特徴です。


◆パーソナライズド型

ルールベース型のレコメンドエンジンでは、誰にでも同じレコメンデーションが表示されます。しかし、本当におすすめすべき商品は、ユーザーの好みによっても変わってくるでしょう。そこで、ユーザーが閲覧した商品ページや、これまでに購入したことのある商品情報などに基づいて、レコメンデーションの内容を決定するのに用いられるのがパーソナライズド型です。例えば、映画のDVDを閲覧したユーザーに同作の続編に関する情報を提供したり、ミネラルウォーターのような消耗品を購入したユーザーには、なくなる頃に同じ商品をすすめたりといったことができます。


◆協調フィルタリング型

協調フィルタリング型はパーソナライズド型をもう一歩進めた仕組みで、レコメンドエンジンのなかでは最もよく利用されているものです。パーソナライズド型が特定のユーザーの行動データのみを用いるのに対し、協調フィルタリング型では複数ユーザーの行動データを活用します。例えば、ある書籍を購入したユーザーに対して、同じ書籍を購入したほかのユーザーが興味を示すことの多い別の書籍をすすめる、というようなことです。同じ商品を購入するユーザーは好みが似ていることが多いため、すすめられた商品にも興味を示してもらえることが多いのです。

レコメンドエンジンを導入するメリットとデメリット

ECサイトなどにレコメンデーションを表示することは多くのメリットをもたらしますが、場合によってはデメリットが生じることもあります。レコメンドエンジンを実際に導入するかどうかは、メリットとデメリットの両面から具体的に考えて検討するのがよいでしょう。


◆メリット

レコメンドエンジンの導入による最大のメリットは、売り上げの向上です。売り上げは、顧客数と購入頻度、そして購買単価によって決まります。一般的にECサイトでは取り扱い商品が多くなるほどユーザーが欲しいものを探し出すことは難しくなりますが、レコメンドエンジンを利用すればスムーズにおすすめ商品を表示できるようになります。その結果、コンバージョンレート(CVR)が向上し、購入頻度も高くなるでしょう。

また、レコメンデーションは関連商品との「あわせ買い」を促すことができるため、一般的に購買単価も高くなります(クロスセル)。比較検討の対象になる商品をうまく提示すれば、予定していたよりもグレードの高い商品を選ぶユーザーを増やすことも可能です(アップセル)。

ユーザーとの関係性の向上も、レコメンドエンジンのメリットです。レコメンデーションは、実店舗で買い物をするときにスタッフからおすすめの商品を教えてもらうのに似ています。しかし、スタッフから一方的に商品をすすめられるだけではなく、自分の好みにあった商品を紹介してもらえるという点は異なります。

購入履歴などに基づいて魅力的なレコメンデーションを提供できれば、ユーザーは楽しみながら商品を選べるようになるでしょう。ユーザーに商品選びを楽しんでもらうことは、行動データの蓄積にもつながります。データが増えるほどレコメンデーションは的確になるため、さらなるユーザー体験の向上と、リピーターの増加も期待できます。


◆デメリット

レコメンドエンジンは、どのようなサイトでも効果的に機能するわけではありません。商品の種類が豊富な場合に利便性をもたらすのがレコメンデーションだからです。取り扱い商品が少ないECサイトなどでは、商品を探しやすくするために適しているのが本当にレコメンドエンジンなのかどうか、事前に検討すべきでしょう。

また、レコメンドエンジンには、データが少ないとレコメンデーションの質を保ちにくいという性質があることに注意が必要です。そのため、導入した当初は的確なレコメンデーションが行えず、ユーザーの行動データが蓄積されるのを待たなければならない場合もあります。

レコメンドエンジンの2つの利用形態

レコメンドエンジンを導入する際には、「ASP型」と「オープンソース型」の2つの利用形態があります。レコメンドエンジン自体を開発するなどの選択肢も考えられなくはないですが、実績のあるものを導入するほうが現実的でしょう。

◆ASP型

レコメンドエンジンをサービスとして提供するのがASP型です。初期費用や月額料金などのコストはかかりますが、自社サーバーを用意しなくても導入できるのが特徴です。ほとんどのレコメンドエンジンはこの形態で提供されており、提供元の企業によるサポートやコンサルテーションなどの付加サービスを受けることもできます。

◆オープンソース型

オープンソース型は、自社サーバーを用意してレコメンドエンジンそのものを管理・運用していく形態です。レコメンドエンジンそのものにはコストがかからず、独自機能の追加などのカスタマイズも自由に行うことができます。しかし、日本製のレコメンドエンジンは少ないため海外のものを利用しなければならず、技術面についてもハードルが高い方法です。

レコメンドエンジンの代表的な機能

ここでは、レコメンドエンジンに搭載されていることの多い、代表的な機能について紹介します。

◆レコメンド機能

ECサイトなどにレコメンデーションを表示する、レコメンドエンジンとしての最も基本となる機能です。近年では、人工知能(AI)による機械学習などを用いた高度なものが主流になっています。

◆レポート機能

レコメンデーションに関する運用レポートを収集・閲覧できる機能です。実際にどのようなレコメンデーションが表示されたかや、ユーザーがどのレコメンデーションをクリックしたかといった情報を知ることができます。レコメンデーションの質を継続的に高めていきたい場合に、具体的な改善アクションを決めるための判断材料として重要なデータになります。

◆メール配信機能

レコメンデーションをメールで配信できる機能です。ECサイトなどでは購入時にメールアドレスなどのユーザー情報を登録してもらうことが通常ですから、メール配信機能があれば、しばらくの間サイトを訪れていない顧客にもおすすめ情報を届けることができます。個人の好みにあわせたおすすめ商品などの情報を配信すれば、すべての顧客に同じ内容のメールマガジンを届けるよりも高い確率でリピートを促すことができるでしょう。

レコメンドエンジンを導入する際に気をつけるべきポイント

実際にレコメンドエンジンを導入するときには、つまずきがちな共通のポイントがあります。導入で失敗するリスクを減らすためには、以下の点について事前に検討しておくとよいでしょう。

◆達成したいことを明確にする

自社サービスにレコメンデーションの機能を追加することによって、どのようなことを解決したいのかや、何を改善したいのかを明らかにしておくことが重要です。その際、具体的な数値目標(KPI)として設定しておくと、達成できたかどうかをあとで判定しやすくなります。可能であれば、レコメンドエンジンのレポート機能で収集できる情報から、どのように効果測定を行うつもりかも計画しておくとよいでしょう。


◆ショッピングカートとの互換性を確認する

レコメンドエンジンを導入予定のサイトにショッピングカートが導入されている場合は、互換性に注意が必要です。ショッピングカートの種類によっては、レコメンドエンジンとの併用が困難だったり、不可能だったりする場合があります。特に、ASP型のショッピングカートを利用している場合には、提供元企業に確認をとっておくとよいでしょう。


◆自社で行うべき作業を把握する

ASP型のレコメンドエンジンであれば自社で行うべきことは必要最小限になりますが、それでもECサイトの運営者側が行わなければならない作業はあります。例えば、既存サイトへのHTMLタグの埋め込みや、レコメンドエンジンに与えるデータの準備などです。スムーズに運用開始するには、具体的にどのような作業が必要になるかを事前に確認し、スケジュールなどを決めておくとよいでしょう。


◆既存ツールとの連携方法を確認する

利用中の既存ツールとレコメンドエンジンを連携させたい部分があれば、その方法について事前に確認しておくことが必要です。例えば、レコメンドエンジンのレポートデータをマーケティングツールに読み込ませて活用することなどが考えられます。そのほかにも、商品管理やユーザーサポートなどで利用しているツールがあれば、どのような連携をしたいか検討しておくとよいでしょう。

レコメンドエンジン6社比較!

レコメンドエンジンの仕組みや種類、導入のメリット・デメリットなどについてお伝えしてきました。ここからは、レコメンドエンジンを提供している代表的サービスをご紹介します。


NaviPlusレコメンド

「NaviPlusレコメンド」はナビプラス株式会社が提供しているレコメンドエンジンASP。レコメンドやランキングなど多彩なコンテンツを自動表示でき、ユーザーの購買意欲を刺激することができるのが特徴だ。コンテンツは、ユーザーのサイト内での行動履歴やアイテム情報を収集・分析して生成されており、生成されたコンテンツはECサイトやコンテンツサイト、情報サイトなどの各ページに反映し、サイトの活性化、収益向上を実現できる。導入実績は「大丸松坂屋オンラインショップ」や「LUSH」などをはじめとする450サイト以上。

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deqwas.RECO

「deqwas.RECO」は、サイジニア株式会社が提供する「複雑ネットワーク理論」と「リアルタイムレコメンド」を実現した唯一のHybrid型パーソナライズエンジン。ユーザーの行動履歴を分析し、嗜好の近い別のユーザーの購入商品と結びつける複雑ネットワーク理論を用いているため、売筋商品ばかりではなく、すべての商品を幅広く紹介することで、レコメンドによって創出される売上を最大化できるのが特徴だ。あるアパレルECサイトでは、導入から2年間でレコメンド経由のCV売上が3.8倍になる実績が出ている。

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ECレコメンダー

「ECレコメンダー」はエクスプロージョン株式会社が提供しているレコメンドエンジン。利用シーンに合わせた複数のレコメンドロジックを用いることで、様々なシーンで利用できるのが特徴だ。また、ベーシックコースは月額1万円から利用でき、中小規模のECサイトであっても導入しやすい低価格設定も魅力の一つといえる。ECレコメンダーを導入したPC・周辺機器を取り扱うECサイトでは、購入効果率が7.38倍、PV上昇率が16.06%となる成果が上がっている。

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コンビーズレコ

「コンビーズレコ」は株式会社コンビーズが提供するハイブリッド型レコメンドエンジン。ウェブレコメンドやランキング、レコメンドメールをはじめとする様々なレコメンドツールを備えており、EC事業者の作業時間を最小限に抑え、よりクリエイティブな作業に充てられるようになっているのが特長だ。また、EC-CUBEやカラーミーショップ、ショップサーブなど様々なECプラットフォームと連携しているため導入しやすいのもうれしい。「コンビーズレコ」を導入した企業では受注件数が1.25倍、クリック率が3.2倍になるなど導入前に比べて高い効果が現れている。

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救部隊レコメンド

「救部隊レコメンド」はボクブロック株式会社が提供するEC-CUBE専門のレコメンドエンジン。レコメンドだけでなく、閲覧履歴や新着アイテム、ピックアップなど6つの機能を備え、それらを組み合わせて売上アップに貢献できるのが特長。また、約1,000社の導入実績を誇るレコメンドエンジンをベースとしており、改善を繰り返している機能は安心して利用できる。

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アイジェント・レコメンダー

「アイジェント・レコメンダー」はシルバーエッグ・テクノロジー株式会社が提供するリアルタイムレコメンドサービスです。最先端テクノロジーとリアルタイム相関生成で、どこよりも質の高いレコメンドを実現。 ユーザーの「今、その時の」関心をすぐにレコメンドに反映することが出来ることが大きな特徴になっており、新着当日から、レコメンド枠に新着商品を表示することが出来ます。

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レコメンドエンジンは既存サイトに最適なものを

レコメンドエンジンの導入は、売り上げを伸ばすだけでなく、ユーザー体験の向上やサービス改善にもつながります。その効果を最大限に得るためには、導入までに必要な作業を確認し、達成したい企業目標に対して具体的な計画を立てることが大切です。既存システムとの互換性や連携方法なども意識して、最適なレコメンドエンジンを導入しましょう。


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