ユナイテッドアローズ公式ECサイトが再オープン 約2ヶ月半の停止後に一部機能以外は利用可能に

ECのミカタ編集部

デザイナーズブランドとオリジナル企画の紳士服・婦人服および雑貨等の商品をミックスし販売するセレクトショップを展開するユナイテッドアローズはECサイトを2019年11月27日付けで再開した。

2019年9月よりECサイトのサービス停止

国内外から調達した各種のアパレルと雑貨などを販売するセレクトショップを展開しているユナイテッドアローズは、2019年11月27日付けでサービスを停止していたECサイトを再開した。

同ECサイトについては本年9月12日よりサービスを停止しており、実に2ヶ月半ぶりの再開となった。同社はZOZO関連会社に公式サイトの運営を任せていたが、ユナイテッドアローズ自社でのECサイト「ユナイテッドアローズオンラインストア」の運営を決断して新規で開発を行っていたが、開発が間に合わずにサービスの停止を余儀なくされていた。

一部機能は未提供

一部機能は未提供

ユナイテッドアローズによるアナウンスによれば、公式アプリについては従来通りに利用できるとしている。一方で再開されたECサイトだが、依然としていくつかの機能についてはサービスの再開には至っていない。未提供の機能は次の通りだ。

◆「お店で試着」
◆「お直しサービス」

同社は、ZOZOタウンや楽天市場での売り上げシェアが伸びる一方で、自社EC化比率は低い状態にあった。大手ECモールでのチャネルを維持しつつ自社EC化とそれと連携したオムニチャネル施策を推進する方針であったが、自社ECサイトの公開直前で足踏みし、その状態が長期に渡る事態ともなった。

一筋縄ではいかない「自社ECサイト構築」

EC事業を展開する上で大手ECプラットフォームやクラウド活用のECサイト構築システムなどを利用するケースは多いだろう。そうしたスキーム上でビジネスを展開する中ではあまり意識しないことではあろうが、自社で0からECサイトを構築するのは、それら既存のプラットフォームを使うこととは雲泥の差がある。

一般的に自社ECサイトを構築するには、データセンターなどインフラを確保し、運用や各ブランドの特性、販売戦略などを要件定義したうえで、決済システムなどとも連携しなくてはならない。こうした一大プロジェクトをスムーズに成功させるには、自社内の体制を整備したうえで、実際に開発を行うインテグレーターなどとの良好なコミュニケーションも必須となってくる。

もちろん今回のECサイト停止劇は、ビッグネームであるユナイテッドアローズにとって小さくない痛手ともなったことだろう。こうした産みの苦しみを経た上で、同社が自社サイトで新たな成果を得ることができるか、また目論見どおりの施策実現となるかどうか、これからが見物ともなりそうだ。


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