小嶋陽菜はなぜアイドルからECショップオーナーになったのか〜BASE OWNERS DAY2019〜
ECというビジネスは、老若男女問わずに自分自身が店のオーナーになることができ、比較的参入もしやすいという印象があるのではないか。
その先駆者でもあり、中心に立っているBASE。今月で創業7年目を迎える。最近では上場も果たし、さらなる成長を見据えている。
そんなBASEが12月5日に渋谷で開催した「BASE OWNERS DAY2019」。1日のうちで10ものセミナーを開催した。記事ではオープニングセッションの内容をお届けする。
オープニングセッションを飾ったのはBASE CEOの鶴岡裕太氏と元AKB48のメンバーとして活躍されていた小嶋陽菜さん。
今、小嶋陽菜さんはHer lip toというアパレルブランドのオーナーとしても活動している。
2018年にBASEのサービスを活用して立ち上げた彼女のブランドは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しており、度々メディアで取り上げられている。
セッションでは小嶋陽菜さんがどのような考えのもと自社ECを運営しているのかが話された。
小嶋陽菜の頭の中
多くの人が知っている通り、小嶋陽菜さんはAKB48で長年アイドルの第一線で活躍してきた。AKB48卒業後に次何をやろうか考えたことが、全てをリセットして新しいことを始めたいということだったという。
最初はアプリを開発して〜などと考えていたというが試行錯誤の結果、自分の好きなモノや世界観を伝えられる自分自身がプロデュースするHer lip toを立ち上げたのだという。
そのブランドでは、どのようなシチュエーションで、どのような服を着れば、周りからどのような印象を抱かれるか、を小嶋陽菜さんが培ってきた経験を元にアドバイスされている。実際に商品説明欄には実際にアイテムを着用した時のイメージが浮かぶような言葉遣いが印象的だ。
まさに彼女にしかできない形でのブランド展開を行っている。
そんな小嶋陽菜さんがブランド運営において大事にしているもの、それは「自分自身が楽しくいられること」だという。
基本的にHer lip toは小嶋陽菜さん自身が着たいと思う服を開発・販売するのが大きなコンセプト。
つまりツイッターのDMや顧客の声はしっかり聞くものの、全員の声を反映した商品を販売することは彼女自身でブランドを運営する意味を希薄化させてしまうのだ。
彼女にしか表現できなかいことや、彼女の想いをしっかり届けているからこそ、共感してもらえる人達がコミュニティ化している。これこそHer lip toの強みなのだろう。
多くの人に買ってもらうのではなく、ターゲットと世界観の絞り込みには注意を払い、そして自分自身が納得するものを作ることは意識して展開しているからこそ、想定しているターゲットにしっかり訴求できているのだ。
具体的な施策としてはカラーの説明だ。
Her lip toでは「フローラルホワイト」といったように小嶋陽菜さんが作り出した造語の色もあるという。最初の頃は全てホワイトなど普通に伝えていたが、世界観を伝えることを意識した時にカラー説明にもこだわりを持つようになったのだという。
インフルエンサーでありオーナーである強み
そんな小嶋陽菜さんのことを鶴岡氏は細部へのこだわりを評した。とても些細なクリエイティブでも手を抜くことはしない。フィードやコラージュ、SNSの写真などにとても気をつかうという。
アイドルとしての活動のおかげで知名度も人気も抜群な小嶋陽菜さんだが、ビジネスとして顧客目線に立った時の姿勢に甘えはないことがわかる。多くの人が参考にできるクリエイティブであることは言うまでもない。
つまりインフルエンサーとしても、オーナーとしても能力を発揮しているからこそHer lip toはここまでの成功を収めている。インフルエンサーだけ、オーナーだけではここまで多角的な展開は難しかったかもしれない。
Her lip toを支えているスタッフ、旗振り役でもある小嶋陽菜さんもあることながら、ここまでこだわりを持つ人達を満足させる機能を持つBASEもさすがと感じた。オプション機能はあるものの、上手く活用することに注力するのを目標にしてみてもいいのかもしれない。
機能が多いことに、最適がわからないといった悩みもあるかもしれない。しかし本気で向き合うことで様々な可能性があることは間違いないのではないだろうか。
小嶋陽菜さんのようなブランドを目指すのは難しいとしても、まだまだ向き合えていない機能や活用方法はたくさんある。BASEにも小規模オーナーを今後も全面的に支援していってほしい。