新型コロナがもたらすサプライチェーンの再構築 日本ロジスティクスシステム協会が調査を実施

ECのミカタ編集部

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会は、「新型コロナウイルスの感染拡大による物流・サプライチェーンへの影響」と題する調査を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の「会員・広報委員会」では、物流およびサプライチェーン面での状況について、関係各位の情報共有を行うとともに、「新しい生活様式」における今後の対応策検討に向けた一助とするため、アンケート調査を行った。

[調査方法]
メール案内/WEB回答方式

[調査期間]
2020年6月16日(火)~2020年6月23日(火)

[調査対象]
回答状況

[調査対象]
JILS会員企業、荷主および物流企業の会員:678名
 
[有効回答数]
146件(回答率21.53%/1社1回答)

サプライチェーンの混乱が拡大

国内および海外からの原材料や部品、商品の調達・仕入れの遅れが、前回調査(2020年3月18日発表・以下同じ)から拡大(国内:前回25.00%→今回45.76%/海外:前回36.25%→今回50.85%)した。

また「大幅な受注・販売増となった製品、部品がある」(前回32.91%→今回50.00%)、「大幅な受注・販売減となった製品、部品がある」(前回20.25%→今回43.10%)など、サプライチェーンの混乱が、引き続き継続・拡大していると考察している。

急激な需給の変化に困惑しつつ、企業は物流が止まらぬように奮闘

取扱い物量が減少していると回答した企業が増加(前回56.66%→今回78.38%)しており、新規顧客獲得に向けた営業活動が制限される中、トラックの減便や庫内人員体制の見直し等にて対応しているとの回答もあった。

またコロナ禍の前と比べ、「トラックが確保しやすくなっている」(38.46%)、「作業員の余剰が生じている」(30.00%)の回答もあった。

航空貨物におけるコスト上昇、輸送の遅れ等が顕著

国際物流について、海上貨物と航空貨物に分け、それぞれ方面別に状況を聞いている。全体として、「コストが大幅に上昇している」「輸送に遅れが生じている」等、課題が発生しているとする回答が多かった。

特に航空貨物では、全ての地域で過半数の回答者が「コストが大幅に上昇している」と回答、北米・東アジア向けにおいては、8割が「コストが大幅に上昇している」と回答した。

積極的に取引先と物流条件を調整し効率化を進める企業も

荷主企業の約3割が、取引先との調整による物流条件の変更に取り組んだと回答した。取り組んだうちの約7割の企業は、物流・ロジスティクス部門がこの取り組みを主導し、また取り組みの結果、8割以上の企業から効果があったと回答した。

新しい生活様式が、サプライチェーンの商慣習に変化をもたらす

荷主・物流企業ともに約7割の企業が、今回の新型コロナウイルスの感染拡大、および「新しい生活様式」への対応が、今後、検品・伝票レス化や納品時間指定の緩和、ドライバーの付帯作業の業務化等、サプライチェーンにおいて、商慣習等に変化をもたらすと回答した。

まとめ

調査結果にあるように、新型コロナウイルスによる感染拡大によってサプライチェーンの混乱が拡大しており、業界として急激な需給の変化に困惑しつつ、企業は物流が止まらぬように努力している様子が浮き彫りとなった。

そうした中、積極的に取引先と物流条件を調整し効率化を進める企業も多く、また新しい生活様式が、サプライチェーンの商慣習に変化をもたらすと回答した企業も7割に上った。未だ、世界的には感染拡大の収束が見通せない状況で、ECにおける生命線とも言える物流の現場でも混乱と奮闘は続きそうだ。

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