洋服の青山がオムニチャネルを強化『デジタル・ラボ』を新たに4店展開 795店舗の在庫を確認可能に
青山商事株式会社は、ネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」を、「洋服の青山」の「リンクスウメダ店」・「心斎橋店」・「京都河原町店」・「三宮店」の4店舗に導入し、6月24日(水)から順次運用を開始する。
同社によれば「デジタル・ラボ」の関西エリアへの導入は今回が初めてで、これにより導入店舗数は「洋服の青山」で31店舗となる。
1,000万点以上の在庫から好みの商品を選べる
同社は「デジタル・ラボ」について、ネットの豊富な在庫数とリアル店舗の接客サービスの両メリットを最大限に生かしたシステムだとしている。導入店の店内には、同社のECサイトと連動するタッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置し、来店客はこれらの端末を通して、ECサイト上にある約1,000万点以上の在庫から好みの商品を選ぶことができる。
同社のECサイトは店在庫とも連動しているため、「デジタル・ラボ」の導入店では「洋服の青山」全795店舗にあるすべての在庫を確認することが可能だという。利用者は店在庫をゲージ見本として試着や採寸を行うため、実際の商品の色柄や着心地などを確認した上で購入することができるのも特徴の一つだ。また商品は自宅に配送となるため、購入後は手ぶらで帰ることができ、後日店に商品を引き取りに行く手間も不要となる。
◆導入システム:デジタル・ラボ
<導入店舗:4店舗>
・洋服の青山 リンクスウメダ店(大阪市北区)
・洋服の青山 心斎橋店(大阪市中央区)
・洋服の青山 京都河原町店(京都市中京区)
・洋服の青山 三宮店(神戸市中央区)
◆運用開始日:6月24日(水)から順次
デジタル・ラボの機能(一例)
◆デジタル接客
画面上のキャラクタースタッフがビジネス・就職活動・結婚式といった利用者の着用シーンや、要望のサイズ・モデル・価格帯・色柄などの商品の絞り込みをサポート。これにより商品選びをスムーズに行えるほか、購入時の不安感の払拭にもつながる。
◆ランキング表示
「デジタル・ラボ」導入店の人気商品をランキング形式で表示。ランキングは1~10位までを日々更新する。全国の順位と店単位での順位の2パターンを見ることが可能だ。数多くある商品の中から人気のものが一目でわかる仕組みとなっている。
◆コーディネート
選んだスーツに合うシャツやネクタイを画面上で自由に組み合わせて様々なコーディネートを確認できる。ビジネス・就職活動・結婚式といった着用シーンに合わせたシミュレーションも可能だ。これにより具体的な着用イメージがもてるほか、販売員のコーディネート提案にも役立つ。
ECとリアル店舗、双方の強みを引き出す
「デジタル・ラボ」は、都市部を中心とした狭小店の品揃え不足を補うことを目的に2016年に開業し、1号店を秋葉原(東京都千代田区)に出店した。このシステムは、ネット連携による豊富な品揃えと利便性の高さなどが大きな反響を呼んでおり、現在では同社のデジタル戦略の主要事業の一つとして位置付けられているそうだ。
「デジタル・ラボ」の導入店では、同じ色柄のスーツをサイズ別で保有する必要がなく、限られたスペースで多くの種類を陳列できることから、現在は主に都市部の売場面積100坪未満の狭小店を中心に導入されている。今回の導入店の中でも狭小店である心斎橋店は、これまで通り品揃え不足を補うことを目的に導入するとしている。
同社では、その他の3店舗(リンクスウメダ店・京都河原町店・三宮店)については、このシステムを導入することでスーツ売場の一部を縮小し、現在強化しているオーダースーツコーナー・ビジカジ商品・レディス商品などを拡充することで、多様化するビジネススタイルに対応した魅力ある売場を目指すと述べている。同社はまた、オムニチャネルの取り組みを具現化した店舗形態として、今後も導入を強化していくとしており、これからの展開についても注目したい。