メール配信システムってどう選べば良い?選び方やメール配信の注意点を紹介

ECのミカタ編集部

自社の商品をアピールするためのツールとして、最も手軽なのがメルマガやステップメールなどのメール配信システムです。しかし、メール配信システムを提供している業者はたくさんあり、正直どう選べばいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか。そこでこのページでは、メール配信システムの基本的な機能やその選び方について説明します。

メール配信システムにできること

まずは、メール配信システムの基本的な機能について紹介します。

一斉配信・配信予約


一斉配信はメール配信システムの基本的な機能で、登録されたメールアドレス宛に作成したメールを一度に配信する機能です。通常は一通一通書いて送信する、という手順を踏まなければならないものが、この機能を使うことで一度の送信で何百単位の膨大なアドレス宛にメールを送信する事ができるようになります。また、登録したユーザー向けに自動であらかじめ設定したメールを送信する、ステップメールという機能が使える場合も多いです。

配信予約は、予め時間を指定しておくとその時間に自動的にメールが配信される機能のことです。PCの前でいちいち送信ボタンを押さなくても、指定した時間になれば自動でメールを送信してくれるため、終業時間後や深夜・早朝等、自分の都合に囚われずに配信する事ができます。また、アドレスごとに個別で配信時間を設定できる場合もあり、配信先の人が読みやすい時間帯に小刻みに調節して送信する事もできます。

効果測定


メール配信システムには効果測定機能が搭載されているものが多く、この機能を使用することで、配信したメールがどの程度開封されたのかや、メール内のリンクがどの程度クリックされたのか、といったデータをグラフ化して確認する事ができます。これらのデータを分析する事で、より効果的な配信方法や記事の内容、配信時間等の改善点の洗い出しにつながります。ただし、分析できるデータの種類や期間はメール配信サービスによって異なりますので、各システムのサイト等で確認するようにしましょう。

メール配信システムのメリット

メール配信システムを使用する事で、どのようなメリットがあるのでしょうか。

PDCAを回せる


まず大きなメリットといえるのが、効果測定機能が搭載されている事が挙げられます。

メール配信は、顧客にメールを送ってそれで終わり、というわけではありません。せっかく送信しても、そのメールを見てもらえなければ意味はありませんし、送っただけではそのメールを見てもらえたかどうかは分かりません。そこで、効果測定機能を使う事で、開封率などのデータを分析し、改善につなげる事ができます。計画・実行・評価・改善を一つのサイクルとしてつなげる事で、より効果的にメール配信が行えるようになります。また、顧客ごとの動向をデータ上でつかむ事もできるため、ニーズに合わせた柔軟なマーケティングも行えます。"

工数の削減


メールを一通一通手動で送信しようとすると膨大な手間がかかりますし、アドレスの誤記や記事の誤字脱字といったヒューマンエラーのリスクも高くなってしまいます。メール配信システムを利用する事で、そうした作業にかかる工数やヒューマンエラーのリスクを抑える事が出来、業務効率の向上につながります。フィードバックなどの情報収集もできるので、配信するメールそのもののクオリティも上げられます。

セキュリティ向上


メール配信システムの多くには、サイバー攻撃に対するセキュリティ対策が行われているものが多く、普通にメールを送信するよりも遥かに高いセキュリティ性でメールの配信・運用を行う事ができます。高いセキュリティ性を持つシステムでアドレスを一元管理すれば、顧客の情報漏洩等の致命的なトラブルに陥るリスクを回避する事ができます。また、配信を自動化する事で、情報漏洩の発生事例で最も多いとされるヒューマンエラーも防止できます。

特定ユーザーへの配信


メール配信を利用したマーケティングで最も重要視されているものの一つが、セグメント配信と呼ばれる方式です。これが可能なメール配信システムを選んでおくと、ユーザーの性別や年齢、行動・購買の履歴や興味関心等、ユーザーごとのパーソナリティに合わせたコンテンツを配信する事ができます。

多くの情報があふれるようになり、ユーザーの興味のないコンテンツはそれだけで顧客離れを引き起こすリスクになりうるため、ユーザーごとにコンテンツをパーソナライズして配信できるのは、大きなメリットになります。"

メール配信システムのデメリット

配信するメールの内容がよくないと、その配信アドレスを迷惑メールやスパムと判断されてしまう可能性があります。そうなってしまうと、顧客のメールボックスに届く前に弾かれてしまうため読んでもらえる可能性は無くなってしまいますし、最悪企業イメージを低下させてしまう可能性もあります。

記事が文字ばかり、あるいは装飾が過剰すぎて読みづらくはないか等、クオリティにも十分に気を配る必要があります。また、記事の分量が過剰だったり、配信頻度が過剰であってもスパムと取られかねないため、適切な記事量や頻度を見極めて配信しなければなりません。

メール配信システムの選び方

メール配信システムは、自社の業態や環境に合わせて選ばなければなりません。そこで、より最適なシステムを選ぶための判断基準について紹介しましょう。

オンプレミス型かクラウド型か


メール配信システムには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2つの形態があります。オンプレミス型は、自社に直接サーバを設置して運用するタイプで、クラウド型はインターネット上で利用できるタイプです。オンプレミス型はカスタマイズ性・セキュリティ性に優れていますが、システムを構築するための一定以上の技術力が必要であり、一定の工数やコストが要求されます。一方クラウド型はインターネット環境さえあれば利用できるため手軽に利用でき、コストも抑えられますがカスタマイズ性やセキュリティ性はオンプレミス型よりやや低くなります。

自社に必要な機能はあるか


機能面を比較する時は、その種類の多さよりも、むしろ「自社に必要な機能がどれだけ揃っているか」をチェックする事が大切です。例えば、HTMLメールは作成できるか・ステップメールやセグメント配信の機能はあるか・分析機能はどこまでのデータを参照できるのか等、細かい部分を比較し、自社で想定しているメール配信に必要な機能を洗い出していくとよいでしょう。

コストは問題ないか


コスパの比較も重要な判断基準になります。メール配信システムの利用料金は、配信するメールの数で価格帯が決められている場合が多いので、まずは自社の大まかな必要配信数をしっかりと決めた上で、その配信数に応じた価格帯を比較・検討するとよいでしょう。

また、メール配信システムはある程度長期にわたって利用するものです。長期間利用している間に思わぬ費用が発生する場合もあるので、あらかじめそうした可能性も考慮に入れつつ、長期的な目線で考える事が大切です。


メール配信で絶対に気をつけるべきこと

メール配信システムを利用する上で絶対に知っておかなければならないのが『特定電子メール保護法』です。これは2002年に成立・施行された法律で、「メールを配信する相手に事前に同意を得なければならない」「受信者がいつでもメール配信を受信拒否できるよう、その案内と連絡先を記載しなければならない」等の規定が盛り込まれており、違反した場合は3,000万円以下の罰金が課せられます。インターネットで検索すると、同法の詳しい内容や解説を見られるので、必ず一度目を通しておきましょう。

自社の目的に合わせたメール配信システムを

メール配信システムは膨大な数が存在しており、初めて導入を検討する場合は選び方に迷ってしまう事も多いでしょう。より最適なメール配信システムを選ぶには、自社がメール配信を行う目的や配信するスタイル、そしてなによりも、メールを受け取るユーザーのことを考えて、それにマッチした機能を持つシステムを選ぶ事が大切です。


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