商品写真の撮り方を解説!スマホと一眼レフで撮影方法はどう違う?

ECのミカタ マーケティング部

商品写真の撮り方を解説!スマホと一眼レフで撮影方法はどう違う?

ネット上で商品を探す際、ユーザーは商品名や関連キーワードで検索し、表示された検索結果の中から特定の商品ページを選択します。この一連の流れにおいて自社の商品ページがクリックされるかどうかはECサイト運用において重要なポイントといえるでしょう。

では、商品を選ぶユーザーは一体、何を基準に選択しているのでしょうか。

ブラウザ上の検索結果には商品名や販売価格などの情報が表示されており、その中でも最も大きな影響力を持つのが商品写真といわれています。
サムネイルは商品の顔であり、ユーザーにとってはテキスト情報よりも直感的にインプットできる重要な情報だからです。

そこで本記事では、商品画像の撮影方法やポイントを解説します。スマホと一眼レフでの撮り方をそれぞれ紹介するので、これから出品を考えている方や、商品写真の撮り直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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商品写真の撮り方の基本

上述のとおり、ECサイトにおける売上アップには商品写真が重要です。商品写真を自分で撮影する場合は以下の基本を押さえ、魅力的なサムネイルを作成しましょう。

  • 競合サイトの商品写真をリサーチする
  • 撮影のイメージを考える
  • 撮影に必要な機材や小物をそろえる
  • 撮影環境を整える
  • カメラまたはスマホの撮影設定を工夫する
  • 撮影

特に押さえておきたいポイントが、機材や撮影環境を整えること。撮影方法によっては商品の全容が判然としなかったり、商品が汚れて見えてしまったりといったリスクもあるため、機材や撮影環境にも気を配ることは最低限必要なことといえます。

予算やリソースに応じて、商品撮影を外部委託することも検討してもよいでしょう。

競合サイトの商品写真をリサーチする

商品を撮影する前に、競合サイトのリサーチをすることが重要です。

改めていうまでもなく、ユーザーは欲しい商品をネットで検索し、表示された結果の中から選択します。競合サイトではなく自社のECサイトを選んでもらうためには、魅力的な商品写真で目を引くことが大切です。

そこで、競合サイトの商品写真をチェックし、どのような構図で撮影しているか、特徴的な要素が何かないかなどを分析しましょう。競合サイトの良い点を参考にして、撮影のイメージを固めていきます。

撮影のイメージを考える

商品の良さを引き立たせるには、撮影イメージが重要です。競合サイトの商品写真を分析して見つけた良いポイントを取り入れながら、考えていきましょう。

具体的には、下記の点を考慮しながらイメージを固めます。

  • 撮影角度
  • ライティング
  • 構図とフレーミング

また商品ジャンルごとの重視すべきポイントもあります。例えば商品が食品であれば、いかに美味しさや新鮮さを伝えるかが重要になりますので、食欲を刺激するようなみずみずしさ(シズル感)をいかに表現するかがポイントになります。アパレルであれば、商品の質感や色合いが分かりやすい写真のほか、着用イメージも掲載するべきです。

ジャンル別のポイントは、以下の記事の「【ジャンル別】ECサイトの商品撮影の方法」で解説しています。商品をより魅力的に見せるために、ジャンルごとのポイントも必ず押さえるようにしましょう。

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撮影に必要な機材や小物をそろえる

小物の中には、100円ショップや通販サイトなどで手頃な価格で入手できるものもあります。

特に、商品の手前や後ろにおいてぼかすような小物は、安価なもので問題ありません。

一方で商品と隣接する小物はピントが合って鮮明に写るため、商品を引き立てるようなクオリティーのものを用意するとよいでしょう。

具体的に、撮影に必要な機材は下記のとおりです。

  • カメラ
  • 撮影ボックス
  • ライティング機材
  • レフ板
  • 三脚

詳細は、以下のページの「ECサイトの商品撮影に必要なもの」の章で紹介しているので、併せて確認しましょう。

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撮影環境を整える

撮影機材や小物が準備できたら、撮影環境を整えましょう。ここではカメラと基本的な小物だけでできる基本的なセッティング方法を紹介します。

1.撮影するエリアを作る

撮影エリアを準備しましょう。テーブルを窓のある壁にぴったり付けて、室内の照明を消します。これにより光源が自然光一つだけになるので、柔らかい光でかつ影が交差せずに撮影できます。

2.背景をセッティングする

商品を真上から撮影する場合は、商品の下に白い紙や布を敷きます。一方、正面から撮影する場合は、壁とテーブルの間に背景を挟み込んで固定します。背景は商品のイメージに合う写真をプリントしたものでもよいですし、100均などで物撮り用の背景ボードを買ってきてもよいでしょう。

商品を撮影する際には、商品を背景に近づけすぎず、写真全体の中に余白をしっかりと取ることも重要です。また背景のシワやヨレもクオリティーに影響するので、背景はしっかりと固定しましょう。

3.三脚とカメラをセッティングする

商品が歪んで写らないように、カメラを正しくセットすることが大切です。水平に設置されているか、左右や上下に傾いていないかなどを確認しましょう。

手持ちで撮影する場合、一眼レフカメラならほとんどの商品に水準器が搭載されていますし、スマホでもグリッド(画面に表示されるマス目状の線)を表示させて水平を確認できます。これらの機能をぜひ活用しましょう。

カメラまたはスマホの撮影設定を工夫する

次に、カメラまたはスマホの撮影設定に移ります。撮影環境が整っていても、カメラの設定が適切でないと効果的な商品写真を撮影するのは難しくなります。

詳しい設定方法は本記事の後半「【専用カメラの場合】商品写真の撮り方」と「【スマートフォンの場合】商品写真の撮り方」で解説していますので、1つずつ確認しながら設定を進めましょう。

撮影

いよいよ撮影です。

当初に決めた撮りたいイメージを思い浮かべながら、撮影を進めましょう。これを軽んじると、最終的には撮り直しになったり、商品写真の目的である「売れる写真を撮る」ことができず、本末転倒になったりしてしまう可能性があります。

時間に余裕を持って、妥協せずに取り組むことが重要です。

また、カメラやスマホのモニターでは違和感を見落としてしまうこともありますので、撮影した写真はパソコンに取り込んだり転送したりすることで、大きな画面でも細かくチェックしましょう。

商品写真の撮影には専用のカメラが必要?スマホでOK?

商品写真の撮影のために、デジタルカメラを購入するべきか迷う方がいるかもしれません。専用のカメラが必要か否かは、撮影したい商品写真のイメージによって異なります。それぞれのケースについて紹介するので、購入の判断に迷っている方は参考にしてください。

商品写真を専用のカメラで撮影すべきケース

高級感や洗練された雰囲気など、その商品の品質の高さを重視したい場合は、デジタルカメラが最適です。デジタルカメラはより高画質で鮮明な表現が可能であり、ぼかしを活かした奥行きがある表現を得意とします。

また高画質かつ素早いシャッタースピードで一瞬を切り取れるデジタルカメラは、モデルに着用させたアパレル商品の写真に躍動感を出したい場合や、食品の魅力を引き立たせたシズル感を大切にしたい場合などでも活躍します。

商品写真をスマホで撮影すべきケース

画素数の高いカメラを搭載したスマホであれば、デジタルカメラと大差ない写真が撮影できます。特に白背景のシンプルな物撮りであれば、一眼レフカメラが得意とするぼかしも不要なので、スマホで十分でしょう。

ハンドメイドのアクセサリー撮影も、スマホでも問題なく撮影可能です。

ただしスマホ自体の機能がデジタルカメラに劣る場合が多いため、自然光が入る明るい部屋でなければ良い商品写真が撮影できないなど、非常に撮影環境に左右されやすくなります。

【専用カメラの場合】商品写真の撮り方

専用カメラで撮影する場合のポイントを解説します。

カメラの種類とその特徴

デジタルカメラは大きく分けて、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラがあります。

コンパクトデジタルカメラ

レンズ交換ができないカメラです。一眼レフに比べて安価で、そのうえコンパクトかつ軽量なので、持ち運びしやすいです。

デジタル一眼レフカメラ

撮影に応じてレンズを交換できるカメラです。ある程度暗いところでも十分被写体を写せたり、瞬時にカメラ本体が被写体を判別するオートフォーカス機能が搭載されていたりするなど、高性能・多機能である点が特徴です。内部にはミラー(反射鏡)があることも相まって、サイズが大きく重量感もあるのが特徴です。

ミラーレス一眼カメラ

カメラ本体の内部にミラーがない一眼レフカメラを指します。ミラーがないので、そのぶんカメラ本体が通常の一眼レフカメラよりもコンパクトで、女性でも握りやすく安定しやすいです。もちろん、性能や機能についてはデジタル一眼レフ同様に高水準です。

商品写真に求めるクオリティーをより高めたいのであれば、デジタル一眼レフまたはミラーレス一眼を用意するとよいでしょう。どちらもレンズが変えられるので、撮影により力を入れたい時や撮影商品が変わった時にも柔軟に対応可能です。

商品撮影におすすめのレンズ

一眼レフに取り付けるレンズには、さまざまな種類があります。基本的な物撮りをする際は標準ズームレンズ、単焦点レンズ(100mm前後)、マクロレンズの3本があるとよいでしょう。マクロレンズは商品をアップにして撮る場合や、ジュエリーなどの小さなものを撮るときに便利です。

カメラの設定

撮影時のカメラの設定を紹介します。撮影する商品やジャンルによりますが、基本的には下記を押さえておけば問題ありません。

  • ISO感度を400〜800に設定
  • マニュアルで撮影(オートの場合は露出補正は+に変更)
  • 三脚を使用してスローシャッターで撮る
  • セルフタイマーを使ってブレを防ぐ
  • ホワイトバランスはオートか太陽光に設定
  • F値は11〜16に設定

おすすめのカメラ一覧

おすすめの一眼レフカメラを紹介します。家電量販店などで実際に手に取って、サイズや重量を確認して購入するとよいでしょう。

Nikon Z50

高い描写力と多彩な表現力を小型・軽量ボディーに凝縮したミラーレス一眼カメラです。Wi-FiとBluetoothに対応しており、撮影しながらPCやスマホにデータを飛ばせるのが便利です。

Cannon EOS R8

クリエイティブな画像表現を実現する性能と、優れた機動性を両立したミラーレス一眼レフカメラです。軽量であることはもちろん、初心者でも扱いやすい直感的な操作性も特徴です。

FUJIFILM X-H2

高解像4020万画素新センサーを搭載したX-H2は圧倒的な高画質を提供してくれます。ジュエリーなど小さな商品も、美しく撮影できるでしょう。

画像リンクの例 画像リンク

【スマホの場合】商品写真の撮り方

スマホで撮影する際のポイントを解説します。

望ましいスマホのカメラ性能

最新のスマホであれば画素数などのカメラ性能に大差はありません。スマホの種類よりも、スマホの設定が重要になります。以下で設定方法を解説しているので、参考にしてください。

スマホの設定

スマホで商品写真を撮影するときは、下記の設定をするとよいでしょう。ただしスマホは、デジタルカメラ(特に一眼レフカメラ)ほど多様な機能はありません。撮影しながら自然光の入り方を調整するなど、撮影環境を微調整していくことも必要です。

  • フラッシュはOFFにする
  • グリッド表示をONにする
  • セルフタイマーを使って手ブレを防ぐ
  • 色調フィルターはOFFにする
  • 三脚を使って固定し、画角を調整する
  • HDRをOFFにする

おすすめのスマホ一覧

最新機種であれば撮影に支障はありませんが、商品撮影の観点からスマホを選ぶとすると、下記の機種がおすすめです。

  • Apple iPhone 15 Pro
  • Google Pixel 7 Pro
  • SONY Xperia 1Ⅴ
  • Samsung Galaxy S23 Ultra

商品をきれいに撮影するコツ・テクニック

カメラと撮影環境を整えるほかに、商品をさらにきれいに見せる撮影テクニックがあります。上級者向けの内容ですが、ぜひチャレンジしてみてください。

構図を工夫する

商品撮影の主な構図は、日の丸構図、三分割構図、対角線構図の3つです。構図によってユーザーに与える商品イメージが変わります。

日の丸構図

商品を中央に配置して写す構図です。プレーンな印象になり、全体像を見せたいときに適しています。

三分割構図

画面を縦横それぞれ3分割し、交差した点の上に商品を配置する構図です。余白や空間が感じられ、雰囲気のある写真になります。

対角線構図

商品を画面の対角線上に配置して撮影する構図です。奥行きを出す効果があり、関連する商品を1枚の写真で伝えるのに適しています。

自然光の強弱と質感の調整

撮影時の光が強い場合は、トレーシングペーパーを商品と光の間に置き、光の強弱を調整します。レースのカーテンでも代用可能です。

また、光が強すぎると、光が当たっていない部分が暗く沈んでしまいます。リフレクター(レフ板)を使用すれば、光の反射をコントロールして影部分を埋めることができます。これにより、全体の明るさのバランスを整えることができます。

光の調整にはソフトボックスなどの撮影アクセサリーがあると便利です。準備が難しい場合は、自作の撮影ボックスでも代用可能です。

商品を最大限きれいに見せられる光の加減を研究しましょう。

商品をより際立たせる背景を選ぶ

商品と一緒に映す背景は、商品画像のイメージを左右する重要な要素です。背景の素材一つとっても、紙、木目、布、アクリル板、鏡など選択肢はさまざまあります。例えばアクリル板を使えば硬く冷たい印象になり、布を使えばシワを活かして高級感を演出できます。場合によっては、背景を自作したり、アプリで加工したりしてもよいでしょう。

商品のターゲット層に合ったイメージを引き立たせる背景を選ぶと、よりきれいで洗練された商品写真が撮影できます。背景は慎重に検討しましょう。

ネットショップでは商品写真が売れ行きを左右する

ネットショップにおいて、商品写真はクリック率(CTR)を左右し、最終的には売上に大きな影響を与える要素です。しかし、撮影と一言でいっても、競合商品の調査から構成、準備、撮影とさまざまな工程があります。

どの工程も商品撮影には欠かせない要素であり、どれかが欠けると商品写真の質にマイナスの影響を与えかねません。また、ネットショップ運営には撮影以外にもやるべきことがたくさんあるため、効率性の観点からも、商品撮影をプロに委託するのも一つの方法です。

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