日本郵便が「郵便・物流事業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を発出

ECのミカタ編集部

日本郵便株式会社は「郵便・物流事業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を発出した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

新型コロナ対応5つの柱

ガイドラインは「意思決定体制の構築・情報収集・共有体制の構築・社員別対応事項(管理者、一般社員等)・作業別対応事項・その他啓発等」の5つの柱から構成されており、新型コロナウイルスによる感染拡大による深刻な影響が物流の現場にも押し寄せる中、同社の総合的な対応方針と執るべき施策が示されている。

ガイドラインの概要

◆意思決定体制の構築

(1) 新型コロナウイルス感染症発生時の業務の継続方法、職場での感染対策の実行等については、基本的に「新型インフルエンザに係る業務継続計画(BCP)」に基づいて決定する。

(2) BCP に定めがない事項については、危機管理統括部署が中心となり、業務・営業の実施部署、人事、広報、経企等、関係部署が連携して対応を検討することとし、必要に応じて危機管理委員会、経営会議等に報告する。

◆情報収集・共有体制の構築

(1) 新型コロナウイルス感染症について正確な情報を収集するため、テレビ又はインターネットを通じて情報の収集に努めるとともに、政府(内閣府、厚生労働省、外務省、経済産業省等)又は各業界団体が発信する情報についても、幅広く情報収集を行う。

(2) 感染防止策については、専門的な知識を必要とすることがあるため、産業医、保健師、逓信病院の医師等から助言を受け、施策に反映する。

◆社員別対応事項(管理者、一般社員等)

【総務関係管理者】
(1) 出勤前の検温状況を確認、異常がある場合は医療機関の受診を指示する。(管理者自身も実施)

(2) 国内及び所在する都道府県の感染状況の把握・周知を行う。

(3) マスクの着用等、感染防止に有効な対応を指示する。

(4) 感染防止の取組みについて、局内掲示により注意喚起を行う。

(5) 作業場の換気状況を確認する。

【郵便、集配関係管理者】
(1) 出勤前の検温状況を確認、異常がある場合は医療機関の受診を指示する。
(管理者自身も実施)

(2) 出勤後に体調不良となった場合は、医療機関の受診を指示する。

(3) マスクの着用等、感染防止に有効な対応を指示する。

(4) 業務の事情又は地域の特性を勘案し、勤務指定変更(時差出勤)等により出勤人数を分散させる。

【一般社員等】
(1) 出勤時
ア 出社前に検温、体調不良の有無等、健康状態を確認。体調不良の場合は速やかに管理者に報告する。
イ 事務室に入る前には、手洗いを徹底する。
ウ 朝礼及び郵便体操時のソーシャルディスタンス(可能な限り。以下同じ。)を確保する。

(2) 業務中
ア 体調が悪化した際は、速やかに管理者に連絡し指示を受ける。
イ 可能な限り、こまめに手洗いを行う。
ウ お客さま又は社員の前で、せき又はくしゃみが出るときは、口と鼻をマスク、ハンカチ・ティッシュで覆うなどしぶきを飛ばさないせきエチケットを徹底する。
エ 可能な限りマスクを着用する。

(3) 出発前(点呼時等)
ア 社員同士のソーシャルディスタンスを確保する。
イ アルコールチェックは、チェッカーを机等に置くなどして実施する。

(4) 休憩・休息。
ア 社員同士のソーシャルディスタンスを確保する。
イ 食事中の会話は可能な限り控え、食事の前後には手洗いを実施する。

◆作業別対応事項

主な感染経路である接触感染・飛沫感染について、リスクに応じた対策を
講じる。

(1) 引受作業
ア 窓口ではアクリル板・透明ビニールカーテン等でお客さまとの間を遮蔽する。
イ 順番を待つお客さま間のソーシャルディスタンスの確保及び導線を明示する。
ウ カルトンを利用して現金等の受け渡しを行う。
エ お客さまが使用する荷造り台は、椅子の間引き等により間隔を開けるとともに、向かい合わせとなる場合は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する。
オ 室内を定期的に換気する(換気窓及び出入口の開放)。

(2) 大口窓口、引受検査及び取りそろえ作業
レイアウト変更による社員同士のソーシャルディスタンスの確保及び向かい合わせでの作業を回避する。

(3) 区分作業
ア レイアウト変更による社員同士のソーシャルディスタンスの確保及び向かい合わせでの作業を避ける。
イ 時差出勤実施による、作業時における社員同士のソーシャルディスタンスを確保する。
ウ 室内を定期的に換気する。

(4) 配達作業
ア 対面配達時、速やかな配達を実施する。
イ 非対面配達を実施する。

【対象外】:代金引換、料金・運賃又は手数料の支払いを要する郵便物等、税付郵便物、本人限定受取、現金書留、配達証明、特別送達

(5) 特殊室
社員在室時で、郵便物等の保護監視ができる場合に限り、換気を目的として、小窓や扉を開放する。

(6) 持戻郵便物等保管場所
作業スペースの確保及び通気をよくするため、保管棚と壁面の間のスペースを確保する。

(7) 社員が直に触れる物品等の消毒
市販されている消毒液等を用いて消毒を行う。

消毒実施を想定する場所は次のとおり。
[想定場所]
EVスイッチ、ドアノブ、小窓
携帯端末、集配カバン
車両(ドア、ハンドル、ギア等)
区分機、押印機等のスイッチ
業務用冷蔵庫の取っ手
窓口・カウンター及び備品

◆その他

(1) 感染防止策の啓発等
ア 社員に対して、感染防止対策の重要性を周知し、手洗い、うがいの励行、せきエチケットの実施等、日常生活を含む行動に留意するよう対策の徹底を促す。
イ 社員が正しい知識を習得し、感染防止策を確実に実施するために、指示文書、通知文書、情報文書等を用いて必要な指示又は情報の提供を行う。
ウ 公共交通機関又は公共施設を利用する社員には、マスクの着用、せきエチケットの励行、車内等密閉空間での会話を控えること等を周知する。

(2) 職場で社員の感染が判明した際の対応
保健所からの連絡を受け、新型コロナウイルスの感染者が判明した場合は、速やかに所定の部署に報告を行うとともに、濃厚接触者の特定、職場の消毒等について保健所から指導を受ける

長期戦を見据えた対応

このガイドラインを発信した背景として、同社では次のように述べている。

「新型コロナウイルス感染症について、その終息までの期間が長期にわたることを考えると、一層感染防止のための取組を進め、まん延を防止していく役割に加え、事業を通じた国民生活への貢献拡大という役割が求められる。このため、政府の『新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針』(令和2年5月4日改訂)、新型コロナウイルス感染症専門家会議の分析・提言等を踏まえ、緊急事態宣言解除以降の郵便・物流事業におけるお客さま、社員等の感染予防対策として、業務を継続するための望ましい取扱い、作業場の注意点を次のとおりとし、各職場において可能な限り順次対応を行うこととする」

周知の通り新型コロナウイルスによる感染拡大の影響はECのラストワンマイルを支える物流の現場にも押し寄せている。ウイルスとの戦いを行いつつ物流を機能させるためにも、適切な防疫措置と万が一の時の対応方針は必須のものとなる。こうした厳しい状況の中、同社が発出したガイドラインは、物流市場共有の課題に対応したものとなっており、長期戦を見据えた同社の確固たる意思表示ともいえそうだ。

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